day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

【すばる】babu会vol.2@大阪〔2023/5/6〕

2023-05-17 | Flash Back~music

もう、なにも怖くないんです。


Zeppベイサイドでbabu会vol.1(大阪)に行ってからもう1年経ったの?
などと言いながら、今年はZeppなんばです。
前日まで3日間神戸三宮で実演やってたんでGWが全然GWじゃなくただの週末だったんですが、その週末の1日で秋の大阪城ホール以来のすばるに会いに行きました。

コロナ禍での諸々の制約が外れている今日この頃、今年のbabu会はブロックごとのオールスタンディング。一応、マスクはしているもののほとんどコロナ前の状態に戻ってきた感じです。私はまだ心配ですけど。しかしコロナだのディスタンスがどうの言う以前に、トークコーナーのあるファンミでオールスタンディングはしんどいです。座らせて欲しいです。通常のライブなら全然かまわないんだけど、babu会は座席作って欲しいです。じっと立って話聴いてんのつら。
というのはまあさておき。
babu会2はこのなんばがファイナル。今回は他会場のネタバレレポートはなるべく避けて行きました。まあ、断固拒絶ではないんでちらちら「今回はカバー曲やるらしい」「もろもろヤバイらしい」「とにかく渋谷すばる、やばい」と概ね大好評に見える感想が流れてはきてたのでとても楽しみにしていました。





昨年のbabu会の時に、「もう音を止めたくない」と足を踏み出したすばる。 「二歳と1328日」ツアーが終わる頃、決して満員御礼とは言い難い客席を見渡しながら、そこに"いる"ニンゲンたちの顔をひとつひとつ見つめるようにとても穏やかで優しい表情だったのが印象に残っていた。
ツアーの後、主題歌を担当した映画「ひみつのなっちゃん」の監督や主演の滝藤賢一、そしてドラァグクイーンであるドリアン・ロロブリジーダなどと対談を重ねて思う事もあったのだろう。
これを言葉にしてしまうと拒絶反応してしまうファンもまだ少なくないかもしれないが、自身が親になったことも大きいのではないかと思っている。日々成長する小さな存在を見守りながら、すばるはまたひとつ強くなったのではないか。

ソロデビューから去年のツアーファイナルまで、ひとりでMCをさせておいてはいけないのではないかと思うほどたどたどしかったり要領を得なかったすばるの喋りが、いくぶんスムーズになっていた。もう日常生活ではあまり関西弁を話していないのかもしれない。周りに関西人が少ない環境ならそうなってしまうんだろうな。芸能人じゃない一般人でも、上京しても他の地方へ行っても全く関西弁が損なわれない人もいるのだけど。
スムーズに話が出来るようになったというのは、ファンの前で言葉を発する時になにがしかの緊張をすることが無くなったということなのかもしれない。もちろん、何か言いたい時に言葉に詰まったり考え込んだりすることが全く無くなったわけではないけれど、終始リラックスした様子に見えた。
『babu会が実家のような場所』と去年のすばるは言った。
少しは実家のようにくつろいでステージに立てるようになったのだろうか。

確か、ぎちぎちに入ればキャパ2000を超えるZepp Namba。
私は幸運にもAブロックだったので上手側2列目をキープできたが、振り返ると後ろの方まで詰まっていた。後ろの方あるいは2階席から見たら壮観だっただろうと思う。
そんなぎちぎちの観客が、渋谷すばるがステージに現れるのを待っていた。


行ってから2週間以上経ってしまったし、質問コーナーやらプレゼントコーナーやらがあって、その上そのあとに全部吹っ飛ぶみたいなライブだったので、見たもの聴いたもの全部覚えておくのは無理だった。だから今の段階で思い出せることだけを書いておこうと思う。
逆に、10日で薄れる記憶ならわざわざ書き残しておかなければならないほど面白いことでも大事なことでもなかったんだろうしね。


大阪、収録公演というアナウンスがあったので・円盤になる・すばる動画(FC限定動画)になる・部分的にYouTubeに上がる あたりのいずれかではないかと思うが、それを見るまでは引き続きネタバレを避けておきます って人がもしいたら(そういう人はこんなとこ迷い込んでないと思いますが)ここで引き返して下さいね。


















