読書感想とロードバイク日記

色々のジャンルの本を読み、感想を書いています。最近は、ロードバイクに乗っているのでその話も少々。

「イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました」

2008-02-29 07:44:51 | Weblog
八木虎造(小学館)

おかしい。笑ってしまいますよね。なんとなくイタリアなんてサッカー大国なんだから野球って言われると?ですもの。
おまけにプロ野球! 

著者はカメラマンで気にいったシチリアへ出かけとじこもりかけた滞在期間中に野球を始めたらそれがセリエAのチームだったという訳のわからない展開が軽快なタッチで描かれている。これもブログ本の一種みたいです。

笑って読める楽しい本でした。気楽な暇つぶしにお薦め。

「仲蔵狂乱」

2008-02-26 06:38:36 | Weblog
松井今朝子(講談社)

江戸時代の芝居の役者、中村仲蔵の一代記。芝居の話を書かせたら今は第一人者、というか他に誰もいないのだろう。実に面白かった。最近、今朝子さまにはまっているせいだ。

あの時代の役者に生き方、見物衆やひいき筋の関係など勉強にもなる。

それにしても江戸時代の終わりごろの町の様子、田沼意次の時代、大阪の芝居と江戸の芝居、いろいろなことが書いてあって面白いですね。

苦労して「千両役者」となった中村仲蔵の芝居に対する気持ちが運命に流されながらも生きていく様子がよく書かれている。後半からちょっと筆が流され気味なのが目につきますがためになるお話でした。

「非道、行ずべからず」

2008-02-20 06:26:12 | Weblog
松井今朝子(マガジンハウス)

江戸の芝居小屋「中村座」で起きた連続殺人のミステリという話。江戸時代の芝居小屋の様子やそこで働く表方、裏方、頭取、太夫、役者など知識だけでもたいしたもの。さすが今朝子さま。

最後で犯人が判明するところが入り組んでいて誰のことやら分かりにくい構成になっていて読むほうはくたびれた。そこが残念。それにしても役者の「輝き」を上手に書いていてその点は素晴らしい。郭を書いた「吉原・・・」より水を得た魚と言ったところか?時代劇ファンにもお勧めですが武家ものとは違うのでどうでしょう。ミステリとしても面白い。

「貯められない女のためのこんどこそ!貯める技術」

2008-02-18 06:36:25 | Weblog
池田暁子(文芸春秋)

漫画です。
先ず、現況というか部屋をかたずけることができない性格らしくその現状を分析・説明。『汚部屋』という惨状を紹介する。次にどういうわけかお金が出て行く話。一種の衝動買いの性格なんだろうか。

それから反省して、簡単な現状分析のための記録、すなわち家計簿つけの始まり。・・・・ここまで読むと、大人でもこういうお金に対する使い方の基本って大事だなぁ、と思います。子どもでなくともそういう使い方しかできないというのはいったいどうなっているのだろう。こういう状態はいわゆるサラ金が一番喜ぶ経済観念ですね。これに近いかたがたにはとても参考になりましょう。やれやれ。。。

「がらくた」

2008-02-07 20:32:19 | Weblog
江国香織(新潮社)

独特の雰囲気の作品を書く人だ。「きらきらひかる」だったか、面白いと思ったが今回はさほどでもない。ただ、不思議さはそのまま、特別の雰囲気は持続している。登場人物には生活感がないのにどこかこの世に存在していそうな印象がある。男より女のほうに印象が強い。

母親の桐子、その娘、リゾートで会ったミミこと美海の3人が織り成す不思議な関係。実際にはこんなものはあり得ない関係なのにそれぞれ夫や父親と関係を持つ不思議。
個人的にはしっくりこなかった。独特の文章や雰囲気に引かれる読者もいるのだろう。題名は『ミミ』くらいのほうがしっくりしてると思いますが?