「ぼくら党」のブログ

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北朝鮮の何が問題か

2006-07-14 23:55:32 | 北朝鮮・韓国・アジア
■北朝鮮によるミサイル発射実験について、色々な意見が交わされている。以前にも書いたが、私が思う、この度の実験で問題点は、平壌宣言を無視している点であり、もう一つ付け加えるならば事前通告が無かったことである。

実際には、ミサイルの落下地点は、日本近海というよりも、ロシア沿岸に近く、日本よりはロシアの方が直接的な被害を受ける可能性が高かった。この事から日本が被害を受ける可能性は殆んど無く、実害を受ける可能性から考えた場合、それほど問題があったわけではない。

■ミサイル実験そのものは、何処の国においても行われており、最近では、7月9日にインドも「アグニ3」の発射実験をベンガル湾に向かって行っている。もし、ミサイル実験そのものが問題であるのなら、この行為も問題である。

アメリカは、インドに対しては核兵器の保有を容認する方向に進んでいるし、パキスタンに対しても、対テロ戦争を睨んで、核兵器の保有を認めている。これらの扱いは、北朝鮮とは全然違うものであり、北朝鮮に「核兵器、持ったもの勝ち」と思わせている要因でもあるだろう。

■やはり、問題は北朝鮮の約束違反なのであって、ミサイル実験そのものを必要以上に脅威に感じる事も無い。国民が不安に思うのは当たり前としても、政府まで、国民が持つ素朴な感情で行動したとするなら、そちらの方が脅威になる事を忘れるべきではない。

■現在の国連でのやり取りを見ていると、外交とは国家間の利害調整なのであって、けっして正義の体現を目指しているものではないことが分かる。これらのやり取りを見る時に、まずその事を踏まえて考えなければならないと思う。

各国によって利害が違う以上は、北朝鮮に対する態度も変わってくる。それを捉えて、○○怪しからんと言ってみても始まらない。(政府は、この利害関係の中で冷静な目で物事を判断して、一番実利のある選択をするべきだろう)。

韓国などは、よく「北朝鮮の言いなり」と言われるが、韓国にとって見ると北朝鮮は軍事的脅威よりも経済的脅威の方が現実的な脅威であり、北朝鮮崩壊による自国の損失や混乱を考えた場合に、簡単には毅然たる態度や、軍事力による解決などの言説には組する事は出来ないだろう。

中国やロシアとて同じであり、北朝鮮崩壊による、自国に及ぼす影響を考えれば、経済制裁をする事が必ずしも賢明な策とはいえず、当然反対する事になる。しかし、日本にとっては、北の崩壊よりもミサイルを脅威と考えているので、(もちろん、日本にも北朝鮮崩壊による経済負担による損失はあるはず)経済制裁による北朝鮮封じ込めを支持する事になる。

■各国の利害関係の中にあって、北朝鮮の制裁決議案が可決する公算は低いけれども、日本は日本の意思を表明すればいい。しかし、それによって利害関係国との関係までおかしくする様であってはならない。そうなれば北朝鮮の思う壺である。


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― 以下引用記事 ―

http://www.sankei.co.jp/news/060710/kok007.htm
印、新型ミサイル発射実験 命中精度に問題
【ニューデリー9日共同】PTI通信によると、インドは9日、東部オリッサ州で、中国を射程に入れる核弾頭搭載可能な長距離弾道ミサイル「アグニ3」の発射実験を初めて実施した。インド政府当局者によると、発射は成功だったものの標的をとらえられず、命中精度に問題を残した。  

インドとの民生用原子力技術協力の実現に向け、米上下両院の外交委員会が6月末にインドへの核技術供与を認める法案を可決したばかり。北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」などの発射に国際社会が非難を強める中、インドが新型ミサイルを発射したことは米国などで反発を招く可能性もある。  

同通信によると、この日実験されたアグニ3は長さ16メートルの2段式で射程3500キロ。中国の一部主要都市が射程に入る。インドに向けた核ミサイルを配備しているとされる中国に対し、「最低限の核抑止力」誇示の狙いがあったとみられる。  アグニ3は約1万2000メートルまで上昇後、「設計上の問題」が生じ、ベンガル湾上に落下したというが詳細は不明。  

インド政府当局者は6月まで、米議会が米印原子力協力を審議中にアグニ3を発射することは「適切ではない」としていた。  中国とインドは6日、中国チベット自治区とインド・シッキム州を結ぶ国境貿易を44年ぶりに再開し、友好関係の進展を演出したばかりだった。 (07/10 01:22)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060715k0000m030146000c.html
北朝鮮ミサイル:制裁か非難か?決議案めぐり大詰め協議 
【ニューヨーク坂東賢治】日本の大島賢三国連大使と国連安保理常任理事国5カ国(米英仏中露)の国連大使は14日朝(日本時間同日夜)、北朝鮮のミサイル発射をめぐる日米などの制裁決議案と中露の非難決議案の一本化に向けた大詰めの協議を再開した。日米は15日からの主要国首脳会合(サミット)前の決議採決を目指しているが、最終合意には至っておらず、14日も断続的に共同提案国や常任理事国との大使級会合を継続する見通しだ。 

大島大使は14日朝の会合後、「根幹の問題について合意ができていない」と述べ、なお最終合意には至っていないことを強調した。中国の王光亜大使も「なお違いがある」と述べた。毎日新聞 2006年7月14日 23時10分