以下メニュー&セトリ。
渋谷すばるファンクラブイベント「babu会vol.2」Zepp Namba 5/6



・トーク
・質疑応答コーナー
・プレゼントコーナー

1.スローバラード【RCサクセション】
2.ぼーにんげん
3.ぼくのうた
MC
4.雪の華【中島美嘉】
5.大阪LOVER【DREAMS COME TRUE】

MC(メンバーからムチャブリコーナー)
~ハナミズキ

6.TRAIN とRAIN
7.ベルトコンベアー
8.バラ色の日々【THE YELLOW MONKEY】
9.ないしょダンス

10.生きる

=アンコール=
11.たかぶる


サポートメンバー
Ba.安達貴史
Gu.新井弘毅
Key.本間ドミノ
Dr.茂木左

1人でステージに現れたすばるは、ことあるごとに「ありがとうございます」を繰り返した。
企画の進行も、時折あわあわすることはあっても予定通り?進められていたのでは。
とにかく、ここ(全会場)に集まったニンゲンたちが、自分がどうすれば喜んでくれるのかと彼なりに必死に考えてくれたのだと思う。「ありがとう」もだが「みなさんが喜んでくれれば」「みなさんにどうやったら喜んでもらえるかと思って」も何度も繰り返し口にした。

●質問コーナー
企画のひとつめは、客に挙手をさせて当てる方式の質問コーナー。
今日誕生日だからとハッピーバースデーをねだる人。
手紙を書いてきたのだけど今日楽しみにしてたのに発熱して来れなかった連れにメッセージが欲しいと言う人。
同僚の親?が昔すばるが見学に行ったという楽器工場に勤めていたという人。
「ハーモニカを作ってくれる職人さんがおって。これとか、関ジャニの時に作ったからマークも入ってる。大事に使わせてもらってる」
多分このあたりであら、と思った人は多かったのではないだろうか。すばる動画や生すばるなどを全部くまなく見ているわけではないのであまり自信はないけど、古巣のことに全く触れないわけではないにせよはっきり「関ジャニ∞」の名前を出すことは無かったかあったとしてもほんの数回だったと思う。(この件については後述)
二歳ツアーの海外(アジア)公演のチケットを取っていて、そのためにパスポートを取ったのに中止になった。パスポートの期限が切れる前にまた海外公演をやって下さい!というひと。
あの時はほんとに申し訳なかったけど、危ない時だったからみんなを連れていくわけにはいかなかった。「絶対連れてくから!」と力強いおことば。
などなど(ぶっちゃけ他のお客さんの質問にそこまで沸いたりしないのでしっかり覚えていない ごめんね)
(あと、すばるくんが舐めたハーモニカが欲しいとかいう変態発言、すばるにきっしょ!って詰られたくて言ってるんだろうけど普通に引いた…)

●プレゼントコーナー
質問コーナーが終わったら今度は入場の整理番号で抽選してTシャツにこの場で直筆サインをしてプレゼントする!という。なんか!!「ファンミ」って感じがする!!普通のファンミって行ったことないけど!!!(吉川の会員限定バースデーイベントはファンミの一種か…そうか…)
抽選にあたった人がそれをステージのところまで取りに来て直接渡してもらうというものだったのだけど、その受け渡しが我々の目の前あたりだったのではからずも当選のおこぼれにあずかった感じ!
自分でくじを引いて、当選番号を読み上げて、当選者が来るまでにサインを書いて、と大忙しのすばるさん。
「喋ってたら(書き)間違うからなんか繋いどいて!」(て客に?w)
とか思ってたら "関ジャニのみんなと最近出会った?(多分これは方言で『会った』ことを『出会った』と言ってるんだと思う)"と声をかけられる一幕も。
「そんなんずっと前に出会ってるやん。最近、てみんな忙しいやろ」

いっそ軽率に尋ねた方がさらっと答えてくれるのかもしれない。でもなんとなく「いいのかな」という感じがした。この時はまだ。
(もっとも、実際に今は没交渉になっていたとしても仕方ない気はしている。ヨコあたりはたまーにでも連絡は取っているかもしれないけど。普通に一緒に仕事してて友達づきあいだった同僚でも、同じ職場じゃなくなったら片方がよほどマメな人でなければ接点が無くなってだんだん疎遠になるのはよくあること)

