もしかしてパニック？

海のパニックは表情なく固まっている状態か、誰が声をかけてもどうしようもない号泣だから、全くわからないか、わかっちゃいるけど手のつけようがないかのどちらかです。

風さんがもしももしも私の考えているように自閉圏の人間であれば、パニックを起こすのだろうか？それってどんな形で出るのだろうか？と密かに想像していました。

あれは昨年のクリスマスの朝。
我が家はクリスマスイブの深夜にサンタクロースがやってきて、プレゼントを置いていってくれる慣わしです。
家が狭いので枕元ではなく、居間の机の上にプレゼントが置かれます。
この慣わしは森が小学校５年の時に一度、お終いになりました。
昨年はまだ野原にはクリスマスマジックが理解できない年齢でしたので、今年がマジックを再開して初めてのクリスマスになったわけです。
プレゼントはあらかじめ野原に選ばせたものを風さんがこっそりと購入。
ラッピングして家の中に隠してあります。
そして、サンタよろしく深夜にバイトから戻った風さんが居間の机の上にセッティングしておく手はずでした。

昨年のクリスマスは日曜日でした。
目を覚ました野原に「今日は何の日？」と聞くと、嬉しそうに「クリスマス！」と答えました。
「プレゼント来てるかな？見に行こう！」と野原を抱っこして居間に行くと、机の上にプレゼントがない！
「あれ？サンタさんからのプレゼントは？」と風さんに尋ねました。
そうすれば風さんが隠しておいた場所から「こんなところにあったよ～。」とでも言いながら、野原の選んだプレゼントを出してきてくれることを期待しながら。
なのに、風さんはきょとんとした顔で立ち尽くしています。
「サンタさん、来たよね？」とさらに促す私。
なおも無言で立ち続ける風さん。

なにやってんねん！？

そう心の中で叫んでから、はたと気付きました。
もしかして・・・パニック！？
予想外の展開にどう動くべきか判断つかなくて固まってる？
そう思って見ると、まさに固まってる・・・（笑）

「サンタさんのプレゼントはどこに隠してあるのかな？お父さん知らない？知ってたら出してください。」と具体的な指示を入れて声をかけました。
私の言葉を聞いて、はっとわれに返ったように動き出す風さん。

やっぱりパニックやな～これ。
心の中でニヤリと笑ってしまいました。

クリスマスプレゼントをもらった野原は大喜び。
私も風さんの固まる姿を拝めてちょっと楽しいクリスマスの朝でした。（不謹慎かしらん？）