必要は記憶の母

2016年08月24日 | 日記




 元の話の文脈からはだいぶ外れちゃうけど、ニセ科学批判の意見のなかで時々見かける、「そんな知識は義務教育の理科か数学の中で習う範囲に入っているんだから知らないほうがおかしい」というのも、同じ理由で批判としてはちょっと筋が悪いかなーとは思っている。習ったばかりの小中学生の時には記憶に残っている知識だって、その後の人生の中で(応用的利用という間接的な形であっても)反復的に想起する機会がなければ、数年か数十年か経つうちに記憶から消え去るのは不思議ではない。
 もっとも、だいぶ前に別のところでこの話をしていた時には、「科学は個別知識ではなく“考え方”なのだから何年経とうが消え去るはずがない」と反論されたことがある。たぶんその人自身が、その“考え方”を義務教育終了後も何度となく反復していたから身についているだけなのだろうとは思ったが、その人の語調の中に、個別データならともかく科学の“考え方”を忘れるなんてあり得ないという、明らかにこちらを見下すというか哀れむようなトーンが見受けられたので、「この人の中ではそれが疑うべくもない自明なことなのだろうな」と思って、そこで話を打ち切ったという思い出がある。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