ただし、僕はクラシック奏者ではないので、あくまでも我流かつ独自の解釈に元ずいているという事をご了承下さい。また実際のアルトトロンボーンの使用もクラシックの古典での伝統的な演奏ではなく、ジャズ・ポピュラー系の曲で、一人多重録音ホーンセクションを構築する際の音の味付け的または、トランペットの補佐的な役割でアルトトロンボーンを使用しています。
アルトトロンボーンを比較的大編成のホーンセクションに加えると、より音響的に立体的になるといいますか、音に厚みとゴージャス感が増します。実際の使い方としては、トランペットの下パートと同じ音域をアルトトロンボーンでダブらせる、またはアルトサックスとアルトトロンボーンをダブらせたりすると、同じ楽器でのユニゾンよりも音の厚みが増します。
以上の様な非常に特殊なアルトの使い方のため、演奏法も当然テナートロンボーンと同様ジャズ・ポピュラー系スタイル。もしクラシックの演奏家が聴いたら怒られそうです。。。が、一応伝統的なアルトトロンボーンの教則本や協奏曲も時々ではありますが、練習はしています。しかし、アルト記号は未だに読むのには苦労しますね。
使用している楽器はコーン36H(マウスピースはテナーと同じSTORK CUSTOM NY7C)。Bb管付きで少し抵抗感があるので、テナーとの吹奏感の違いがそれ程無くて良いです。あとアルトトロンボーンで難しい6、7ポジションをBb管を使う事によって1、2ポジションで代用できる点は非常に助かります。
ですが、テナーとバスの持ち替えに比べ、テナーとアルトの持ち替えはかなり難しいように思います。テナーとバスは同じBb管ですが、アルトはEb管なのでスライドの長さが違う(ポジションの位置が違う)という事に一番苦労します。アルトを吹き始めて間もない頃はポジションの位置が全く把握できず、とても音痴な演奏になってしまいました。とにかく半音のポジション間隔を覚えるまでに時間がかかります。しばらくアルトの練習をさぼるとすぐにポジション感覚を忘れてしまうので、可能な限りアルトの練習は毎日行った方が良いですね。
いずれにしても、アルトトロンボーンは正確な音程をとるのが難しい楽器だと思います。
ジャズトロンボーン奏者でアルトトロンボーンを使う人は非常に少ないのですが、今はバストロンボーン奏者として有名なビル・ライケンバックが、昔アルトトロンボーンでアドリブソロを吹いていた事もあるようです。
最近では4トロンボーンのジャズグループ「New York Trombone Conspiracy」の「a matter of time」というアルバムの中で、リードトロンボーンのBruce Eidemがアルトトロンボーンでソロを吹いています。もちろんジャズスタイルのアルトです。
マルチブラスのすすめ、次回はテナートロンボーンとユーフォニアムの持ち替えについての話題です。
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