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グレーゾーン金利廃止検討―明日は我が身か?アイフル問題

2006-04-20 23:55:07 | 時事考察

■記事によれば、アイフルはテレビのCM等で受ける印象とは裏腹に、そうとう強引な取り立てをしていたようだ。このアイフルの強引な取り立てがきっかけとなって、グレーゾーン金利が廃止される方向に向かっているらしい。

■今まで、このグレーゾーン金利が放置されたために、利息制限法の上限金利が有名無実化していた。このような状態を長く放置していた行政の怠慢は許されるべきものではないが、改正されないよりはマシであろうから、一応は良い方向に向かっていると言えるだろう。

■金銭の貸し借りの問題で、必ず出てくる意見が「借りた金を返すのは当然」というものだ。しかし、私はそう思わない。この場合は「金を貸す方が悪い」と思っている。「借りた金を返すのは当然」という考えは、相手を信用して、善意でもって、金の貸し借りをした場合には適用されると考える。たとえば、友人に対して金を貸すという行為は、この善意でもって金銭を貸したという事に該当するだろう。

しかし、高利貸の金融業者は、返してくれるだろうという前提で金を貸すという訳ではなく、帰ってこないということを前提として金を貸している。いうなれば、悪意でもって金を貸しているのだ。高利で貸すような金融業者は、金を返さないということを理由として、恐喝の材料としている。

■恐喝する場合の論法として「借りた金を返すのは当然」という一見当然のような意見を建前としているので、返済しない方が悪いかのように見られる場合がある。このような考えを、状況も考えずに正しいとする意見が少なからずあるために、高利貸がなくならないのかもしれない。

■もし、借りた人が、破産者的性格の持ち主であって、高利貸しに初めから返す気が無く金を借りたとしても、「貸した方が悪い」という思いは変わらない。本来、金を貸すという行為には返済されないという事を前提に担保を取るのが当然なものであり、 それを防ぐために、抵当権を不動産等に設定するのが常識的な金銭の貸し方である。

高利貸しのように、担保も取らず、無分別に金を貸していれば、返済がされなかったとしても抗議する資格は無いと言えるだろう。担保も取らずに金銭を貸与し、挙句の果てに、法律を破らなければ債権を返済させることができないアイフルは金融業者としての資格など無い。

■ある人物が、見ず知らずの人に金を貸して、その金が戻ってこなかった場合は、「貸した方が悪い」となる。しかし、法を守らない悪徳金融業者にお金を借りた人が、恐喝に近いような状態で返済することを迫られていても「借りた金を返すのは当然」となる。相手の善意を信用して見ず知らずの人に金を貸した人間は、「貸した方が悪い」となり、恐喝に近いような状態で返済を迫られている人には「借りた金を返すのは当然」となってしまう。これは何故だろうか。

■商工ローンの後ろに見え隠れするのが、大手の銀行ということらしい。商工ローンに資金を貸し付けて、その資金を銀行に金を貸してもらえないような人々に商工ローンが貸す。そうする事によって、大手銀行はリスクも低く、自らの手を汚すこともなく、利益を上げているようだ。このような銀行もアイフルと同罪と言っていいのではないか。銀行には社会的役割も科せられている分だけアイフルよりも罪が重いと思う。

高利貸は全面的に禁止するべきだろう。金の貸し借りは、自己責任であるという意見もあるだろうが、未成年は酒や煙草を禁止されている。シートベルトやヘルメットも着用しなければ、罰則が課せられる。このような、高利貸に比べれば、些細なものには規制を科して、それ以上に自殺や犯罪につながるような、社会悪の高利貸から金銭を借りる行為に対しては、「自己責任」と言うのはおかしい。

■このような金融業者の被害に遭うのは、できることならば借りたくなかったというような、まじめな人が多いのではないか。このような社会的弱者が、高利貸などに金を借りなくても済むような制度をグレーゾーン金利の廃止とともに作るべきだろう。

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-以下引用記事-

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060420i515.htm?from=main5
アイフル処分は「一罰百戒」
…与謝野金融相与謝野金融相は20日の参院財政金融委員会で、金融庁が消費者金融大手アイフルに違法な取り立てなどで全店業務停止命令を出したことに関して、「こういうもの(消費者金融の違法行為)には一罰百戒ということだ」と述べ、アイフルへの行政処分は消費者金融業界全体に法令順守徹底を求める狙いがあったことを示唆した。さらに、「違法収益を没収するためには法の根拠が必要だ。

今後、検討はさせていただきたい」と述べ、違法利益の没収についても検討する考えを示した。民主党の平野達男氏の質問に答えた。与謝野金融相は、消費者金融が利息制限法の上限金利(年15~20%)を超えて貸し出しても刑罰に問われないグレーゾーン金利について、「最高裁が(グレーゾーン金利での貸し付けを事実上認めない)判決を出しており、その判例を今後の立法作業、法律改正の中で尊重していくのは当然だ」と述べ、撤廃する意向を改めて示した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060414i118.htm
どなる、居座る…アイフルの取り立てに次々訴訟返済を求めてどなり、玄関に居座る―

―。14日、異例の全店業務停止処分を受けた消費者金融大手「アイフル」(本社・京都市)。金融庁が処分理由に挙げたケースや、各地で起こされた訴訟からは、同社の強引な取り立ての実態が浮かぶ。一方、多重債務者の支援団体からは「同じような取り立ては業界に蔓延(まんえん)している」との声も出ており、これまで「ヤミ金融とは違う」と主張してきた消費者金融業界の体質も問われることになりそうだ。金融庁によると、アイフル五稜郭店(北海道)は、認知症の患者にまで貸し付けていた。

