ハピネスチャージプリキュアの本編をここに載せるのは初めてでしょうか。
第44話「新たなる脅威!?赤いサイアーク!!」 が私にとって今作で初めて感銘を受けた回あったので、ここに感想を書くことにしました
ハピネスチャージプリキュアは放送前に関係者が述べていたように恋愛を物語の軸に据えたプリキュアになるということでしたが、
今回の放送で、製作陣が描いた「プリキュアの恋愛」の姿を垣間見えたことでしょう
「プリキュア」と「恋愛」
これは今までプリキュアという作品で扱ってきたようで実はそうではないものだと私は捉えています。
もちろん過去のプリキュアだって恋愛を度外視していた訳では決してありません。
初代だって美墨なぎさは恋多き中学生として物語序盤はキャラ付けされていましたし、5の時ものぞみとココ、こまちとナツのような展開はありました。
ただそれらは、決して物語に深く関わってくることはなく、その恋愛に決着をつけることはほぼありませんでした。
私が覚えている限りではフレッシュプリキュアの桃園ラブと大輔が最終回でスポットを当てられたぐらいでしょうか。
大輔は最終回に告白するものの上手くはぐらかして、物語を締めました。
結局はラブと大輔も「親友」止まりであり、恋愛と表現するには難しいと思われます。
この後も日野あかねとブライアンなど恋愛のまね事のようなエピソードが挿入されることはあったものの、ここ数年のプリキュアは恋愛に対して身を引いた物語構造をとっていました。
こういった経緯があるのにも関わらず、ハピネスチャージに入って恋愛を大胆に絡ませてきました
ハピネスチャージプリキュアは、誰が見ても分かるように、物語が進むに連れて、神様(ブルー)と誠司に板挟みされている愛乃めぐみの恋愛が濃くなってくる展開になっています。
過去のプリキュアの恋愛に共通することは、その恋愛に関わるキャラクターは一本の矢印で表現できる誰が見ても分かりやすい明瞭な人間関係、つまりその恋愛模様は女児が理解できるようなお姫様が思い描く王子様との素敵な物語であるのに対して、
ハピネスチャージプリキュアの恋愛は、素直ではない、複雑な感情が入り混じったいわば醜い思惑が交差する恋愛を描いているのです。
難解で、面倒な三角関係に発展することはかつて類を見ない展開だということです。
今までプリキュアがこのようなモヤモヤした人間関係を描くことがなかった理由には、もちろん、プリキュアが女児向けアニメ、なかでも低年齢層向けに該当する作品であり、三角関係のような醜い恋愛模様は描くことは禁忌とされてきたからでしょう。
それは今でも変わらないはず。正直、今作はメインターゲットである女児の母親から非難を受けても仕方がない展開といえるでしょう。
そういう事態を受け入れながらも製作陣は果敢に攻めに入ったといえるのです。
さて、そろそろ今週のお話に触れていくことにします。
~Aパート セリフで表現されない各キャラの隠された気持ち~
クイーンミラージュを救済し、無事に平和を取り戻したブルースカイ王国
ミラージュの救済は彼女の恋の成就に繋がります。
そして同時にめぐみの失恋へと…
あれほどまでに恋愛禁止を訴えながら、熱い愛の告白をしたブルーを見てめぐみや誠司はどのような感情を抱いたでしょうか。
それを今週の放送で見事に精算し、新たな脅威への対峙と上手く絶妙に表現したエピソードであったと私は感じました。
Aパートに入った瞬間私はまず驚きました。
いきなりベットに倒れこむめぐみのカットから始まるのです。

「なぜめぐみは落ち込んでいるの?」「めぐみはどうして泣きそうな顔してるの?」
あれだけめぐみが幸せそうな顔してブルースカイ王国の人々らと戯れている姿を見せてからこの唐突な始まり方に私は驚いたのです。
我々のようなおっさん連中には分かりますが、めぐみの心情描写を大胆に削って、悩み苦しんでいるめぐみを冒頭に見せてきたのです。
そして、ひめ達がめぐみの家にやってきて、お泊り会をするのですが、ここで驚くことに彼女たちの心情描写もまた存在しないのです。
彼女たちはただ、世界が平和になって幸せになったからやってきた訳では決してないはずです。
ミラージュと神様が結ばれて、落ち込んでいるであろうと察して駆けつけたに相違ありません。
あれだけ落ち込んでいためぐみも彼女たちがやってきて笑顔を取り戻します
が
ただし、それはあくまで仮初めの姿であり、本当は無理に笑顔で振舞っていただけなのですね
思い悩んで、深夜2時目覚める女児アニメとか初めて見ました 冷静に考えるとこれってありえないですよ女児アニメで
…
この一連のお泊り会の流れでも
1.冒頭から落ち込むめぐみ
2.突然、めぐみ宅にやってくるひめ達
3.無理な笑顔で振る舞うめぐみ
これだけの要素がセリフを介した説明なしに表現されていたことにまずは驚きました。
~誠司に見せためぐみの本心~
場面は移り、平和を取り戻しためぐみは誠司と出かけに行くことになるのですが…
スケートやショッピングなどその姿はまるでデート。
初めてなんじゃないでしょうか。この2人が本当の意味で2人っきりになったのは…

