たぬきのポチと犬のペコ

家の前の小さな草むらで生後間もない真っ黒な仔犬が雨に濡れながらないていました。育ててみたらたぬきでした(^_^;)

さようならポチごめんねポチ

2009年08月17日 02時06分36秒 | タヌキ
8月9日咬み付き防止のカラー?をさせた元気のないポチです……


タヌキは寒くて餌の少なくなる冬のために秋に脂肪をたっぷりつけて太ります。
でも春から夏にかけては冬毛の綿毛がどんどん抜けて、体も痩せるので小さく見えることは、何とも思っていませんでした。ですから夏場の食が細いのもそれほど気にしていませんでした。

でも今年のポチはお腹の毛が抜け落ちてかなりひどい皮膚炎にかかりました。
だんだん食べる量が減ってきました。
でもいつものように元気でした。
しかし8月5日から全く食べなくなりました。
さらに水を飲んでも嘔吐するようになりました。

成長して後の元気なポチは、いやな事に対して抵抗する力はかなりのものでその咬みつく時の瞬発力も相当なものでした。
先生やスタッフの方に咬みついてしまっては申し訳ないと思い、6日、とりあえず便ををみてもらおうと仕事を早めに終えて隣町の獣医さんの所に行こうとしたのですが、診療時間の終わる19時をちょっとすぎましたので、寄るのをやめて買い物をして帰りました。

まぁあの健康なポチのこと、今日帰ったら何事も無かったように食べたり飲んだりするかもしれないなぁくらいの気持ちでした。
でもその夜も改善せず、水を飲むと胃が空になっていたため、白くねばねばした胃液と一緒に吐くようになりました。次に吐いた時は毛繕いの時に飲み込んだらしい毛がたくさん出てきました。

翌7日、ポチを連れて行くことにしました。便と嘔吐物と毛を吐き出したときの嘔吐物を撮ったデジカメも持って行きました。

ポチは意外にも診察台で暴れませんでした。おしっこは漏らしました。

あの胴輪も出来なかったポチが先生やスタッフの方々の前で僕に咬み付き防止のカラーをさせました。

便に異常はありませんでした。

X線撮影はかなり無理な体勢を強いるのでさすがに難しいだろうということでしませんでした。
熱は平熱が38度台らしいのですが39、7度ありました。
栄養剤の輸液と抗生物質と吐き気止めの注射をしてもらいました。

翌土曜日もしてもらいました。でもポチは一日何回も胃液を吐きました。
その胃液に血が少し混じるようになりました。

翌日曜日、僕が頭を抑えてスタッフの方が前足を抑えて先生が後ろ足を抑えてX線撮影をしました。横向きと仰向けの姿勢にされての撮影でさすがに牙をむいて抵抗しましたが、その力はかなり弱くなっていました。

血液検査もしていただきました。イヌ科ではありますが血管の位置が犬と少し違うし皮膚が硬く血管を見つけるのが大変そうでした。
足の毛をバリカンで剃って念入りに触って何回か刺してやっと入りました。
ポチは全く痛そうな感じではありませんでした。

X線撮影の結果、胃の辺りにピンポン玉程度の腫瘍らしきものが見つかりました。
しかし腹部の触診をしても腫瘍らしきものは触れないし確定は出来ませんでした。
お腹を開いて確認すればいいのですが、血液検査の結果、内臓機能に特に問題はないものの造血機能に障害をきたしていて極度の貧血なので、手術をしたら死んでしまうとのことでした。通常13程度のヘモグロビン量が4.3しかありませんでした。それから血糖値も少し高かったです。
吐き気止めに加えて胃粘膜保護剤の注射も始めました。これも吐き気止めの効果が期待できるとのことでした。
とにかく嘔吐を止めないと脱水症状を起こしてどんどん体力を消耗するということでした。

吐く回数は極端に減りました。
ただ少しでも欲しがる水分を与えたら胃液を嘔吐してしまいます。
氷なら一気に入っていかないのでと思ってやりましたが、これでも嘔吐してしまいました。

ポチは5日から何も食べず、水は飲みたがるのに飲むと直後に吐くの繰り返しでした。
どんどん動きが緩慢になり筋力が低下してきました。
階段をリズムよく駆け上がっていたポチがだんだんつまずくようになり、階段の途中で立ち往生するようになり、最後には全く昇れなくなりました。
常連の方には過去の動画で見ていただいたこともありますが、サークルの上を開けるとポチはジャンプして縁に飛びついて僕に抱っこされて外に出るのが日課でしたが自分ではいつもどおりジャンプしたつもりだったのでしょうが、足の筋力が落ちてほとんど跳べず後ろ足から崩れ落ちてしまいました。
最後には飛び上がろうと足を曲げた瞬間、体重をささえきれず倒れてしまいました。

