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00時00分~
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-04-05&ch=10&eid=04040
【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【振付】小野寺修二
【映像】上田大樹
【音楽】鈴木光介
【出演】多部未華子、瀬戸康史、音尾琢真、大倉孝二、村川絵梨
谷川昭一朗、武谷公雄、吉増裕士、菊池明明、伊与勢我無
犬山イヌコ、緒川たまき、渡辺いっけい、麻実れい
王下貴司、菅 彩美、斉藤 悠、仁科 幸
【演奏】鈴木光介(Tp) 向島ゆり子/高橋香織(Vn)、伏見蛍(Gt) 、関根真理(Per)
【収録】2019年11月19日/神奈川芸術劇場
【上演時間】3時間30分(第一幕:1時間45分、休憩:15分、第二幕:1時間30分)
KAATとケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が初タッグ!
「失踪者」「審判」「城」に続く、カフカ4作目の長編小説の遺稿が発見された!?
そして、誰も知らない「カフカ未発表長編」が舞台化されたら?
KERAが書き下ろす最新作に豪華キャストが集結!
近頃発見されて話題となった、フランツ・カフカの長編小説の遺稿。
これをすかさず舞台化しようという企みが、この度の公演である。
困難な上演になるだろう。
なにしろ、そんな遺稿なんて見つかってないのだから。
カフカ(1883〜1924)は、お馴染みの『変身』をはじめとした数々の短編小説と、『失踪者(アメリカ)』、『審判』、『城』の3本の未完の長編小説(『審判』は途中が欠落、他の2作は文字通りの未完)を遺し、親友の編集者マックス・ブロートに「遺稿は全て焼き捨ててほしい」と言い遺して天に旅立った。
死因は、当時まだ不治の病だった結核。
マックスは約束を反故にし、焼き捨てるどころか、全集を出版した。ひどい話だが、そのおかげで今、我々はカフカの、カフカにしか書けない小説を、幾度でも読むことができる。
そして、死後100年近くを経ての、新たな長編原稿の発掘。
発掘されてないのだけれど。
発掘されてない以上読めるはずがない。
故に私はまだこの小説を未読だ。
きっと前例に漏れず、欠損だらけだろうと憶測する。
ラストシーンはあるのだろうか。
全体がないのだからあるわけがないが。
「ドクター・ホフマンのサナトリウム」というのは、彼が最後の数ヶ月を過ごした療養所である。
ということは、『城』のあとに書かれたのだろう。
書かれてないのだけれど。
「 カフカ第4の長編」は、まだ見ぬ「カフカ最後の長編」だ。
人生の終焉を見つめ、それまでにない「新しいカフカ」が見つかるやも知れぬ。
困難な公演だ。
せめて遺稿が見つかっていればもう少し楽だろうに。