プリズムジャーンプ
しかし、そこでめぐみは空気の読めてないような爆弾発言をぶちかまします
「こんなにたくさん遊んだのは久しぶりだよ」
「ひめたちも連れてくれば良かったね」
「絶対喜んだのに」
誠司は複雑な感情を抱いたことでしょう
彼はいつも通り、自分のことを犠牲にしてまでも他人を幸せを願うめぐみの気持ちを本心だと理解しつつも、こう告げます
「お前が本心でそう言ってるのは分かっている」
「けど時々思うよ…」
「本当にそれでお前は幸せになれるのかって…」
「せめて俺の前くらいは本当のこと言ってくれよ…」

ヘタレだった誠司が珍しく攻めました。男を見せました。
それに対してめぐみはこう切り返します。
「ミラージュさんが幸せになって、ブルーも幸せになって…」
「とても嬉しいはずなのになんだかとっても悲しくて…」
「私…うっ失恋しちゃった…」

ついにめぐみが自分の本心を告げます。
他人の幸せを何よりの自分の幸せだと思ってるめぐみも本当の彼女である一方
ブルーとミラージュが幸せになることで、苦しんでしまうめぐみもまた本当の彼女であると
この2面性に最後まで苦しむことになるのが愛乃めぐみという人間なのでしょう
どこまでも優しくて義務感が強くて…とても不器用な…
…
そしてめぐみが、物語で初めてブルーに恋していたと自ら発言したことも非常に重要です
今までは、そう思わせるような表現はありましたが、めぐみの口から「恋」の発言があったのは今回が初めてのはずです。
大切で大好きな人を失って初めて恋をしていたことに気づいたある意味めぐみらしいともいえる気持ちです。
…
その後誠司は「俺はずっと側にいてやる」と発言するのですが
やはり根底ではヘタレな性格 途中で逃げ出して飲み物を買いに逃げてしまいます。
~新たな脅威レッド登場~
赤いサイアークが現れ、めぐみに襲いかかります。
レッドという謎の敵はミラージュの次となる駒として、気持ち揺さぶられているめぐみをターゲットにします。
「世界に笑い声が満ちている…」
「お前が苦しんでいるのに笑っている」

「なぜみんなが幸せで私はそうではないのか」

「お前は後悔している…お前は優しい人間だ」
「しかし、その結果お前だけが愛を失った」
こうして、めぐみはひどくダメージを受けるものの、誠司とひめ達のおかげでなんとか難を逃れます。
…
「お前は幸せになりたくないのか?」と問うレッドに対してめぐみはこう告げます。

「なりたいよ!!」
「私は届かない思いも全部、全部受け入れて探して行きたい!!」

これがハピネスチャージを体現するセリフなんだなぁと思います
不器用、本当に不器用。
どこまで不器用でがむしゃらで、決して諦めない姿勢で挑んでいく
これが劇場版同様に、ハピネスチャージプリキュアなんだと思わせてくれます。
カリスマ性の欠片もない、当たって砕けていく姿勢が彼女たちなんだと…
戦闘が終わった後のめぐみのセリフも印象的でした
「心配かけてごめんね」
「私まだ大丈夫じゃないけど、でもきっと大丈夫」

