いってきますの合図
誰かがドアをノックするけど気配はない
後ろから声が聞こえる
でもウォークマンの音量が大きすぎてよく聞こえない
目線をずらす事なく
僕が部屋を出て行こうとしている
やっぱりまだ何か聞こえる
何やら楽しそうな雰囲気 牧歌的な大衆気配
どうやら僕を呼んでるような声みたい
それでも今 僕は部屋を出て行こうとしている
振り返ろうとするだけで
大人のくせに泣きそうになる
アラームが
部屋の中で鳴っている
そして結局
僕は出て行ってしまって
二度とその部屋には帰ってはこなかった
ただいまの合図
おいしそうな夕飯の匂いがする
でも
すぐに気付く
ここは僕の部屋ではない
冬の空は綺麗で
月が出口に見える 入り口に見える
どうせ
この日記だってきっと
アップロードされないまま終わる
違う部屋は
違う部屋の空気で
知らない人がたくさん
僕はタバコに火をつけて
緑のソファーに座っている
アラームが
鳴ってる気がして
窓から外を眺める
でも
アラームなんか鳴ってなくて
それよりなんなんだこの景色は
どうやら
全く知らない街にいるようで
戸惑いを隠せず 鳴っている携帯電話を取り出す
僕の電話番号からだ
僕は電話に出ようかどうか悩んだ
だって 自分なんかと
何を話していいかわからないから
15コール目くらいだろうか
僕は電源を切り 差し出された夕飯を食べた
ポラリスの
深呼吸という曲を聴きながら
大人のくせに泣きそうになる
間違いなく
そこは新しい部屋だった
おやすみの合図
僕を起こさないように
こっそりと布団に入る
天井を見つめている
あんなとこにシミがあったんだ
もう
何年も過ごしているのに
まだまだ気付かない事が多いようだ
ポラリスの
檸檬という曲が
どっか遠くで聴こえた気がして
急いで僕は窓を開けてベランダに出る
突き抜けるような突風に
僕の体は約束でもしてあったかのように
たぶん西の方向へ流されていってしまった
夜の空からは
たくさんの人生が見える
浮雲に乗っかりながら下を見下ろしてる
僕はまだ眠っていて起きそうな気配がない
風でできたナイフを僕に向かって投げる
見事命中したようで 嬉しくて飛び上がる
そしてそれ以降
僕が二度と起きる事はなかった
いってきます
最初に戻る
誰かがドアをノックするけど気配はない
後ろから声が聞こえる
でもウォークマンの音量が大きすぎてよく聞こえない
目線をずらす事なく
僕が部屋を出て行こうとしている
やっぱりまだ何か聞こえる
何やら楽しそうな雰囲気 牧歌的な大衆気配
どうやら僕を呼んでるような声みたい
それでも今 僕は部屋を出て行こうとしている
振り返ろうとするだけで
大人のくせに泣きそうになる
アラームが
部屋の中で鳴っている
そして結局
僕は出て行ってしまって
二度とその部屋には帰ってはこなかった
ただいまの合図
おいしそうな夕飯の匂いがする
でも
すぐに気付く
ここは僕の部屋ではない
冬の空は綺麗で
月が出口に見える 入り口に見える
どうせ
この日記だってきっと
アップロードされないまま終わる
違う部屋は
違う部屋の空気で
知らない人がたくさん
僕はタバコに火をつけて
緑のソファーに座っている
アラームが
鳴ってる気がして
窓から外を眺める
でも
アラームなんか鳴ってなくて
それよりなんなんだこの景色は
どうやら
全く知らない街にいるようで
戸惑いを隠せず 鳴っている携帯電話を取り出す
僕の電話番号からだ
僕は電話に出ようかどうか悩んだ
だって 自分なんかと
何を話していいかわからないから
15コール目くらいだろうか
僕は電源を切り 差し出された夕飯を食べた
ポラリスの
深呼吸という曲を聴きながら
大人のくせに泣きそうになる
間違いなく
そこは新しい部屋だった
おやすみの合図
僕を起こさないように
こっそりと布団に入る
天井を見つめている
あんなとこにシミがあったんだ
もう
何年も過ごしているのに
まだまだ気付かない事が多いようだ
ポラリスの
檸檬という曲が
どっか遠くで聴こえた気がして
急いで僕は窓を開けてベランダに出る
突き抜けるような突風に
僕の体は約束でもしてあったかのように
たぶん西の方向へ流されていってしまった
夜の空からは
たくさんの人生が見える
浮雲に乗っかりながら下を見下ろしてる
僕はまだ眠っていて起きそうな気配がない
風でできたナイフを僕に向かって投げる
見事命中したようで 嬉しくて飛び上がる
そしてそれ以降
僕が二度と起きる事はなかった
いってきます
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