「白の鳥と黒の鳥」

いしいしんじ著（角川書店）
こういうのを「物語」と言うのかもしれない。
じわじわとんでもない展開を見せる。次に何が飛び出してくるのか？
宮沢賢治風でもありおとぎ話だけどグリム童話の怖さも備えていて面白い。
すぐに読んでしまった。
「ぶらんこ乗り」も変わっていたけどもっと変化している感じがする。
特異な作者なんだろうか。

「四十日と四十夜のメルヘン」

青木淳悟著（新潮社）
・・・？である。
まったく分からなかった。ちらし配りのお兄さんが小説も書いていて、日常と小説とがあちこち行ったりきたりする。書評で好評なのはなぜだ？

「世間のウソ」

日垣隆著（新潮新書）
まずは宝くじの確率論から説き起こし、ニュースのウソを暴き、イラク戦争まで至る。
確かにねぇ・・・ですわ。
鳥インフルエンザは一番大変なのは「鳥さん」で人間が死ぬようなことは何らかの確率であるわけで、年間１万人が死亡する交通事故はニュースにならないこの変な現象は難だ！というわけですね。うーむ。

「ロング・グッドバイ」

矢作俊彦著（角川書店）
英文でTHE WRONG GOODBYE　とある。
日本の作家でこんなハードボイルドを書ける人がいたのだ。
偶然だが「ららら科学の子」の作者だった。
まだ１００ページほど。なかなかいい。

「ららら科学の子」

矢作俊彦著（文芸春秋）
読者限定の本だろう。
科学関係と思う人もいるかも知れない。でも、これはかつての全共闘時代の体験者が共感しえる小説なんだろう。時代の空気とともにある。それにしても特異な設定でもある。