ポチの体重は4.1kgしかなくなっていました。冬場の一番重い時には8kgありましたが、今までなら夏でも6kgはありました。
毎日ポチと二人きりになった時、やせ細った体で、必死に立ち上がる姿、体をささえきれず崩れ落ちる姿、何も出来ず立ちつくす姿を見て涙が止まらなくなりました。

夜中に一人で過去の飛び跳ねてた動画、いたずらする動画、僕を咬もうとする動画
抱っこされてキョロキョロする動画、ハロゲンヒーターの前でまったりする動画、パンを隠そうとする動画、オモチャを振り回す動画などを見てどんどんつらくなりました。

命をつなぎとめる為に毎日通う病院が唯一の支えでした。栄養剤の輸液のあと、ちょっとポチは元気になるんです。暗くなる僕に先生夫婦やスタッフの方々は一生懸命、そして明るく接して下さいました。
僕の唯一元気になれる希望を少しでももてる時間でした。
ポチは、自分の思い通りに体が動かない、飲みたい水を飲んだらすぐに吐いてしまう。
きっとどうなってしまったのか、自分の状況に戸惑っていたことでしょう。

病院に毎日通い始めるようになって診察台に連れて行くとおしっこを漏らしました。そのうち名前を呼ばれて抱きかかえただけで緊張して漏らすようになりました。
他人が恐ろしいポチにはかなりのストレスだったと思います。
そのうち家で抱え上げるだけで漏らすようになりました。
これも条件反射になったんだろうと思っていましたが、寝ている間に漏れてることもあるようになってオシッコを止めておく筋肉の力も衰えていったのではと思うようになりました。

そして13日、母が氷を柵の間から手で差し入れたらそれを叩き落して狂ったようにガリガリ割って食べました。病気になってからは、今まで氷をやってもそれを一生懸命舐めるだけでかじるなんてしていませんでしたし、吐かなかったので、少し元気になったとみんなで喜びました。その後しばらくしてやはり胃液を吐きました……

午後になって弟が帰省してきました。今年はもう逃げる体力もないかもしれないと思っていましたが、弟を見て静かにですが、小屋に逃げ込みました。

そしてお盆休みの間、午後5時~5時半の間、獣医さんが診て下さるので、それに合わせて出かけるためにサークルから出そうとしたら僕の手の届かないところに逃げました。
やはり少し元気が出てきていると思いました。
サークルの中に足を踏み入れてポチを捕まえたときは全く抵抗しませんでした。
しかしおしっこも漏らさなかったのでやはり良くなってきていると思いました。
後からわかったのですが、おしっこを漏らさなくなったのではなく、輸液をおしっことして排出できなくなっていたようです。
体重が減るのが止まったと思っていたのはむくんでいたのでした。
亡くなる前日のポチのお腹を見たら明らかにむくんでいるのがわかります。

いつものように僕と車の後部座席に乗り込んで、僕の横に乗せました。
途中から抱きかかえました。
そのうち力を抜いて僕のひざの上でだら~んとしましたので、安心して眠ったんだなぁと思っていました。
到着して「ポチ着いたよ、起きて」って抱き上げました。
すると手にも足にも力が入ってなくて首は横や背中側に倒れて意識が無くなっていました。「ポチっ!ポチっ!」と叫びながら病院に入っていきました。
「ポチが、ポチがっ」と先生に言ったきり声になりませんでした。
すぐに懸命な心臓マッサージを始められました。ポチは大きな声でヒクッ、ヒクッと繰り返しました。息を吹き返したと思いました。
先生は懸命に強心剤の注射を打とうと血管を探されましたが、前にも書きましたが犬と違って位置が違い血管も細いみたいで針の太さを何度も変えられましたが、細い針では硬い皮膚に入っていかないようでした。
結局、ポチは、声も上げなくなり何の反応もしなくなりました。
先生もスタッフの方もポチから力なく手を離されました。
先生がエコーでポチの弱いながらも動いている心臓を見せて下さいました。
そのうち、動きがゆっくり止まり、あとはちょっと弁が振動しているだけですと説明されましたが、素人目には振動はわからなかったです。
そして完全に停止しました。

目も口も半開きでどこにも力が入ってないポチを抱き上げて首を支えながら先生方にお礼を言いましたが言葉になりませんでした。

待合室には他の患者さんが待っておられましたが涙ではっきり見えませんでした。家内が支払いを済ませてもう一度受付で言葉にならない声でお礼を言って外に出ました。

腫瘍なら仕方がないのかとも思うようにしていましたが、一度大量の毛を吐いたこともあり先生のいろいろな説明のとき、チラッと出た毛球症という言葉がひっかかって今日ネットで調べてみて唖然としました。
ポチの症状そのものでした。

