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武部幹事長の総裁選「シラケ」対策から見えるもの

2006-07-25 23:45:55 | 自民党・公明党

■福田元官房長官が、総裁選不出馬を表明したことによって、武部幹事長が総裁選挙を盛り上げようと腐心しているようだ。武部幹事長は以前から国民参加型の総裁選を標榜しているが、その狙いは、国民的人気のあるとされている安部氏が総裁選で有利にするためのものと言われていた。

記事にあるように、福田元官房長官が出馬断念を表明したために、安部氏を有利にすると言う本来の狙いは達成された事になり、「国民参加型」の総裁選は必要なくなったと言える。それによって「しらけ」対策が新たに浮上したとあるが、これは完全な「形作り」であって殆んど意味がない。

■国民参加型の総裁選などは、実質的な首相公選制であり議会制を形骸化させる危険性があると思う。過度に直接選挙的な方式をとれば、健全な民主主義など望めないし、政治がますます大衆迎合に走る危険性があるのではないか。

その弊害を防止するための、議会制であり、安全装置としての機能を果たしている。それをあえて「規制緩和」と同じ感覚で安全装置を取り除くのは危険である。民衆の熱狂が独裁制を生むのであるから、よくよく考えなければならない。

■大衆に主権者としての自覚や見識を啓蒙するのが狙いである「国民参加型」なら納得できるが、小泉内閣誕生の熱狂状態を再現するために、「国民参加型」と言っているなら、なおさら危ない。政治家が議会制の安全装置的役割を忘れ(あえて無視して)て、― 小学生も含め ― などといっているなら、自ら政治家としての役割を否定しているのに等しい。

■武部幹事長の「シラケ」対策としてあげているのが、―「自分が首相になったら、これを実現する」と200字以内でアイデアを募集する仕組み。「(集まった回答を)総裁候補に提示し、どう答えるかを総裁選の焦点にする」― と記事にはある。

これは私のような稚拙な者から見ても、あまりにも稚拙すぎる。200字以内のアイデアを募集して総裁候補に提示してどうしようと言うのだろうか。知識や見識のある政治家であるなら、国民などに媚びずに自らの主義・主張を大いに訴えるべきである。

その政権戦略に国民が質問するなら分かるが、「国民の意見を総裁に提示」など本末転倒である。政治家の気概を放棄している姿を見ると、やはり政治は大衆迎合の方向に進んでいるようだ。

■このまま大衆迎合的に総裁選を行なっても(こんな子供だましではなおさら)半数の国民は政治になど見向きもしないだろう。選挙にも行かない国民を動員するためには、郵政選挙的な期待感が求められるが、この度の総裁選ではそれは望めない。

■小泉内閣が退陣すれば、小泉バブルの後遺症によって、自民党の低迷傾向が加速するかもしれない。総裁選のどうしようもない「シラケ」は、自民党政治に対するシラケでもあり、これを克服するのは容易な事ではない。これを克服できなければ政権交代される可能性もかなり高くなる。この度の森派をまとめた安部氏一本化は、自民党を本当にぶっ壊す(ぶっ壊れる)遠因になるのではないか。



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―以下参考記事―
http://www.mainichimsn.co.jp/seiji/seitou/news/20060726k0000m010099000c.html
自民総裁選:福田氏不出馬表明 武部幹事長「しらけ」対策
 
福田康夫元官房長官の不出馬表明で「消化試合」の懸念がでてきた自民党総裁選を盛り上げようと、武部勤幹事長が演出に躍起になっている。25日にインターネットによる国民向けアンケートの実施を打ち出したほか、総裁候補による地方視察などあの手この手を繰り出す考えだが、泥縄式の対策で「しらけムード」を覆せるかどうかは不透明だ。 

「小学生も含め幅広く国民の意見を求めたい」。武部氏は同日の記者会見で「誰を総裁にするか以上に、新しい総裁にどんな国造りや政策を求めるかが大事だ」と述べ、「国民参加型」総裁選の重要性を強調した。 

その一環として、同党は「私が首相になったら」と題し、ネットによるアンケートを来月から実施する。自民党のホームページを通じて外交や社会保障など12分野から最も関心のある政策を一つ選ばせ、「自分が首相になったら、これを実現する」と200字以内でアイデアを募集する仕組み。「(集まった回答を)総裁候補に提示し、どう答えるかを総裁選の焦点にする」(武部氏)という。 

もともと武部氏はイベント重視の「開かれた総裁選」を演出することで、人気度の高い候補が有利となる展開を探ってきた。しかし、福田氏が出馬せず安倍晋三官房長官優位の構図が固まった現在、総裁選の消化試合化をどう回避するかという新たな課題が浮上してきた。 

このため、総裁選に向け全国10カ所で開催するブロック大会についても、党執行部は地元色を出した演出など盛り上げ策を検討するよう各ブロックに要請した。総裁選挙管理委員会(臼井日出男委員長)も総裁候補が告示日以降に、中小企業や保育所など格差や少子化などの問題を抱える現場を視察する方向で検討。演出に苦慮している。【米村耕一】