まだ彼女の気持ちは揺れ続けているのでしょう
自分の幸せを見つけることを模索して、苦しんでいるのは間違い無い。
そういったバランスの悪い、不安定な心がこのセリフ1つに表現されていると思います。
…
さてハピネスチャージもこれからが最終章
めぐみが自分の幸せを見つけることがこのシリーズのゴールになるのでしょう。
誠司との関係もどうなっていくのか非常に楽しみなところですね。
あとこの回は作画・演出ともにクオリティ高い回でしたね 力を入れているのが一目瞭然です
成田良美脚本、上野ケン作画監督に大塚隆史演出とかいうオールスター陣ですもん。
それではまた!
第44話「新たなる脅威!?赤いサイアーク!!」 が私にとって今作で初めて感銘を受けた回あったので、ここに感想を書くことにしました
ハピネスチャージプリキュアは放送前に関係者が述べていたように恋愛を物語の軸に据えたプリキュアになるということでしたが、
今回の放送で、製作陣が描いた「プリキュアの恋愛」の姿を垣間見えたことでしょう
「プリキュア」と「恋愛」
これは今までプリキュアという作品で扱ってきたようで実はそうではないものだと私は捉えています。
もちろん過去のプリキュアだって恋愛を度外視していた訳では決してありません。
初代だって美墨なぎさは恋多き中学生として物語序盤はキャラ付けされていましたし、5の時ものぞみとココ、こまちとナツのような展開はありました。
ただそれらは、決して物語に深く関わってくることはなく、その恋愛に決着をつけることはほぼありませんでした。
私が覚えている限りではフレッシュプリキュアの桃園ラブと大輔が最終回でスポットを当てられたぐらいでしょうか。
大輔は最終回に告白するものの上手くはぐらかして、物語を締めました。
結局はラブと大輔も「親友」止まりであり、恋愛と表現するには難しいと思われます。
この後も日野あかねとブライアンなど恋愛のまね事のようなエピソードが挿入されることはあったものの、ここ数年のプリキュアは恋愛に対して身を引いた物語構造をとっていました。
こういった経緯があるのにも関わらず、ハピネスチャージに入って恋愛を大胆に絡ませてきました
ハピネスチャージプリキュアは、誰が見ても分かるように、物語が進むに連れて、神様(ブルー)と誠司に板挟みされている愛乃めぐみの恋愛が濃くなってくる展開になっています。
過去のプリキュアの恋愛に共通することは、その恋愛に関わるキャラクターは一本の矢印で表現できる誰が見ても分かりやすい明瞭な人間関係、つまりその恋愛模様は女児が理解できるようなお姫様が思い描く王子様との素敵な物語であるのに対して、
ハピネスチャージプリキュアの恋愛は、素直ではない、複雑な感情が入り混じったいわば醜い思惑が交差する恋愛を描いているのです。
難解で、面倒な三角関係に発展することはかつて類を見ない展開だということです。
今までプリキュアがこのようなモヤモヤした人間関係を描くことがなかった理由には、もちろん、プリキュアが女児向けアニメ、なかでも低年齢層向けに該当する作品であり、三角関係のような醜い恋愛模様は描くことは禁忌とされてきたからでしょう。
それは今でも変わらないはず。正直、今作はメインターゲットである女児の母親から非難を受けても仕方がない展開といえるでしょう。
そういう事態を受け入れながらも製作陣は果敢に攻めに入ったといえるのです。
さて、そろそろ今週のお話に触れていくことにします。
~Aパート セリフで表現されない各キャラの隠された気持ち~
クイーンミラージュを救済し、無事に平和を取り戻したブルースカイ王国
ミラージュの救済は彼女の恋の成就に繋がります。
そして同時にめぐみの失恋へと…
あれほどまでに恋愛禁止を訴えながら、熱い愛の告白をしたブルーを見てめぐみや誠司はどのような感情を抱いたでしょうか。
それを今週の放送で見事に精算し、新たな脅威への対峙と上手く絶妙に表現したエピソードであったと私は感じました。
Aパートに入った瞬間私はまず驚きました。
いきなりベットに倒れこむめぐみのカットから始まるのです。

「なぜめぐみは落ち込んでいるの?」「めぐみはどうして泣きそうな顔してるの?」
あれだけめぐみが幸せそうな顔してブルースカイ王国の人々らと戯れている姿を見せてからこの唐突な始まり方に私は驚いたのです。
我々のようなおっさん連中には分かりますが、めぐみの心情描写を大胆に削って、悩み苦しんでいるめぐみを冒頭に見せてきたのです。
そして、ひめ達がめぐみの家にやってきて、お泊り会をするのですが、ここで驚くことに彼女たちの心情描写もまた存在しないのです。
彼女たちはただ、世界が平和になって幸せになったからやってきた訳では決してないはずです。
ミラージュと神様が結ばれて、落ち込んでいるであろうと察して駆けつけたに相違ありません。
あれだけ落ち込んでいためぐみも彼女たちがやってきて笑顔を取り戻します
が
ただし、それはあくまで仮初めの姿であり、本当は無理に笑顔で振舞っていただけなのですね
思い悩んで、深夜2時目覚める女児アニメとか初めて見ました 冷静に考えるとこれってありえないですよ女児アニメで
…
この一連のお泊り会の流れでも
1.冒頭から落ち込むめぐみ
2.突然、めぐみ宅にやってくるひめ達
3.無理な笑顔で振る舞うめぐみ
これだけの要素がセリフを介した説明なしに表現されていたことにまずは驚きました。
~誠司に見せためぐみの本心~
場面は移り、平和を取り戻しためぐみは誠司と出かけに行くことになるのですが…
スケートやショッピングなどその姿はまるでデート。
初めてなんじゃないでしょうか。この2人が本当の意味で2人っきりになったのは…