Tシャツプレゼントは当たることはなかったけど、すばるが本当に集まってくれるファンにどうやったら喜んでもらえるかをすごく考えたんだろうと思う。嬉しいと同時に「そこまでしてくれなくても大丈夫だよ…」とも少し思ったりして。
まあ考えてみたら私は参加したことないけどミッチーさんもお泊りファンミみたいなので撮影会とかやってるからファンミ的には全然範囲内のことなのかな(そういう世界をよく知らなくてな、すまんな)

●ライブ
ばたばたとそういった企画コーナーが終わると、
「じゃあみなさん!渋谷すばるに!!"歌を歌わせて頂けませんか"ー!」
と、一旦退場し、バンドのサウンドチェックなどを経てすっかりおなじみになったバンドメンバー登場!!
(茂木ちゃんはやっぱりあの犬Tシャツ!!)

初っ端1曲目から「スローバラード」(RCサクセション)。
エイト時代にソロで出したカバーアルバムに収録された曲。そして楽しい「ぼーにんげん」をはさんで2023年の「ぼくのうた」。
去年、新しいバンドになって聴いた「ぼくのうた」は軽やかになったなと思ったんだった。
きっとこれは、もちろんこれに限らず他の曲もそうなんだろうけど、年数を重ねていくごとにその時どきの色を載せながらどんどん奥深く分厚く育っていくのだろうな。
独立以降名曲と呼びたくなる曲も色々生み出してきているすばるだが、そんな中でもやはり「ぼくのうた」の特別さは格別だ。
2020年2月の名古屋で、二歳ツアー、1曲目に歌った時。
すばる自身も緊張していただろうし力も入っていただろう。観客も、殆どの人が関ジャニ∞として最後に出演したコンサート”JAM”以来のすばるに緊張して感情が溢れてだろう、少なくとも私の席からステージを見つめる視界の中で見渡せる限りは誰ひとりぴくりともせずにじっとその歌を聴いていた。息遣いのひとつも聞き逃すまいとするように。
この日はライブハウスで密集しているだとかライブが始まる前に十分会場が暖まりリラックスした状態だったことなど要因は色々あるにせよ、「ぼくのうた」が始まってもそれぞれリズムに乗って身体を揺らし、サビでは腕を突き上げたり差し伸べたりするアクションが拡がった。

「関ジャムっていう番組で、いろんなセッションをやらせてもらえた。それをちょっと歌います。テレビで見た歌を生で聴いて不思議な感じだと思いますが聴いて下さい」
みたいな事を言って歌ったのが「雪の華」(中島美嘉)と「大阪LOVER」(DREAMS COME TRUE)。うんうん、関ジャムでのそれ覚えてるよ。そんなにリピって見ない方の私でもしっかり覚えてるよ。
(重ね重ね、録音などしていないし記憶も薄れつつあるのでなんとなくこういう事を言ってたレベルです)

でそこから、事前にShubabu(FC)で集めた「すばるにこういうことをやって欲しい!」というご要望がプリントアウトされてメンバーに配られ、メンバーがそれぞれセレクトしてすばるに振るというムチャブリコーナーが突然始まる。
ここまでの各会場ではいきなり弾き語りをひとくさり歌ったりとか(∞時代のソロ曲(ONE)を何フレーズか歌った日もあってTLの一部がパニックになっていた)していたそうなんだけど、
B.足立さん(バンマスだったのか知らなかった)が仕切り始める。
去年のツアーの時はファイナルでもまだ遠慮がちな感じだったのになんかみなさんすばるの扱い方めちゃくちゃ上達してませんかwこの辺まで攻めていいとかいう塩梅が判って来たのかな。
『めっちゃカッコいいキメ顔でカメラ目線で殺し文句をひとこと』
茂木ちゃんにドラムロールと照明さんにも手伝ってもらって、振り返ってキメることになってあわあわするすばる。
「ちょっと待ってこんなん関ジャニ∞の時もやったことないわ(汗)」
そこに客席から「すばるくん、”イケメンカメラ目線”だよ!!」とヤジが飛び(GJ!)、突然「!!!」って顔になるすばる。
「そういうことか!やっとったな!それなら出来る!!」
「練習」のていでテイク1:振り返って「愛してるよ」
収録のカメラ用にもう1回と言われテイク2:「大好きやで」
キャーキャー声に包まれる会場、そのままキメてればいいのに舌ペロペロやりだすすばるさんw

