きみたちの未来

「私一人ぐらい…」という考えはやめよう。それを世界中の人がすれば、一発で地球はだめになる。坪田愛華ちゃんの語録から

メタボリックシンドローム

2006-05-12 09:44:34 | 爺さんの辻説法

 厚生労働省が去る8日に発表した「平成16年国民健康・栄養調査」によると、中高年の男性の二人に一人、女性の五人に一人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)か、その“予備軍”であるというのだ。

 平成16年度食料自給率レポートによると、わが国の食料自給率は横ばい傾向が続き、主要先進国の中で最低の水準、40%(カロリーベース)となっているという。しかし、飽食の時代というか相変わらずのグルメ志向に明け暮れ、運動不足と過栄養の生活習慣になじんできたツケが、メタボリック症候群として社会問題化してきた。

 メタボリック症候群の定義は、腹囲(ウエスト回り)が男性85㌢以上、女性90㌢以上で、高脂症、高血圧、高血糖のうち二つが該当する場合を有病者、一つだけ該当する場合を予備軍とするというのだ。要するに肥満体であり、ビール腹の体型が外観的な特徴である。

 肥満体といえば、先日通勤時に二人掛けの座席にメタボリの男性がやってきた。ヨイショと掛け声こそ出さなかったが、ドスンと大儀そうに座り片隅に押しやられてしまった。肩が触れ合うので相手の呼吸に合わせてみると、こちらが酸欠になるような浅い息遣いである。これでは、酸素不足・排気不良でデカイ身体が悲鳴をあげるのも無理はないなぁと同情してしまった。心臓をはじめ人間の内臓は、年齢とともに成長するが基本性能は赤ちゃんも大人も同じである。たとえば、人間の心臓を車のエンジンとすると、ランドクルーザーに軽自動車のエンジンを搭載しているのと同じではないか。

 「調査結果は、今の日本人の現状を物語る。生活習慣病の予防と改善には内臓脂肪を減らす努力が必要で、運動と食生活の大切さを改めて認識してほしい」と松沢佑次日本肥満学会理事長は提唱しているが、メタボリック症候群は健康にイエローカードが出された状態であり、当の本人は自覚症状が乏しく、「おなかが出てきただけ」と危機感も薄いようだ。太っ腹の人間という形容があるが、決してビール腹を指しているのではないことを肝に銘ずべきである。

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