day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

「劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!」

2007-08-06 | エイガ。
第一話以降、まるでレビューを書いていなかったのですが、「仮面ライダー電王」は今まで私の中でイチバンだった「龍騎」にせまる勢いで大好きです。
ちゃんとビデオに録画して編集してDVDに焼いてラベルまで自作して、その上この8月から発売になるテレビシリーズのDVDも買おうかと思うくらい好きですww

さて、そんな「電王」ですが、このシリーズの例に漏れず今年も映画が出来ました。

平成ライダーの映画版は第2弾の「アギト」から始まって毎年あるわけですが見たのは「龍騎」「響鬼」「カブト」と今回の「電王」だけになります。

見ていない「アギト」「555」「剣」については詳細は本当に知らないのでテレビシリーズ本編とどの程度関わっている内容なのかはわかりません。
が、基本的には「テレビシリーズとは別の流れの物語」「別世界の物語」と捉えた方がいいモノになっていると思っていいのでしょう。

が。


今年は、映画公開直前の本編の展開を見ても明らかなように、本編と映画が考えられないくらい密接に関わりあっています。

大丈夫なんだろうか、これは……??



しかし、結論から先に言いましょう。

すんげえ良かったです!

今まで見た平成ライダー映画で一番見終わった後の満足度が高かったです。
まだ公開間もないので、あと何度か見に行きたいくらい。

電王映画公式


デンライナーの車窓から 劇場版 仮面ライダー電王 俺,誕生!メイキング


↑当然コレも買ってしまったアタシww


まずはネタバレ前に軽く。

・オロナミンCタイアップ今回もきたーw
・「響鬼」のトドロキ&「カブト」の田所さんがゲスト出演wけっこう出番多かった…。
・陣内とほしのあきはまあ、にぎやかしということで…
牙王様、超絶かっこいい…
(渡辺裕之ね)
しかしこのおぢさま、どの場面でも必ずなんか食ってました。そして、なんだかお茶目でした。
・コブライマジンの声、「龍騎」の浅倉威をやった萩野崇。浅倉っぽかったです。首回してくれんかなぁと思ったんだがwしかしあっちゅーまにやられてしまった…。
・他のイマジンの声にも、「カブト」の地獄兄弟・「ボウケンジャー」のマスミちゃんが出演してたんですが、地獄兄貴の声しかわからんかったです。修行が足りんな俺。
・ハナちゃんいつもに増して無敵!
・オーナーのアレがあんな武器(?)になるとは。
・デンライナー占拠のイマジンたちがトランプやって遊んでたけど、トランプでかっ!
・尻をはたいて砂を出したら憑依イマジンを追い出せるのか(爆)!
・ちっちゃい!ちっちゃいよ!!!←何が、かはお楽しみに
・渡辺裕之おぢさまに「天才」と絶賛された佐藤健くん(良太郎)。いやほんと、天才だと思う…。

あと、「モモタロスのなつやすみ」ですが………



劇場で見て下さい、としかwww



【こっからがっつりネタバレいくぜいくぜいくぜいくぜー!まだ公開して間もないから見てない人は要注意!】

タイムパラドクスって何それおいしい?

同一時間に同じ人間がそんなに存在していいのかとかそんなことを「電王」でつっこむのは野暮だからやめときましょうw
タイムトラベルの概念には色んなものがあるようだし、ややこしいことを言い始めると物語のテーマを見失ってしまいます。ここは素直に「この世界ではそれはアリ、そういうもんなんだ」と思っておくのが一番。



23・24話で登場した白鳥イマジン・ジーク。
実はここからすでに映画とのリンクは始まっていたのだが、それは些細なスパイスだとも言える。
テレビシリーズ独自のゲストキャラで終わったとしても余韻の残る優しいラストだったこの話の「その後」が映画で語られる。
それはなんだか嬉しいことでもある。

