リアルは地獄(Real is hell)

2016年11月18日 | 日記


 Gレコのクンタラ設定が面白いのは、単に被差別階級というだけではないところ。物語の舞台となるRG1014年代には、少なくとも公的・制度的には差別的な扱いが(ルイン・リーがガード候補生になれるくらいには)撤廃されているが、民心には差別感情が色濃く残っている。その感情が、社会の中でのクンタラに対する実質的な扱いや態度を、制度的な部分とは別の側面で強く規定している。
 一方でベルリの自由奔放なキャラ造型は、そういう伝統的な差別感情に縛られていないという形でも表現されている。クンタラ出身であることを強く意識させられながら育たざるを得なかったルイン(主にマスク時代)には、そんな飛び級生ベルリの“意識せずにいられる”自由さが、眩しくもあり妬ましくもあったんだろうな……などと思わせられる描写が、何だか妙に生々しくてリアルは地獄。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