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中田市長の朝鮮総連減免措置廃止について

2006-07-12 23:51:35 | 北朝鮮・韓国・アジア
■中田横浜市長が、朝鮮総連関連施設の税減免措置を廃止する事を明らかにした。― 中田市長は会見で「ミサイルをわが国に向けて発射している事実は重たい。国全体で行っている経済制裁の一環」などと述べた。― という事から北朝鮮のミサイル実験問題と連動した動きであるようだ。

■記事によると、― 朝鮮総連施設に対する課税を巡っては、福岡高裁が2月、熊本市による減免措置を違法とする判決を出した。― とあるように、過度な特別待遇であったり、法律上問題があるのであれば、それを是正する事は、基本的には為さなければならない事だろう。

しかしながら、中田市長は ―「ミサイルをわが国に向けて発射している事実は重たい。国全体で行っている経済制裁の一環」― との発言にあるように、税減免措置の廃止を北朝鮮のミサイル実験に対する制裁の一環として行おうとしている。(これは、あまりにも恣意的ではないのだろうか)

中田市長は、ミサイルを日本に向けて打っている事を問題視しているが、この度のミサイル発射は、あくまでミサイル実験であり、あまり問題のある事ではない。発射されたミサイルには弾頭が付いておらず、ミサイルの大部分は大気圏で燃え尽きるので、実害は殆んど無い。問題なのは、日本との合意である平壌宣言を無効にしかねない事が問題なのである。

■この対応の是非は別にしても、中田市長の発言は感心できるものではない。ただでさえ「北朝鮮憎し論」が国民に蔓延している中で、市長が率先して、その雰囲気を助長するような姿勢は疑問である。この時期に、あえて一地方自治体が制裁的な意味合いで減免措置廃止を行う必要も無い。本来であれば、国民の感情を鎮める形で行動すべきだと思う。 

■額賀長官は ―「(日本が)戦後60年、平和を守ってきた実績を考えていただければよく理解してもらえると思っている」― と言っているが、冷静な判断が出来るであろう中田氏でさえ、若干感情的に対応しているのを見ると、そうとも言い切れないという感を持つ。

平和主義の当体である「第9条」を邪魔な制約としている考えている自民党の一員である、額賀長官(額賀氏自身が、どういう考えかは分からないけれども)が「平和を守ってきた実績」と言われてもあまり説得力は無い。(昔は自民党も少なからず持っていた「平和主義」に対する配慮を、現在の議員がどれだけ持っているか疑問だ。)

■額賀長官は ― 議論が軍事大国化につながるとの指摘はあたらない― とあるが、北朝鮮についての不安を解消するために、軍事力の強化を国民が望むようであれば、際限の無い軍拡競争にならないとは言い切れない。もし、国民の不安に付け込むような政治が為されるようであるなら(現在でもその傾向は見られる)、なおさらその傾向が強くなる。

■「平和を守ってきた実績」を60年から70年、80年と延ばすためにも、我々日本国民は、冷静な判断をしていかなければならない。安易に感情的な言説に組すれば、この平和記録は、近い将来、途切れる事になるのではないか。




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-以下引用記事-

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20060713k0000m040064000c.html
中田宏横浜市長:総連関連施設の税減免廃止「制裁の一環」 
北朝鮮のミサイル発射に伴い、横浜市の中田宏市長は12日の記者会見で、市内にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)県本部など関連全10施設について、今年度の固定資産税と都市計画税を減免しないことを明らかにした。ミサイル発射後に減免を取りやめる自治体は全国で初めてという。 

市によると、朝鮮総連関連施設の税減免は64年に開始、05年度の減免額は計440万円。市は近く、県本部と支部、分会など10施設に減免不許可通知を送る。中田市長は会見で「ミサイルをわが国に向けて発射している事実は重たい。国全体で行っている経済制裁の一環」などと述べた。また来年度以降については「その時々の状況を見て判断する」と述べた。 朝鮮総連施設に対する課税を巡っては、福岡高裁が2月、熊本市による減免措置を違法とする判決を出した。これを受け、総務省は4月、各自治体に減免措置の見直しを通知していた。【鈴木一生】毎日新聞 2006年7月12日 19時39分

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20060711dde007030043000c.html
北朝鮮ミサイル:敵地攻撃論 軍事大国化の指摘あたらず-額賀長官 
額賀福志郎防衛庁長官は11日午前の記者会見で、「自衛のための敵地攻撃」論議への韓国青瓦台の発表について「(日本が)戦後60年、平和を守ってきた実績を考えていただければよく理解してもらえると思っている」と述べ、議論が軍事大国化につながるとの指摘はあたらない、と反論した。毎日新聞 2006年7月11日 東京夕刊