毛球症

僕は猫を飼った事がなく、あまり知りませんが、ネコ草を食べて毛玉を吐き出すくらいのことは知ってました。
でも毛玉って言うくらいだから毛糸の小さな毛玉みたいなのがコロコロっとあるんだろうくらいにしか考えずそれがそんな重い症状を引き起こすなんて考えてなく体調を整える程度のものという認識で軽く考えてました。

ポチはよく毛繕いするので、ネコ草は育てて食べさせたこともありますし、ポチもよく食べてました。でもそれで吐いたことはありましたが、それに毛が混じってるということもありませんでした。
最近は少しはかじっても全く食べようとしませんでしたから、やはりタヌキはネコと違ってそんなに必要ないんだろうと思っていました。やはりイヌ科だし、胃腸の調子が悪い時にちょっと食べるもので、それを食べないと言うことは特に体が要求してないということで、体調はいいんだろうと思っていました。
食べ物は最初の頃はいろいろ食べてましたがだんだん偏食がひどくなって気に入ったものしか食べなくなりました。
まぁ、それらをやっておけばポチは喜んで食べるし、犬の食べ物で、それなりに不足しがちな栄養を強化してあるみたいだし、何よりポチが喜んで食べて元気なんだから大丈夫だろうと甘い考えを持っていました。

今回手術が不可能な理由となった極度の貧血も造血機能の障害ではなく、偏食が原因だったのだろうと思います。そして血糖値が高かったのも偏食と本来餌を探して動き回る野生動物を家の中だけで、しかも1日の大半をサークルの中で過ごして、運動不足で雌とめぐり合うこともなく、かなりのストレスがあっただろうと思います。
おまけに冬毛が生え変わる時は大量の抜け毛があり、それを毛繕いすれば当然体内に毛が入っていきます。

僕はタヌキはイヌ科でも性格はネコと言ってきましたが、もう少しネコについて知っておくべきだったと思います。
結局ポチの寿命を縮めたのは無知で過保護だった自分だと思います。
僕を信じてくれてたポチに申し訳なくて悔しくてまた涙がこみあげてきました。
ごめんねポチ……


悲しい旅立ちポチ1 Sad departure Pochi 1

天国に旅立つ4日前の8月9日の病院に行く途中の車内です。
まだ少しは元気がありました。

Childs Garden Part 1-Zavior Dax
アーティスト: Dax Johnson
アルバム: The Random and the Purpose
長さ: 4:00
ジャンル: Classical

悲しい旅立ちポチ2 Sad departure Pochi 2

これが命の灯火が消える前日12日夜です。
もう、かなりひどい状態でした……
見ててあの駆け回っていた頃とのあまりの違いに涙が止まりませんでした……

Tema Bambino
アーティスト: Walter Rizzati
アルバム: Lucio Fulci Horror and Thriller
長さ: 1:54
ジャンル: Classical

最後のポチ last Pochi

これは12日の病院に行く途中です。
かなりつらそうでした。
これをポチの最後の動画とします。
長いですがあまりカットしたくありませんでした……
ポチ……寂しい……逢いたい……

A Moment in the Life...
アーティスト: Dax Johnson
アルバム: The Random and the Purpose
長さ: 9:05
ジャンル: Classical

H22年3月18日追加
この記事に直接飛んでこられる方がたくさんいらっしゃいます。
感情のままに書いた長文を最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆様に生命力に満ち溢れていた時のポチも是非見ていただきたいです。
生後1ヶ月のタヌキと判明した日のポチの動画へのリンクです。

ついに公開!2006年6月10日のポチ

生後約1ヶ月のポチ


火葬

2009年08月15日 02時52分03秒 | タヌキ
8月2日ポチとペコの2ショットで見送ってくれた最後の写真です。


 
14日、電話予約してポチを火葬場に連れて行きました。

ポチは抱き上げると硬直はとれ、また全身ふにゃふにゃになっていました。
受付を済ませて動物棟に行くと学校の身体検査でよく使うような体重計が置いてあり、係りの人に「そこにのせて下さい」と言われました。
ちょうど4㎏でした。
ポチを再び抱き上げようとすると「ここでお別れになります」と言われました。
そのまま足元の体重計にのったポチから手を離しました。
「40分くらいかかりますので待合室でお待ちください」と言われ動物棟を後にし一般の待合室に行きました。

寒いくらい冷房の効いた広い部屋に3人くらいの人がポツリポツリと座っていました。
大きな窓の外は周囲が浅い池で囲まれていました。
その周りはよく手入れされた植え込みがありその後ろには山があり
その上の青空には夏の雲がありました。
ポチの形に見えるのはないかなぁと探してみましたが、そう都合のいい雲はみつかりませんよね。

