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癒さぬ傷口が 栄光への入口

『検事・鬼島平八郎』[金21]

2010-12-03 | テレビ。
ABC創立60周年記念番組だそうなんですが、予算を大物キャストにつぎ込んだぜ!という吹っ切れっぷりがいっそ気持ちいい(笑)
7話で最終回?打ち切り?と思ったんだけど綺麗にまとまっていたのでこれ最初からこういう話数で構成されてたんでしょうかね。
公式サイト


最初はよくある事件モノみたいに1話完結の人情ドラマかと思ってなんとなく見ていたのですが、1シリーズを通して政界の大きな闇をいち地検(「伊智」地検というのはそことひっかけてるのかなぁ)が暴いていくといった話。人情モノにありがちなちょっとご都合主義な展開もみせつつ、東京地検との力関係とか不正とかそういうのにも触れつつ。
地味ながら面白い話でした。
北野武が、元検事の弁護士を演じて初回から思わせぶりにほぼ毎回1シーンずつ登場してたわけですが(笑)、結局たいして弁護士(しかもちょっとアウトロー弁護士っぽい)の出番のある話でもなかったし、鬼島に、おそらくは自分のように検察に失望して折れてしまうことを危惧して、わかりにくい警告を発し続けるだけの役。
が、やっぱり何といいますか、あの存在感だけで話が締まったのは事実かと。
北野武の出番が無かったらと想像すると、話には本当に全く影響ないのに、少し緩んだ印象になります。うーん。

主流の捜査から外されたオールド・ルーキーである鬼島が担当する小さな案件。「正義の味方」であろうとする鬼島はたとえ小さな案件だろうと疎かにはしない。しかしそれがやがて伊智地検が抱える『分不相応な』政界の裏金の案件へと流れていく。全部繋がっていくのがご都合主義だとは思うんだけど、小さい案件の人情ドラマをやりつつ大きな流れも動かしつつ、というのがちょうどいいギリギリのバランスだったんじゃないかと。

しかし、「自殺を強要されて」鬼島に助けられた大橋議員が、やっと家族と再会してこれから自分の関わった不正を全部話そうとしていたところで本当に自殺してしまうという流れはこのドラマにしては少々ショッキングでした。
なにも詳しくは描かれてはないけど、ここまでの流れからして再び自殺を強要されたことは自明で。
政界の大物を相手にしてしまったら、ここまでどうしようもないものなのかと絶望感を持たせる展開でした。
それだけに、
「検事には検事の戦い方があるんじゃない?」
という越中の言葉と同時に優民党パーティ中に続々と入ってきて大混乱をもたらす全国一斉捜査!の場面は愉快でしたねー。

橘幹事長は辞任に追い込まれたけど、あの狸親爺はきっと機会をうかがってまた表舞台に出てくるんだろうなとは思いますが。

鬼島が面倒を見ている姉の子ども達。最後にずっと頑なだった娘が鬼島を「お父さん」と呼んで笑ってくれた場面ではうっかり涙腺緩んでしまいました。
くそう、あんな陳腐なお涙頂戴の場面でそれに乗っちまったぜ!!


あと、このドラマは3社のコラボCMが流れてたのとEDにスピンオフミニドラマが流れてたので放送時間中ずっと楽しめました。
面白かったです。
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