ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

なごみの湖の水温躍層

2006-09-03 11:16:08 | 釣り
この前なごみの湖で惨敗を喫した理由を古い水温躍層の破壊(ターンオーバー)か新旧の水の非混合による棚の発現と推察した。

一方、新着情報では水深別水温(2m-10m)を公開しているので、グラフ化して考察してみました。
水温は溶存酸素量に大きく寄与します。水温が上がるほど溶存酸素量が減少するので魚は酸素量の多い「冷たい」水を探します。
湖底の冷たい水は表層からの酸素が届きませんので酸素不足になりますが、水温躍層より上では循環するので適度に酸素が溶け、水温躍層よりしたでは水の循環が生じないため冷たくて酸素のない水になります。
よって魚は水温躍層の上に位置することになり、これが「棚」です。

まず上のグラフから。

水深0mの表層水温は各水深から最小自乗法で求めた外挿温度。8月中旬の一旦下降(台風の影響)後、8月の終わりに向けて増加し、9月から急激に下降しています。これは8月の終わりの雷雨などが寄与していると考えられます。実際は気温に最も左右される層なので、あまり参考になりません。

2mライン、4mライン、6mラインも表層と同様の傾向が認められますが、2mラインの8月終わりの水温低下が著しく、8月31日に2-6mラインの水温差が無くなっています。

8mラインと10mラインは8月中旬の水温下降後、大きく水温上昇することなく経由。10mラインの水温は緩やかに低下している。8月21日に水温上昇が見られるが、ほぼ緩やかな減少と見て良いだろう。

1)8月17日
水温躍層が二つ見られます。一つは2m/4m(2℃)。表層が強烈に温められていることを示します。もう一つが8m/10m(1.7℃)。10m以下は水が循環しない事を示します。棚は6~8mですね。水温19℃程度なのでニジマスには調子よいことでしょう。

2)8月25日~28日
上方の水温躍層が消失し、6~8mに新たな水温躍層(2-2.5℃)が発生しています。8mより下方の水温躍層も存在しているようです。この6~8m層は極めて微妙でこの層で水が循環している可能性があります。6mよりも上層は「表層拡大」と考えられるので、表層と中層が別に循環しているのでしょう。魚はこの水温躍層の上、水深6mにいると思われます。しかし水温6mは20℃であり、溶存酸素量が少ないから溶存酸素量がそれほど変化していないのなら6-8mの水温躍層に留まっているとも考えられます。

3)8月31日以後
表層の温度差消失。水深6mまでが表層20℃で、6/8mで2.5℃の水温躍層。
魚はこの層に存在してるのでしょう。あとはわき水、風による循環等が破壊した水温躍層の境界に魚はついていて、それは岸際でしょう。
さらに表層が温かいのはアウトレット側になり、第一桟橋から中央桟橋、第二桟橋下流までの水深6mまでが表層20℃を保持。つまり高水温に耐える魚が回遊し、水温躍層が破壊された上流側、特に第二桟橋の上流に酸素を求めた魚が集中しているはずです。第一桟橋で厳しかった理由はほぼ説明できたように思います。

これは下のグラフでも説明できまして、青色系の8月中旬までの水温は深くなるほど低いという簡潔な傾向でした。8月10日頃は明確な水温躍層もなく、低水温なので釣りやすかったと思われます。しかし8月の終わりからは水温躍層が6mより下に発生しているので棚は狭くなっていると思われます。この水温躍層は大雨、湧水などで部分的に破壊されるので場所によって変化することは大いに考えられます。


さて、上のグラフに戻っても水温躍層の発現が見られます。
興味深いのは8月20日以降の水温の動き。4mラインと6mラインの水温が上昇している。これは表水温の放射・拡散で温められたと考えてよいでしょう。その結果8月28日頃に6mラインと8mラインの水温差が2.5℃になり、新たな水温躍層が発生しています。

8月13日頃の6mラインと8mラインの水温差が1℃であることからも水温躍層が動いていることが判る。
8月13日の水温躍層は2mラインと4mラインの間、8mラインと10mライン(水温差2.5℃)にあり、8mより下は古いが冷たい水だろう。このの上で水が循環するので酸素はある。なればトラウトの棚はこの8m程度と結論づけできる。

実際、8月13日の過去ログを見ると中央桟橋で沈黙していたが第二桟橋と第一桟橋ではヒットしていた。
第一桟橋から中央桟橋にかけては水温躍層の影響が最も考えやすい。中央桟橋は浅いので湖底が水温躍層より上にあり、魚は水温の低い(深い)第一桟橋へ移動していたのだろう。
第二桟橋は上流から流れ込む水で水温躍層は破られ、酸素とエサ生物も多くなるので
魚が集中していたとしても不思議ではない。

8月18日の過去ログでは第一桟橋でそこそこ釣っています。全体に水温が下がっているので魚の活性が少し挙がっていたのかもしれません。

そして8月31日頃表水温が一気に低下していますが、中層は水温保持しているため、水温躍層が目立ちます。6-8mラインか、6mまでを狙うのが正解でしょう。
なお、水が濁っていたので2-4mでも良かったと思います。

次回からは水温躍層をもう少し考えて攻めてみます。


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