飯能で進行中の古民家リノベーション、
クロス・塗装工事が完了し、
電気や設備の器具を設置していく
仕上げ工事に入りました。
本日、ご紹介させていただくのは、
「スイッチ・リモコン集約スペース」
についてです!
どのお家にも、
このようなリモコンが集約されるスペースがあるのではないでしょうか?
・照明(on off/調光/センサーなど)
・モニターホン、インターホン
・床暖房コントローラー
・給湯機リモコン
・空調、エアコンのコントローラー
などなど
リビングに入ってすぐの、
動線上、必ず通る場所の壁面に、
配置されることが多いのではないかと思います。
今回の現場ではこの5つのリモコン機器が
整列配置されました。
いかがでしょうか?
整然として美しい配置だと感じますか?
それとも、何が美しいの?これって普通じゃないの?
と感じますでしょうか?
あたりまえのことですが、
こういったスイッチ・リモコンも
人の手で配線・配管し、設置をします。
誰かが決めて、誰かがつける訳です。
ちなみに、下の写真をご覧ください。
左側は床暖房と給湯器のリモコン、
右側にモニターホン、
そして中間あたりに部屋や廊下のスイッチ4個
どうでしょう、やや違和感ありませんか?
なんでそこに?
って思う部分もありますよね^^;
(ちなみに、恥ずかしながら私の自宅です。)
実はこの4つは、
それぞれ作業するタイミングや
取付ける職人さんが違ったりします。
左の2つはガス工事、
右の2つは電気工事なのです。
きっと各職人さんは
ベストな位置を自分なりに
考えてくれたことでしょう。
しかしながら、各職人さんは
他にどんなリモコンが付くのか
把握しているとは限りません。
どんなサイズの、
どんな種類の、
どんな操作の・・・
どんなリモコンがつくのかわからなければ、
それを事前段階で把握しているのは、、
そう、設計者や監督だけなのです。
しかし、、
単純に整列して配置すればいいかというと、
実はそんなに単純ではありません。
今回、
下記写真の場所を集約スペースにしようと、
かなり初期段階で決めました。
よく見ていただくと、
柱や間柱、筋交など、壁の中に色々と
動かせないものがあることがおわかりになるでしょうか。
壁の中の断熱材との取り合い、
配線・配管がそもそも通せるのか、、
その他、下記のようなことを含め、
様々なことが関連してきます。
●動線(プラン)
動線がシンプルで自然なアクセスか?
スイッチ、リモコン、インターホンを設置する場所としてそこが本当に妥当なのか?
●意匠(みため)
壁全体での配置バランス、
上下左右でラインを揃える、
高さや芯を合わせる・・
プレート色は白?黒?シルバー?
リモコンのデザインはカッコいいか?
●照明計画
照明器具の数や種類、配置や空間構成によってスイッチの種類も数も変動するのです。
1つのスイッチで何個の照明をオンオフする?
ダイニングとリビングは分ける?
ON/OFFだけ?調光にする?センサーにする?
一括シーン操作?
そんなことを考えながら、
実際に検討した図面がこちら ↓
壁面の中間をななめに横切る筋交いに、
かなり悩まされました(^^;
そんな諸々をすべて検討・考慮して、
設計・配置された結果が、こちらなのです。
そう、
できあがってしまえばなんてことないですね
自然に空間に解け込んでいること、
操作や動作が単純明快でわかりやすいこと、
直感的な動線でアクセスできること、
そして配置やデザインが美しくシンプルであること
何も違和感やストレスを感じない、
言われないと気が付かないくらい自然なこと、
それが私の目指すべき設計です^^
今回のリモコン配置検討は、
私の指示のもと、新人のイチに設計を任せました。
器具の選定や動作検討、
リモコンのデザインやメーカー選定まで含め
初期段階から頭を悩ませながら、
何度も図面を書き換えながら設計してくれました。
そんなこだわりや苦労の結果が今なので、
現場で完成したこの壁面を見たときは、
数カ月前の苦労を思い出し二人で感無量でした!
このプロセスを知っている人間だけが
密かに味わえる満足感ですね、きっと(^^;
さて、着々と完成が近づく室内とは打って変わり、、
今度は外部のオープンデッキの段取りに取り掛かって参ります!
暖かくなってきたな~と思った矢先の雪に驚きながら、
まだまだ飯能・古民家リノベーション、
引き続き楽しみながら進めていきます!!