映画公開直前となる25・26話になると「わかりやすく」映画とリンクした話。

イマジンに憑かれた人とイマジンを追うといういつもの展開を見せながら、途中で侑斗やデネブが良太郎を突然拉致して連れ去ることで混乱する物語。
時折挿入される連れ去られた良太郎が見た光景が、映画の予告編と同じだと気づけばそれが映画とリンクしているということは明らかだ。
きちんとイマジンとその契約者の望みをいつも通り描き、良太郎が侑斗を初めて「自分の知っている桜井侑斗」と同一人物なんじゃないか…と思い始めるという本編にとっても重要な展開を見せておきながら、ちゃっかりしっかり映画の予告を交えて映画の「時間」と行き来している。
27話に到っては、映画の「主役」である「牙王」が大きな顔をして登場してしまっているしそれがメインですらある。

これを単なるいきすぎた映画宣伝だと受け取って不快に思う人もいたかもしれない。
特に27話などは終盤殆ど映画のダイジェストのようになっていたから。


しかしこれ、私は両方見たから言えることだが非常に面白く、見事なまでに綺麗にリンクしているのだ。
もちろん映画館に足を運ばせたいという思惑が大前提だとしても、ここまでうまく繋がって、しかもそれぞれの「時間」が上手く流れながら絡まっていることの方が私は嬉しかったし楽しかった。
もともと私は、「同じ場面を別視点から描く」という手法は大好きで。
公開日は8/4で27話オンエア前だったから本来なら27話を見る前に映画を見るのが一番面白い見方だったのかもしれないが、私は27話を見てからその日のうちに映画を見るという順番だった。

ミルクディッパーに忍び込んだちょっと抜けた宝石泥棒。
その2人組を利用しようと目論む2体のイマジン。
その片方がウラタロス(正確に言うとU良太郎…)に追われ、イマジンと戦うのはモモタロス。
一方もう一体のイマジンと戦うゼロノス、その頭上を消えてゆくデンライナー。
過去へ飛んだデンライナーは、牙王に乗っ取られる。
すべて、デンライナー乗っ取りのための、罠。

その一連の出来事を、イマジンの契約者である宝石泥棒の片割れ・加藤をU良太郎が追い詰めるところから映画は描いていて。
U・K・R・M良太郎で契約者を追い詰め、ソードフォームに変身するM良太郎。
しかし変身のどさくさで契約者の「望み」である宝石を奪われて契約完了されイマジンは過去に飛ぶ。

侑斗=ゼロノスが地上で戦っている間にビルの上ではこういうことになってて、それで過去に飛んだのか~。
この時点ですでに私は嬉しくてにやにやしている。
こういう描き方は私の大好きなところなのだ。


しかし牙王に乗っ取られたデンライナーはここから「映画版の中の時間」を刻み始める。

2000年に取り残された良太郎とハナ。
牙王に蹴倒されて気を失った良太郎を引きずってミルクディッパーに向かい、2000年の、まだほんの少年だった良太郎と出会う。
気づくとデンライナーに関する記憶をすべて失っていた良太郎。
そのためか、ようやく牙王によってジャックされたデンライナーから脱出してきたモモタロスが良太郎に憑依できなくなったかと思えばハズミでチビ良太郎=小太郎に入ってしまう。
モモタロスの憑依を受け入れなかった良太郎にするっと憑依してきたのは本編23・24話で10年前の世界に飛んでそこへ留まったジーク……

と、7年前の良太郎も巻き込んで、良太郎の過去や、失った両親への思いなどについて物語は丁寧に描いてゆく。

そして、自分に関する記憶を良太郎が失ってしまったことをモモタロスがどれだけ寂しく思っているか、さりげないたった何シーンかの短い場面でそれでもちゃんと表現してくれている。
こういうなんでもない、ちょっとしたシーンなんだけど、これがあるからラスト近くに良太郎が牙王と対峙した時の