「本来のセトリには入っていなかったけど、皆さんとのやりとりから生まれた曲。喜んでもらえるかと思って」
と歌った「ハナミズキ」(一青窈)。
(昔、ヒナがカラオケですばるに歌ってもらって泣くって言ってた曲ですね)

ここからライブ後半戦。今回はセットリストも事前にShubabuで取ったアンケートの上位で構成したということでこんな曲から。
「TRAINとRAIN」
アルバム「二歳」を聴いた時にはまだなんだか生々しい傷を見せられているようで、曲調は優しいし好きなんだけど胸が苦しくなったりした曲。でも今、「これからは僕自身が敷いたレールを走ろう」という歌詞があの時の何倍も力強く聴こえてくる。
「走ろう」という決意表明で、まだどっちへレールを敷いていいのか迷いながらもしかしたら時に脱線しながら走りだしたすばるという電車。でもやっとちゃんとしたレールが敷けたんじゃないかという気がした。
そのレールを、でこぼこで傷だらけだとしても胸を張って意気揚々と走り出した電車だ。

「変わってたりはみ出したりしながらやってきたけどそれでええやん」
「ベルトコンベアー」。そういえばこれ、日比谷の対バンライブで久しぶりに聴いたんでしたね。
最初に聴いた時は”そのあと巣立って行った彼”への餞のような歌だなと思ったんだけど、これだけ時間が経って聴くとやっぱり自身のことだったのかなと思う。「ないしょダンス」を作ったことで、より”人とちょっと違うこと”に胸を張れるようになったのかなと聴こえてくるような感じだった。

"追いかけても追いかけても"
とものすごく私の耳と身体に馴染んだフレーズが飛び込んできた「バラ色の日々」。(THE YELLOW MONKEY)
変な声が出てしまった。
2019年の年末のフェスの「THE YELLOW MONKEY」トリビュートコーナーにシークレットで登場して歌ったこの曲。
イエローモンキーのシーズン3が発表されない(ロビンの喉の状態によって延期されたりしてることもあるのかも)中。生で、現地でこのオリジナルを聴いたのは2020年の11月3日東京ドームが最後だった。
そんな馴染深い曲がすばるの声で聴けるとは思ってなかった。Shubabuのニンゲンとしてここに立ってるのにいきなりBLEAVER.としての人格が叩き起こされて脳内大混乱(笑)

リクエスト第一位だったらしい、「ないしょダンス」
自分自身が前の方の列にいたから余計に熱を感じたのかもしれないけど、すごい盛り上がりだった。後ろの方から見てる人はどうだっただろうか。

