読書感想とロードバイク日記

色々のジャンルの本を読み、感想を書いています。最近は、ロードバイクに乗っているのでその話も少々。

「食べるギリシア人」

2012-06-30 05:08:17 | Weblog
丹下和彦(岩波新書)

古典の勉強は、特別の興味関心を持たない学生にはつまらないだろう。それを『古典文学グルメ紀行』などと謳えば、ゼミも盛況となるらん。

良い手だなぁ。第1章が少々堅苦しいが、第2章以下が、酒から始まった『グルメ』レシピなど、楽しくなってくる。66ページの二日酔いに「キャベツ」が有効だなんて知らなかったが、酒飲みは苦労していたのですなぁ。77~78ページに著者の美味しそうなランチ体験があって、よだれがでそうだ。丹下先生はタイガースファンのようですね。97ページの蛸もおいしそうだ。全編、何か食べに行きたくなる。ずっと前にアテネにいったことがあるけれど、こんな楽しみ方はしなかったので今思うと残念。と言っても現時点は政情不安かなぁ。

内容紹介では『英雄アキレウスは何を食べていたか? アテネ市民は魚好きだった? ギリシアでも鰻は蒲焼き? ワインが水割りなのはなぜ? 二日酔いにはキャベツが効いたって本当?──食文化の名残を求めて広くギリシア古典を渉猟し、人類普遍の営みの描写に古代の人間観を読み解く。「食べる」人びとの姿に、古典が楽しくなる一冊』とある。

ちょっと楽しい一冊です。

サイクリング『榎本牧場』

2012-06-26 05:59:34 | Weblog
久しぶりに上尾の榎本牧場まで走って、アイスを食べました。
9:30か9:20だったかのオープンでしたが、少し早めの9時過ぎには営業開始。チョコチップをおいしくいただいた次第。
アジサイが咲いていました。
往復81kmで荒川の右岸と左岸を走ってきましたが、秋ヶ瀬公園内を走るのはいいのですが、帰りの右岸はゴルフ場だらけでサイクリングの道はあまりよくないし単調。工夫が必要です。

ともかく、80kmくらいは楽に走ってこれるようになったのは個人的にはめでたい?
次回は、輪行でもう少し行ってみようかな。

「日本人なら知っておきたい日本文学」

2012-06-25 06:02:16 | Weblog
蛇蔵&海野凪子(幻冬舎)

こういう漫画の形で導入するのも今の世の中のやりかもしれませんねぇ。『教養漫画』というジャンルが成立するやも知れぬ。
でも、これで文学をかじって、ここから本格的な文学に入ってくれれば面白い。

やはり最初の清少納言と紫式部、「源氏」にからんだ菅原孝標女が個人的には面白かった。

内容紹介では『紫式部、藤原道長、菅原孝標女、鴨長明……名前だけ知ってるあの人」が大好きになる教養コミック!
累計140万部突破のベストセラー『日本人の知らない日本語』著者、待望の最新刊!!
『日本人の知らない日本語』『日本人の知らない日本語2』が累計140万部のベストセラーとなった著者の、待望の最新作です。 日本文学上の有名人である「清少納言・紫式部・藤原道長・安倍晴明・源頼光・菅原孝標女・鴨長明・兼好・ヤマトタケル」の9人について、一般にあまり知られていない人物像をマンガで紹介します。笑ったり共感したりするうちに、古典そのものに興味がわく教養コミックです』…
確かにさもありなん。簡単にこれらの文学書を読みたくさせる最新コミックのよる案内書。

「これが本当の『忠臣蔵』」

2012-06-21 06:06:31 | Weblog
山本博文(小学館新書)

新書だらけの本屋さんですね。そのひとつ、小学館のものですが、「江戸文化歴史検定」用の”新書”というから、新書の差別化も大変だ。

ところで、本書はそれなりにかの有名な忠臣蔵を新資料を基に、作られた話と実際とを並べて実証しながら書かれており、歴史好きな方々には良いのでしょう。

最後の233ページからの第4章に『義』のあり方について、論じられていて、ここが一種の「白眉」です。
いくつかの考え方の紹介の後、著者は赤穂浪士の『義』を現代に通じる「自己犠牲」と解く。納得でした。