しかし、そこでめぐみは空気の読めてないような爆弾発言をぶちかまします
「こんなにたくさん遊んだのは久しぶりだよ」
「ひめたちも連れてくれば良かったね」
「絶対喜んだのに」
誠司は複雑な感情を抱いたことでしょう
彼はいつも通り、自分のことを犠牲にしてまでも他人を幸せを願うめぐみの気持ちを本心だと理解しつつも、こう告げます
「お前が本心でそう言ってるのは分かっている」
「けど時々思うよ…」
「本当にそれでお前は幸せになれるのかって…」
「せめて俺の前くらいは本当のこと言ってくれよ…」

ヘタレだった誠司が珍しく攻めました。男を見せました。
それに対してめぐみはこう切り返します。
「ミラージュさんが幸せになって、ブルーも幸せになって…」
「とても嬉しいはずなのになんだかとっても悲しくて…」
「私…うっ失恋しちゃった…」

ついにめぐみが自分の本心を告げます。
他人の幸せを何よりの自分の幸せだと思ってるめぐみも本当の彼女である一方
ブルーとミラージュが幸せになることで、苦しんでしまうめぐみもまた本当の彼女であると
この2面性に最後まで苦しむことになるのが愛乃めぐみという人間なのでしょう
どこまでも優しくて義務感が強くて…とても不器用な…
…
そしてめぐみが、物語で初めてブルーに恋していたと自ら発言したことも非常に重要です
今までは、そう思わせるような表現はありましたが、めぐみの口から「恋」の発言があったのは今回が初めてのはずです。
大切で大好きな人を失って初めて恋をしていたことに気づいたある意味めぐみらしいともいえる気持ちです。
…
その後誠司は「俺はずっと側にいてやる」と発言するのですが
やはり根底ではヘタレな性格 途中で逃げ出して飲み物を買いに逃げてしまいます。
~新たな脅威レッド登場~
赤いサイアークが現れ、めぐみに襲いかかります。
レッドという謎の敵はミラージュの次となる駒として、気持ち揺さぶられているめぐみをターゲットにします。
「世界に笑い声が満ちている…」
「お前が苦しんでいるのに笑っている」

「なぜみんなが幸せで私はそうではないのか」

「お前は後悔している…お前は優しい人間だ」
「しかし、その結果お前だけが愛を失った」
こうして、めぐみはひどくダメージを受けるものの、誠司とひめ達のおかげでなんとか難を逃れます。
…
「お前は幸せになりたくないのか?」と問うレッドに対してめぐみはこう告げます。

「なりたいよ!!」
「私は届かない思いも全部、全部受け入れて探して行きたい!!」

これがハピネスチャージを体現するセリフなんだなぁと思います
不器用、本当に不器用。
どこまで不器用でがむしゃらで、決して諦めない姿勢で挑んでいく
これが劇場版同様に、ハピネスチャージプリキュアなんだと思わせてくれます。
カリスマ性の欠片もない、当たって砕けていく姿勢が彼女たちなんだと…
戦闘が終わった後のめぐみのセリフも印象的でした
「心配かけてごめんね」
「私まだ大丈夫じゃないけど、でもきっと大丈夫」

まだ彼女の気持ちは揺れ続けているのでしょう
自分の幸せを見つけることを模索して、苦しんでいるのは間違い無い。
そういったバランスの悪い、不安定な心がこのセリフ1つに表現されていると思います。
…
さてハピネスチャージもこれからが最終章
めぐみが自分の幸せを見つけることがこのシリーズのゴールになるのでしょう。
誠司との関係もどうなっていくのか非常に楽しみなところですね。
あとこの回は作画・演出ともにクオリティ高い回でしたね 力を入れているのが一目瞭然です
成田良美脚本、上野ケン作画監督に大塚隆史演出とかいうオールスター陣ですもん。
それではまた!