ご縁があったら ご縁があったら
今度は一緒に踊りましょう
それまでお預け最初のダンス

ものすごい盛り上がりで「ないしょダンス」が終わって。
咳き込まんばかりに息を整えて、またセンターに立つとすばるは大きく息を吸っておもむろに口を開いた。

元 関ジャニ∞の渋谷すばるです。
お母さんから産んでもらって15歳までなんとなくふわふわ生きてきたけど、
15歳から36歳?くらいまでジャニーズ事務所というところで育ててもらいました。
2019年から5年くらい(正確にはまだ4年です)。
そんなもんなんです、俺の人生。
そんくらいしかないから、全部大事なんですよ。
過去は過去でただ過ぎ去った過去じゃなくて
大事な自分の人生としてずっとここに抱きしめて、
大切にまっすぐに生きてきたつもりです。
下手くそなやり方しか俺はでけへんけど、大事なものは大事で、
何一つ忘れずにまっすぐやってきたからこそ
本当に最高やなと思える人達と出会えているんです。
このステージの上には5人しかいないけどこの裏とか周りにはたくさんの仲間たちがいてくれてる。
その人たちも全員メンバーだと思ってる。
大所帯ロックンロールバンドです。
自分一人では思えなかったことでも、 大切にしたいと思える人達の思いとか言葉によって自分の中にどんどん変化があって。
とにかくあなたたちを喜ばせたい。この人たちのことも楽しませたい。 どんなことでもやるよ、俺。
もっともっと「渋谷すばる」を知って欲しいし、
その為に「渋谷すばる」をまっとうしようと思います。
俺はもうこの先の人生、それしかないから。
死ぬまでそれをやるだけです。
どんなことだってやるよ。
もう、何も怖くないんですよ。
何も怖くない。
何だってやれるし、そう思わせてくれる人とやれてるから、 何も怖くないんです。 こうやってみんなで作ったものを受け取りに来てくれるみなさんがいて 幸せです。俺。
でもまだまだです。
渋谷すばる、まだまだなんです。
だから、俺、がんばるわ。
でかくなるよ。
もっともっと楽しいところに連れていくから。
これからもよろしくね、一緒に生きていこう。
また来いよ。絶対またやるから。
それぞれのタイミングでいいから、会いに来てください。
そこに居てくれて、ありがとう。


※デジチケで公演後に配布された"メモコレ"にこの場面のMCが文字おこしされていました。
完全転載はさすがにどうかと思ったので、自分の記憶も足して部分的に削ったりしているところもありますがニュアンスは損なわれていないと思います。

本編最後の曲は「生きる」だった。

本来、このbabu会では「アンコール」が無かったらしい。
しかしファイナルだったこともあるだろう。
再び出て来て、「たかぶる」
ステージの端から端で身を乗り出して歌うすばるに、私も周りの人たちも大きく手を延ばして、
口々にありがとう!と叫んでいた。
すばるがステージの上からいっぱい投げ込んでくれた「ありがとう」を、客席全体から「ありがとう」で投げ返す。
すばるは、「居てくれてありがとう」って言ってくれたけど、
こっちだった「そこに居て、歌ってくれてありがとう」なんだよ。



渋谷すばるが関ジャニ∞を脱退し、ジャニーズ事務所を退所して独立してから4年と4カ月ほど。
細かくは覚えていないが、1stアルバムである「二歳」がリリースされた時はまだ「元関ジャニ∞の渋谷すばるが…」と書かれていたように思う。音楽雑誌やレコード評に、"このアルバムの紹介文の一行目"にそう書かれるのはいわば二度目のソロデビューである渋谷すばるを表現する上ではやむを得ないことだったかもしれない。相手にするのは”渋谷すばる”をよく知っているジャニオタではない。
決して「関ジャニ∞」で生きた年月を否定したいとか隠したいとか思ったわけではないと思う。ただ、『自分で脱いだ(ジャニーズという)プロテクター』なのに脱いだはずのプロテクターが追いかけてくる感覚はあったかもしれない。
実際、ライブに来るのはもしかしたら会場によっては100%、そうでなくてもかなり高い割合で観客は関ジャニ∞からのファンだっただろう。自分はそうしたくなくても、関ジャニ∞、ジャニーズの看板を利用しているようなモヤモヤがあったとしても不思議ではない。SNSなどで距離感が図り切れずに、"関ジャニ∞の渋谷すばる"だった頃と同じ渋谷すばるを意識的か無意識的か要求してくるファンの声に悩まされる日もあったのではないかと推察する。
それが高じて一度は"関ジャニ∞からのファン"をリセットしようとしたと見える行動を起こした時期もあって反感を買ったり不安な思いをさせたりしたこともあったなと思う。

退所する時にどういう条件を話し合ったかは知らないが曲や映像の権利関係の取り決めは当然しているだろう。ただ"公の場で関ジャニ∞時代の話はしない、グループ名も出さない"などという取り決めがあるなんて私は思っていない。自分で脱ぎ捨てたのだからその名前には頼らないし頼っていると思われたくもないという心理でなるべく口に出さないようにしているというなら私は腑に落ちる。私もそういうところがあるから。
とにかく、過去の話が出る時にも言葉を濁すように古巣のグループ名を滅多に出すことがなかったすばるが、はっきりと、「元関ジャニ∞の渋谷すばるです」と口にしたことには、彼自身の大きな決意を感じる。