ポチとのいろいろな事を思い出しながら池をぼーっと見ていると
風で水にたくさんの小さな波が右から左に流れ、まるで建物全体が船で動いてるような錯覚に陥りました。

そのうち人の火葬を待つ人たちがぞろぞろ入ってきて帰りの新幹線の時刻やこれから車でどこそこに帰るとか話をする大人や奇声をあげながら走り回る5,6人の子供たちに現実に引き戻されました。
それからビデオカメラに撮ったポチの動画をずっと見ていました。

そうこうしていると受付の方が終わりましたのでと知らせに来て下さいました。

動物棟に行き小さな薄暗い部屋に通されました。
火葬が終わったばかりの熱い台の上にポチの小さな骨がありました。
頭の部分の骨が逆さになって左側にありました。
先程受付で購入したばかりの骨壷のふたを開け、係りの方に
この辺りが足の骨ですのでそちらから入れて下さいと言われました。
これが尻尾の骨ですなどと説明を受けながら入れていきました。
時々骨壷を揺らしたり底をトントンとしたりしてつめていきましたが
最後ほぼ完全な形を残している頭の骨が入りません。
他の骨を少し出してその骨を入れたかったのですが「大丈夫ですよ、ふたを上からすればめげて(割れて)入りますので」と言われ上からちょっと押さえると小さな音がしてきちんとふたがしまりました。
高温で焼かれた骨は非常にもろくなっています。

家に帰って両親にポチの頭の骨を取り出して見せようとしましたが割れてはっきりわかりにくい形になってました。
今、僕の部屋にあります。

僕の2階の部屋からサークルを見下ろしてももう下から見上げるポチの姿はありません……




昨日は僕の布団でポチと一緒に寝ようと思いましたが……



僕が寝返りをうってポチが痛い思いをするといけませんのでサークルの中に入れていつも寝ていた小屋の上半分を取ってポチのために買ってた新しい敷物を敷いて寝かせて一緒に寝ました。



14日午後0時荼毘に付す直前のポチです。



待合室でこの景色を眺めながらポチとの事をいろいろ思い出していました。



ポチがこんなに小さくなってしまいました。



ポチをまた車に乗せて連れて帰りました。

ポチの旅立ち

2009年08月13日 21時39分52秒 | タヌキ

ポチは今、僕のひざの上にいます。 
本日2009年8月13日17時20分天国に旅立ちました。

だんだん硬直してきました。
僕のひざの上は背中の毛が触れているのでまだ温かいままです。
手足はだんだん冷たくなってきました。
硬直を始める前、開いてた口の横から舌が垂れ下がってきたので
口の中に戻してやりました。
僕の腕をいっぱい舐めてくれたかわいい舌です。
何度も咬まれた犬歯は鋭いままです。
他の歯も真っ白で虫歯も無く、歯垢も歯石もついてません。
だんだん時間が経ってきて歯ぐきのピンク色もなくなりました。
透明感のある真っ白になりました。

ポチは9日間の苦しみからやっと解放されました。
呼吸が停止しても動いていた心臓がだんだん停止していくのを
病院のエコーで見ていました。
最後は弁がわずかに震えて停止しました。

もうポチのフカフカの冬毛は見られません。
もうサークルの中にちょこんと座って見送ってくれる姿も見られません。
もうサークルの上を開けたら縁に飛びついて抱っこして出してとおねだりする姿も見られません。
もう自分からひざの上に乗ってきてはくれません。
もう来年の年賀状にはポチの写真を印刷できません。

たった3年3ヶ月でポチと別れることになるとはほんの一週間前までは思いもよりませんでした。

もうポチにいくら話しかけてもまばたき一つしてくれません。
ポチをあぐらをかいた僕のひざの上から離すことが出来ません。
ポチ、保護の名の下に不自由な生活を強いてしまってごめんなさい。
苦しみをとってあげられなくてごめんなさい。
僕たち家族にポチを託してくれたポチのお父さん、お母さん、長生きさせてあげられなくてごめんなさい。

長い間、ポチを暖かい目で見守って下さった皆様ありがとうございました。
更新をずっとしてないのに毎日常に130人以上の方に見に来ていただいてました。
ポチをあちこちで紹介して下さった方々もいらしたようで、そんな時は1日に数百人から数万人も来てくださいました。
You Tubeでは海外の方にたくさんコメントをいただきました。
本当に本当にありがとうございました。

気持ちが落ち着きましたら最後の数日のポチの様子と写真と動画をアップしようと思います。