「ぼくら党」のブログ

我が旗を掲げながら進む-少数精鋭「ぼくら党」の公式ブログ 社会について考えてます。コメントいただければ幸いです。

国連安保理の北朝鮮非難決議について

2006-07-17 23:43:25 | 北朝鮮・韓国・アジア
■国連安全保障理事会は全会一致で北朝鮮のミサイル発射について非難決議を採択した。日米は強制力のある制裁決議を目指していたが、中ロとの意見の違いから、結局のところ強制力の無い非難決議に落ち着いた。お互いの損得勘定を平均化すれば当然の結果と言えるだろう。

■拘束力の無い非難決議であっても、北朝鮮の行動に制約を与える事になるらしい。今後、また北朝鮮がミサイル実験を威嚇的に行うようであれば、中国やロシアも北朝鮮をかばいきれず、次の段階は制裁決議になる公算が大きい。

この結果は日本の勝利か敗北かはよく分からないが、勝敗の是非よりも、結果として御互いの言い分が一応組み込まれているのだから、良かったのではないだろうか。

■この一連の流れを見ていると、ブッシュ大統領が ―胡主席に「あなたの指導力に感謝したい」と語った。― とあるように、アメリカと中国の関係は必ずしも対立的でない事が見えてくる。アメリカと中国の関係が強固になれば、日本の国際社会に対する発言力が小さくなるのではないか。(この方が日本にとって過度な米国頼りが是正される、いい機会になるかもしれない)。

■国連の安保理と同時に行われていた、中国と北朝鮮の交渉はうまく行かなかったようだ。記事によると中国代表団は金氏と会見する事ができなかったらしい。伝統的友好国であり、自国を支えている中国に対しても、まともな対応をしない金氏の思惑はまったく理解できない。

金氏は、本当に現在の世界情勢を理解しているのだろうか。よく独裁国家にありがちな、正しい情報がもみ消されて、都合のいい情報だけを聞かされているのではないだろうか。それとも報告される情報を都合よく解釈しているのだろうか。

過去に独裁者スターリンはドイツが対ソ戦を準備している情報があったにも拘らず、それを信じようとせず、ドイツの緒戦の大勝利を許した。これと同じ事が北朝鮮で起こっている可能性もある。独裁者特有の被害妄想や猜疑心が彼を凶行に向かわせはしないだろうか。

■― 朴大使は北朝鮮の独特の言い回しで、ミサイル発射を通常の軍事演習であり、主権国家の正当な権利と正当化し、決議採択については「安保理を悪用」し、北朝鮮を「孤立化させようとする数カ国の企て」と批判した。― とある。この場面はテレビでも放送していたが、これを見たとき、松岡洋右が国際連盟の会場を退席した場面を思い出した。

調べてみると、リットン報告書の採決結果は賛成42、反対1(日本)、棄権1で可決されたとある。これを受けて日本は国際連盟を脱退する事になる。なにか今の北朝鮮はこれと似てはいないか。日本は、国際連盟脱退後に戦争の道をひた走る事になったが、北朝鮮も同じ状況にあるのだろうか。

■北朝鮮の主張はある意味正しい。軍事演習を行なう権利はどの国であれ当然ある。しかし、国際社会で北朝鮮が存在していくためには、とても通用する主張ではない。世界情勢の流れや、常識が理解できずに自国の主張ばかりするようであれば、北朝鮮の運命は、戦前の日本と同じ運命をたどる事になるだろう。



--------------------------------------------------------------------------
            ★この記事に同意できる方は、クリックお願いします。★ 
              ブログランキング・にほんブログ村へ  



―以下引用記事―


http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20060717k0000m030100000c.html
米中首脳会談:6カ国協議の前進に関与を確認 
【サンクトペテルブルク(ロシア)笠原敏彦】ブッシュ米大統領は16日、胡錦濤・中国国家主席と当地で会談した。両首脳は、朝鮮半島と東アジアの平和と安定、核問題をめぐる6カ国協議の前進に関与することを確認した。また、大統領は国連安保理で対北朝鮮非難決議が中国の賛成もあり全会一致で採択されたことに関し、胡主席に謝意を表明した。両首脳の会談は4月以来。 

ブッシュ大統領は会談終了前、全会一致での決議採択に触れ、胡主席に「あなたの指導力に感謝したい」と語った。決議採択で、日米などの制裁案と中露の非難案の間でぎりぎりの調整が行われた結果、中国が拒否権を発動せず、安保理がひとまず「結束」できたことに言及したものだ。 

胡主席は「我々は朝鮮半島と北東アジア全体の平和と安定への関与を表明した。また、6カ国協議を前進させるために努力を続けることでも合意した」と説明した。また、「複雑で不安定な国際情勢を考慮すると、中国と米国が協議と協調を強化して重要な問題に対処することが両国の利益になる」と訴えた。 

イラン核問題で両首脳は、両国が「平和的解決に向け協調する用意」(胡主席)を表明した。毎日新聞 2006年7月16日 21時47分 (最終更新時間 7月16日 23時31分)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060716-00000056-mai-int
<米国連大使>北朝鮮の拒否は「世界記録」とジョーク
【ニューヨーク坂東賢治】ボルトン米国連大使は15日、北朝鮮の朴吉淵(パクキルヨン)国連大使が非難決議受け入れ拒否を表明した直後、特に発言を求め、「今日は歴史的な日だ。安保理が全会一致で決議を採択したのに加え、北朝鮮が決議採択後45分で拒否するという世界記録を打ちたてた」と述べ、緊張した議場内が笑いに包まれた。 朴大使は北朝鮮の独特の言い回しで、ミサイル発射を通常の軍事演習であり、主権国家の正当な権利と正当化し、決議採択については「安保理を悪用」し、北朝鮮を「孤立化させようとする数カ国の企て」と批判した。 

北朝鮮にミサイルや核計画廃棄を求める国際社会の一致したメッセージを送り、6カ国協議への復帰を求めることを狙った決議が実現した直後だけに、議場の参加者の多くは独自の論理の展開にうんざりした表情。大島賢三国連大使も協議後、「聞いていて悲しくなった」ともらした。 (毎日新聞) - 7月16日21時17分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060717-00000021-yonh-int
金総書記とも会えず、中国代表団が説得に失敗【ソウル16日聯合】
北朝鮮の6カ国協議復帰に向けた説得のため10日から15日まで北朝鮮を訪問していた中国代表団が、金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談できず、北朝鮮の態度変化誘導に失敗していたことがわかった。  

韓国政府関係者によると、武大偉・中国外交副部長と会談した金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官は、米国による北朝鮮への金融制裁解除がない場合には6カ国協議には復帰できないとする立場を明らかにしたという。北朝鮮はまた、ミサイル問題についても、日常的な軍事訓練の一環であり、主権国家が持つ当然の権利に該当するものだと主張したという。

中国代表団が何の成果もないまま帰国し、直後に安保理決議案が採択されたことから、今後は本格的に北朝鮮への圧力が強まるものと予想される。 (YONHAP NEWS) - 7月17日0時30分更新