
楽器全体の鳴りは本当に素晴らしいし、細かい作りも大変良く、精度もバツグン。音域による鳴りムラも全く無し。ユーフォニアムという楽器は構造上、手作業によって作り上げる工程が多いため、職人さんの技術力が非常に問われる楽器ですが、この喜望峰ユーフォニアムも正に「いい仕事してるねぇ~」と思わず唸らせる程の完成度の高さ。先日投稿のアンティークカラーフリューゲル同様、職人さんの意気込みと温もりを感じさせる楽器です。あのベッソンよりも高い評価を受けているというのも納得できます。

太管コンペンセイティング式です。今までニッカンの細管ユーフォニアムYEP-321をずっと吹いていましたが、さすが太管のユーフォニアムは太く豊かな響きが心地よいです。やはりユーフォニアムはチューバの延長上にある楽器なのだなと再認識します。コンペ式なので、下のEbからペダルBbまでがきちんと実音でつながるのも良いですね。
ニッカンの楽器を使っている時は、ユーフォニアムはただのお遊びの楽器でしかなかったのですが、この喜望峰の楽器を購入して以来、毎日のようにかなり真面目にユーフォニアムを練習するようになりましたよ。つまり喜望峰の楽器のお陰で練習をする意味合いを持てる楽器に感じられるようになったという事ですね。また、ユーフォニアムの太く豊かな音色は吹いている本人にとってとても心地良く感じられるので、その心地よさが唇にもとても良いフィードバックとなり、唇のコンディションも良い感じになります。結果、トロンボーンを吹いた時も力みのない自然な美しい音となります。ユーフォニアムはトロンボーンよりも楽に音が出せるので、唇に無理な負担をかけなくてすむという事(つまり変なクセがつきにくい)、ユーフォニアムの太く豊かな音色のイメージを自分自身の身体で体感する事によって、トロンボーンを吹く時でもその太く豊かな音色と響きをイメージしやすいと思います。
是非トロンボーン奏者の方はユーフォニアム(出来れば太管)を日常的に吹かれる事をお勧めします。トロンボーン演奏にも必ず良い影響が出てくるはずです。