SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

アミノ酸の桶理論

2020-02-06 23:50:40 | 食餌・健康
栄養素関連の話が続いてすみません。

いつもドッグフードの原材料のことを書く時に、最後の方に出て来るビタミン、ミネラル、アミノ酸。
ミネラルについては先日お知らせしましたが、今回はアミノ酸の基本をまとめたものを書いたのでリンクをお知らせ。

わんちゃんホンポには基本的なことを簡単にまとめて書いたのでアミノ酸についてちょっと補足。


「アミノ酸ておいしいものでしょ?」

まあ、そうとも言えるかもしれない。でも今からする話は美味しい話じゃない。

上にリンクを貼った記事に、人間の必須アミノ酸は9種類、犬は10種類と書きました。

ある食品に含まれるタンパク質を構成する必須アミノ酸のバランスを評価する指標に『アミノ酸スコア』というものがあります。
アミノ酸スコアが100に近いほど食品に含まれるタンパク質が効率よく利用されます。

このアミノ酸スコアは桶に例えて説明されます。

板を組み合わせて作られた桶に例えると、全ての桶板の高さが揃っているのがアミノ酸スコア100の食品。
↑このような状態なら、タンパク質は体内で本来の目的のためにしっかり活用されます。


でも、もし桶板が1枚でも短いと、タンパク質は1番短い板=一番少ないアミノ酸のレベルまでしか活用されません。

↑この図で言えば、この食品は一番少ないリシンが活用される上限になるのでアミノ酸スコアは40くらい。
他の多く含まれるアミノ酸は、アミノ酸本来の働きではなく単なるエネルギーとして利用されます。

必須アミノ酸のうち、いくつかが足りないタンパク源を使ったフードを食べていると
足りないアミノ酸だけでなく、他のアミノ酸も足りないレベルでしか使えないんですね。
でも、フードに肉や卵などアミノ酸スコア100の食品が使われていれば、他のタンパク源の足りない部分を補ってくれます。
人間の食事も食材の種類を多くすることが推奨されるのはこのためです。

ドッグフードで言えば、トウモロコシばかりが多く使われているフードよりも、
他にチキンや卵が使われているフードの方が犬の体に良いのは上記のような理由です。
トウモロコシはタンパク質は多く含まれるけれど、必須アミノ酸のうちリシンなどが大変少ないですから。
アレルギー対策などで食材の数が少ないフードの場合のタンパク質源は、アミノ酸スコアの高い肉や魚であることが多いですね。


「へ〜、やっぱりお肉だねえ、へ〜へ〜」

アミノ酸のお話について、簡単な補足でした。


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2 コメント

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Unknown (希)
2020-02-08 14:17:10
オイルについてのご返事ありがとうございました。
今回のアミノ酸のお話もそうですが、
犬の体に適した食材を選んで与える方が効率的ですね。
その究極?が生食なのかもしれません。
(なんちゃって生食ではなく、本気のやつ)

勉強は好きだけど記憶力に自信のない私には
シンプルな生食がやりやすいですが、
何であれ一つだけにこだわるのはリスクがある気がします。

食材の種類を多くする理由、そういう意味もあったのですね!
食材の持つ未知の栄養素とか、食材同士の相性や相乗効果を期待して種類や組み合わせを工夫していますが、
アミノ酸スコアのお話、ストンと府に落ちました。
同じ種類のフードのみで育てることが、ますます不自然で不健康に思えてきますね😅
Unknown (あが)
2020-02-09 07:55:02
希さん、コメントありがとうございます

おっしゃる通り、本来犬が食べるものと考えると方向性は決まるように思います。
同時に、これもおっしゃる通り一つだけにこだわるのは違いますよね。
生き物の身体はひとつひとつみんな違いますし
1匹の生き物でもライフステージや環境で条件は変わって来ますし。
犬の食事のことを勉強するほどに知らないことの多さや、結論の多様さを思い知ります。
食事に限らず、犬のこと全てですね。知るほどに知らないことを思い知る事ばかり。
思えばこの世の全てはそうかもしれないし、そんなことを教えてくれた犬の存在に感謝しています。

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