「もう何も怖くないんです」
と、すばるは言った。
すばるは何をおそれていたのだろう?
これは想像でしかないけれど、
ジャニーズのタレントとして、関ジャニ∞のメンバーとして過ごしてきた年月を今でも大事に思っているからこそ。
それを表に出すことで「かつての看板を利用している」などと揶揄する声も全部届いていたのではないかと思う。
怖かったのは”そう思われること”。
でもそれを怖がって表に出さないのは大事にしているはずの過去に泥を塗るのと同じことだと思ったのではないか。

昨年のツアーが大きな転機にはなったのだろうけど、ファイナルの時には多分まだ辿り着いていなかった境地。
きっと今とても良い人たちに囲まれて、少しずつでも自分が本当にすべきことは何なのかを明瞭にしていくことが出来たのかもしれない。

誰に何と思われてもいい。大事なものは大事だと言う。
ここに集まって自分の音楽を受け取ってくれる人たちがいる、自分はこの人たちが喜ぶことをすれば良いのだ、そう思うことですばるが強く足を踏み出すことが出来たなら、私もShubabuのニンゲンの一人でいること、ここに足を運んだことには自分が楽しむこと以上の意味があったのだと思える。


脱線するが、すばるや亮ちゃんが歌番組に出られないとか亮ちゃんがドラマに出られないとかいうのも一概にテレビ局の(ジャニーズ事務所に対する)忖度ばかりではないと思う。
大きな事務所の看板を捨てて個人事務所を立ち上げたのだから、新興の弱小個人事務所にすぎない彼らはSNSやサブスクで億バズリしたとかいうよっぽどの話題性がなければ番組が起用するメリットがないと言われても仕方ない。
私が応援するアーティストには「とても良い楽曲を歌っているのにテレビの歌番組には一切出てこない」という人の方が多いから、歌番組に出られないことがそんなに重大なことだとは思っていないせいかもしれないけど。
ドラマなどの役者仕事ならなおさらで、ある程度信用のある事務所に移籍したとかならすぐに出演オファーもあっただろうと思うが立ち上げて1,2年の(演者としての実績とは別に)"経営実績の薄い"個人事務所のタレントを多くの人間が携わるドラマや映画に呼ぶのは制作側にもリスクがある。錦戸亮自身がライブやCMなどで地道に実績を積み上げてやっと信用を得られたからドラマ出演にこぎつけた、自力で勝ち取ったものだと思う。
いわゆる忖度が全くないとは思わないし、Jの顔色を伺うようなことも現在もあるかもしれない、あるんじゃないかな、とは思うけど(なにしろグループ数が多いので)、メリーやE島強権時代に噂された圧力みたいなものはもう無いだろうし現に歌番組でもドラマ等でも競合他社のボーイズグループやイケメン俳優らと共演なんて当たり前になっている。
彼らの古巣が現役で活動しているわけでそこを同席させるのはちょっと気まずいですよね…?みたいな進行の難しさや面倒さを捨ててるだけかもしれないなとも思う。仮に本人たちは平気でもファンは喜びだろうが反感だろうが絶対大袈裟に騒ぐしその割にファン以外の世間一般ではそこまで話題にならなそうだし、それを餌に数字を狙う企画出されたら本人たちだって嫌だろうし。

babu会vol.2、それにしてもとにかく自分のファンが喜びそうなことを必死で探して、出来る限りのことをしてくれようとしたことが開演中ずっと伝わってきていた。
そんな風に思ってくれるのはとても嬉しいんだけど、
私はそこまで「応えよう」としてくれなくても大丈夫だよ、などと思う。
そこまでこっちのことばかり見なくていい。自分の見つけた「自分で敷いたレール」の先を目指して、好きなこと、楽しいと思うことをやってくれたらいい。
多分、私だけじゃなくそう思っているニンゲンはたくさんいると思うから。

ありがとう。
これからも、よろしくね。
ずっと歌っていてね。
そしたらそれを受け取りにまた来るから。



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