内容紹介では『現在最新の史料で実証する赤穂事件の真相 …
歌舞伎界では『仮名手本忠臣蔵』は「独参湯」(効果絶大とされた気付薬の名)と呼ばれ、打てば必ず当たる興業とされてきた。小説やドラマ・映画などでも、いまだに毎年必ずといってよいほど、さまざまな視点で描かれた作品が発表されている。しかし、それらは後世脚色された物語としての赤穂事件である。
 本書では、赤穂浪士討ち入り事件の発端となった浅野内匠頭による江戸城松の廊下での刃傷から、討ち入り事件後の浪士たちの切腹の顛末、さらには事件の後日談までを、ひとつひとつ原史料にあたりながら、歴史事実として検証していく。
 吉良上野介は内匠頭に賄賂を要求したのか? 内匠頭の辞世とされる和歌は本物か? 大石内蔵助は祇園で遊興にふけっていたのか? 上野介を討ちとったのは誰か? 浪士たちの切腹のありさまはどうだったのか……。
 2011年末、著者自身が鑑定した新発見の史料「茅野和助遺書」をまじえ、わかりやすく「正確に」、赤穂事件のすべてを解き明かす。江戸文化歴史検定関連図書、「江戸検新書」シリーズの第3弾。

以下は「BOOK」データベースより…
歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』により、日本人の心性に深く根を下ろす「赤穂浪士討ち入り事件」。しかし、物語ではない、史実としての詳細は、意外に知られていない。二〇一一年末に著者自身が鑑定した新発見史料「茅野和助遺書」をはじめ、残された調書や手紙・日記などを徹底的につきあわせていくことで浮かびあがる、事件の真相。赤穂事件をわかりやすく、正確に解き明かす!「江戸を学ぶ、江戸に学ぶ」江戸検新書、第三弾』でした。

まあ、面白かったです。

「古代ローマ人の24時間」

2012-06-20 06:00:37 | Weblog
アルベルト・アンジェラ(河出文庫)

表紙の写真が。上空から撮影した(?)古代ローマ。
想像上の鳥瞰図になっていて、さあこれからこの街に入っていく・・・という雰囲気たっぷり。
ドキュメンタリー映画の手法で、人々の生活を描いていく。だからこの「映画」が見たくなる。

時間のながれのまま人々の生活が描かれるので面白いし、わかりやすい。現代人の感覚とは大いにずれているが、それが逆に目新しいのだろう。
個人的に面白かったのは、『古代ローマのトイレ』とローマ人の『性』の章。今とは全く違った感覚が書かれていて、その差に驚く。時代やところの違い。身近では江戸時代だった今とは大違いでしょうね。

内容紹介には『紀元115年の古代ローマ全盛時代のある1日を、時間の流れに沿って克明に再現したベストセラー本。民衆はどんな暮らしをしていたのか。朝の目覚めから夜寝るまで、その魅力を体感!
2000年前にタイムスリップ! 臨場感たっぷりに再現された、驚きの〈1日〉を体験する。
起床から就寝まで――食事、服装、住宅、買い物、学校、裁判所……そして公共浴場、剣闘士と観衆、夜の饗宴など、貴族も奴隷も、いかに日々の暮らしを送っていたかを鮮やかに再現した画期的な一冊!』
さらに続いて…
『本書は、いってみれば、ビデオカメラを回しながら各所を探索し、2000年前に実際に見えていたはずの光景を撮影するようなものだ。ローマの街角に実際に立ち、さまざまなにおいや香りを嗅ぎ、人びとと目を合わせ、店や家やコロッセウムの中に入ってみるような感覚を読者に味わってもらいたいと考えた。そうすることによって初めて、ローマ帝国の首都に住むということが、実際にどのような体験だったのかを理解できるのではないだろうか。(本書「はじめに」より)』

どこかで映画作ってくれないかなぁ。是非見てみたい。