2004年3月、患者の代理人が融資契約の取り消しを申し入れたが、その後も取り立てを続け、申し入れの事実を記録していなかった。コンタクトセンター福岡(福岡市)は、返済が滞った顧客に督促を担当する部署が、電話で自宅に連絡できるのに、わざわざ勤務先にかけていた。顧客がやめるように言っても続いた。新居浜店(愛媛県)は04年11~12月、返済資金を第三者から調達するようしつこく求め、「奥さんに話をさせてください。お母さんでも」と迫った。

これらはいずれも、ヤミ金融の取り立てが社会問題化したことを受け、04年1月に施行された改正貸金業規制法(ヤミ金融対策法の一つ)に抵触する悪質な取り立てだった。アイフルを相手取った訴訟でも、原告らは同様のケースを訴える。神戸市の女性(71)は05年1月、生活費を強引に取り立てられたとして提訴した。多重債務に陥り、生活保護を受けていたが、同社社員は「払ってもらわなければ帰らない」と玄関口に居座った。

女性は「この場を逃れたい」との一心で、なけなしの5000円を渡した。熊本県内の多重債務者救済団体の相談員吉田洋一さん(69)は03年8月、債務者の相談を受けた際、同社社員から「話を聞け、じじい」「お前らなんてつぶすのは何ともねえ」とどなり散らされた。吉田さんは「身の危険を感じた」として05年8月、慰謝料を求めて提訴した。一方、別の救済団体「夜明けの会」(埼玉県)の事務局次長吉田豊樹さん(33)は、「取り立ての厳しさは大手も中小も同じ」と話す。

吉田さんもかつては多重債務者で、10社超の消費者金融から連日、勤務先に督促の電話がかかってきた。精神的に追い込まれ、退社して自己破産した。消費者金融問題に詳しい木村裕二弁護士は、「アイフルの違法取り立ては長らく指摘されてきたが、CMで優良企業とのイメージが先行していた。消費者金融業界の『我々はヤミ金とは違う』との説明が誤りだったことが露呈した。処分を業界全体で重く受け止めるべきだ」と指摘した。(2006年4月15日1時59分 読売新聞)



4 コメント

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ショック (貸金業社員)
2006-04-22 11:16:08
三流大学卒業以来、一度転職しましたが同じ職種で貸金業にどっぷり使っている35歳です。「金は貸したものが悪いあきらめろ。」という言葉は督促業務の中で顧客からよく怒鳴られたり馬鹿にされていたので慣れていましたが、世間様から見て恐喝行為と思われていたとは全く考えていませんでした。反論も怒りも無いですが、正直ショック・・・。普通に就職して今日まで一生懸命働いてきたつもりでしたから。私が勤めている会社は零細企業なので今度の改正でおそらく廃業に追い込まれるでしょう、利息制限法の利率なんて商売として成り立たないのは素人目に見ても明らか。まぁそれも運命、私は世間でいう負け組みになるかもしれませんが諦めて新しい仕事探します。(本当は負けたくはないので勝ち組み目指して頑張ります。)

最後に一つ管理人さんにお聞きしたいのですが、それではどんな業種がまっとうで立派な会社、仕事、人間なのでしょう?管理人さんが言ってるように銀行なんて自分の手を汚さず個人ローンの保証業務を貸金業にさせておいて都合が悪くなれば知らん振り。自身の業績が悪ければ公的資金で助けて貰い、一般人からは、ただ同然の金利で預金させるなんてひどすぎますよね。製造業だって環境を破壊しながら利益を得、一部の社員が高給を取り契約社員を安月給でこき使う。公務員も民間が一人で出来る仕事を2人、3人がかりでやった上に天下りなどで民間企業へのたかりが

横行してます。建設関係は談合。農業や畜産業も顧客のことを考えず農薬や薬漬けの商品を提供しています、これはスーパーなんかも同罪と思いますけど。その他色々ありますけどこの辺でやめときます、愚痴ばかりになってしまいすみませんでした。











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まっとうな職業 (管理人)
2006-04-22 21:43:32
私は、貸金業がお金の回収をするのは当然と思います。その事は恐喝とは思いません。しかし、暴力や恐喝行為で返済を迫るとするならば、それは認められないと思います。それと、まともな取立てをされているという前提ですが、借金している側が「金は貸したものが悪いあきらめろ」という権利は無いと思います。その言葉は第三者の立場にある者が言えるものだと思います。



何が立派な職業か、貸金業社員さんのおっしゃられている観点から考えれば、全ての職業がまともではないと言えるかもしれません。もっと突き詰めれば人間の存在自体がまっとうではないのかもしれません。



職業とは、社会に必要とされているから存在するのではないかと思いますが、本来、その職業が社会から必要とされている役割を逸脱している姿が、貸金業社員さんが挙げられました事例なのではないかと思いました。



私の考えはとりあえずは、人間同士は対等に仲良くやっていこうというものです。人が人を異常に搾取するやり方で金儲けをしているのであれば、その会社や組織は、「まっとうではない」と言えるのではないか?と思います。

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有難うございます (貸金業社員)
2006-04-24 16:29:22
つまらない愚痴にお答えいただき有難うございました。

結局、「人間の存在自体がまっとうでは無い」が

正解だと思います、世の中の人間同士が対等に仲良くやっていくなんて、絶対有り得ない事だと思いますから。
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ありがとうございました。 (管理人)
2006-04-25 20:20:13
コメントありがとうございました。
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