「どうして忘れてたんだろ、僕のもう一つの時間───」

良太郎がそういって倒れたモモタロスに呼びかけ、モモタロスが
「おまえ、思い出したのか!」
と馬鹿まるだしではしゃぎまわる姿が本当に嬉しくてほろっとしてしまうのだ。


その他のイマジンたちについても、もちろん本編と何の違和感もなくいつも通りの連中。「面白いものを見せてやる」という牙王の言葉につられて檻に入れられなくともおとなしく外で「お絵かき」をしているリュウタロスとか。
強引に「神の路線」に乗り入れたために激しく揺れるゼロライナーの中で、それでも飲み物を離さないジークとか。
ジークに「料理番」と呼ばれ、旨いと褒められたせいでいそいそ食事を作ってるデネブとか。
「俺は他にやることがあるから」
と言って良太郎やハナたちを真田幸村の時代に置き去りにした侑斗。
本編25話・26話の時間へ行って助っ人のためにそれぞれの時間の良太郎集めに奔走しに行ったんだろうと、その2話を見た私には見当がつく。
(ただ、リュウタが侑斗の指図を素直に聞くのか?という疑問はあるけど…「面白そう」とか「飽きたから暴れたい」で納得したのかな?)

侑斗とデネブは、この映画の撮影の方が本編の撮影より先にあったらしく、多少まだ硬いというかキャラが出来上がっていないのかも…という感じはあったものの全然許容範囲内。
逆にこっちを先に演じていたから本編で登場した時にこなれた感じがしたのかも。
いずれにしても、撮影時期の前後はある筈なのに本編との違和感がほとんど感じられなかったのもすんなり物語に入れた要因のひとつだったのかもしれない。

脚本の小林靖子が映画版と23話~28話あたりの脚本をまとめて同時期に書いたんではないかと思うくらいの流れのよさだと思う。
また、どれだけそれぞれの登場人物(イマジン含む)に愛情をこめて作りこんでいるのかがよくわかる。
だから、彼ら一人ひとりの言動にそれぞれなんの違和感も生まれないのだ。
物語の筋に合わせて登場人物が動くのではない、彼らが動いてこそ物語が進んでいるかのように。
そうやって、過ぎ行く時間を生きている私たちに、大事なことをそっと伝えてくれる。


それぞれの人が持っている、無くしてはいけない大切な時間。
どんな一日でも、どんな一瞬でも、大事なもの。
そして、その日のことを覚えている人がいれば、その時間は完全には消えはしない。

記憶こそが、時間なんだ。


そして、最後にデンライナーのオーナーが粋なプレゼントをくれる。
優しくてあったかいラストシーン。


あとでよく考えてみれば、「牙王」が何故あそこまで「時間に飽き飽きしている」のかというところも描いて欲しかった気もするのだが、見ている段階でそれが気にならなかったのは渡辺裕之の存在感だけで牙王の行動に説得力があるように錯覚していたせいかな、と思う。
もっとも、普通の2時間くらいある映画の尺の中ならともかく、70分程度という尺の中でそれを描いては少し情報過多だろう。
欲張って詰め込むことをしなかったから、描きたい部分を存分に描けたんだろうし。


27話と28話の間に起こった出来事として描かれた映画版。
私が見たのはもしかしたら絶妙のタイミングだったのかもしれない。
本編の時間は澱みなく進んでいる。
あの、27話で侑斗から逃げ回っていたドジな宝石泥棒の片割れに憑いたイマジンはまだ「生きて」いるようだ。

映画を見なかった人にもきちんと受け入れられる物語の流れが維持されているか。
本当にこの映画と本編のリンクが見事だった、と言うためには28話でこの一連の話にどうやって決着をつけるかにかかっているのかもしれない。

予告を見た限り、この展開に由来して良太郎のイマジンたちに大変なことが起こるらしいのだけど…
それはまた、次の話。

しかし28話、予告見ただけで泣きそうなんですけどどうしましょう…。
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