「超臨界CO₂サイクル発電システムは「超臨界」と呼ばれる状態のCO₂をタービンの作動流体として利用するシステムだ。
超臨界とは、気体と液体の境界がなくなり、気体と液体の中間的な性質を持つ状態のこと。
例えば、閉鎖された空間に水を入れ、熱を加えていくと、次第に水は沸騰して水蒸気に変わる。さらにそのまま加熱していくと空間内部の圧力はどんどん高まり、水蒸気と水の状態(密度など)が次第に近づき、遂には同じになる。これが臨界点である。そして、この臨界点を超えた状態が超臨界状態である。この臨界圧力・臨界温度を超えた状態では、気体的性質と液体的性質の両方を備えることになる。
CO₂の臨界点は、圧力7.4MPa、温度31.1℃で、水の臨界点の圧力22.1MPa、温度374℃に比べて低温・低圧であり、比較的容易に超臨界状態にすることができる。
東芝が開発に参加する超臨界CO₂サイクル発電システムは、従来のコンバインドサイクル発電システムと同等の高い発電効率を有しながら、燃焼により発生するCO₂を高純度・高圧でほぼ100%回収することができる。この発電システムは超臨界CO₂中で燃料を酸素で燃焼させて発生した高温高圧ガスでタービンを回転させて発電する。タービンから排出された燃焼ガス(CO₂と蒸気)は、熱交換器を経て冷却され、水分を分離した後、高圧ポンプで圧縮され、燃焼器へ循環されるが、燃焼により発生したCO₂と同量のCO₂は系統から分離され回収される。これにより、CO₂を大気に放出することなくほぼ全量回収することができる。
■CO₂でタービンを回すメリット
・高温・高圧で、高いエネルギーを利用可能
・CO₂はサイクル中で液化しないので、潜熱※による熱ロスが小さい
・CO₂をポンプで加圧できるので、加圧動力が小さい
・CO₂の分離回収が容易
※潜熱:物質が液体と気体の間で相変化する時に、物質が温度を変えないで物質中に吸収(放出)される熱
超臨界CO₂の発電システムの実現には課題もある。それは、高い発電効率を達成するため高温・高圧でタービンを回すことだ。既存のガスタービンに比べて、はるかに高い圧力、既存の蒸気タービンに比べて、はるかに高い温度がタービンにかかるのだ。
この課題に対して、東芝が持つガスタービン技術と、蒸気タービン技術を融合することで、超臨界CO₂サイクル発電システム用のタービン開発に生かしている。
この発電システムには、純度の高いCO₂を高圧のまま回収できるので、CO₂を圧入して地中に隔離するのが容易になるというメリットがある。
このメリットを生かして、CO₂によるEOR(石油増進回復法)への利用が期待できる。
CO₂-EORは、CO₂を使って石油採取の効率を上げるための手法である。通常の石油採取では、油層中には採取しきれない石油が残ってしまう。実際に油層にある石油のうち30%~40%程度しか採取できないという。
そこで、石油の残った油層内にガスを圧入し、石油の性状を変化させて採取率の大幅な向上を目指すのがEORである。そして、このEORで圧入されるガスに超臨界CO₂サイクル発電システムで回収される高圧のCO₂を使うことが期待されている。
つまり、CO₂を油層に圧入することで、CO₂の貯留と石油の増産を同時に行うことができるのだ。」2019/11/13付けToshiba Clip 「CO₂(二酸化炭素)は回収して 大気への放出を防ごう」より
情報Sourceは⇒ https://www.toshiba-clip.com/detail/8143
最近の検索でこのToshiba Clip情報が見つかりました。これまで以上に詳しい情報があります。回収したCO2を石油鉱脈に圧入する事で採取しきれなかった石油を採取しながらCO2を地中に封じ込める事が期待できそうです。発電システムについても既に最後の難関 超高温・超高圧で安定して稼働できるタービンの開発段階になっているようです。
1月11日(土)曇り
HIT(4.2kW)の発電データ
太陽光発電量 12.1kWh
エネファーム発電量(5時間停止) 4.6kWh
W発電量 17.0kWh
売電量 9.5kWh
買電量 1.3kWh
W発電自給率 193.2%
W発電設備利用率 14.5%
日照時間 4.5h
連系以来 3803日(10年151日)
12月25日から5時間停止の予約発電モードで保護動作が発生しない期間が何日継続できるか様子見中。18日経過。
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