今日も曇り空の奈良、最低気温の13.1℃から午後には21.6℃まで上がる。
雲が厚く、薄曇りで湿度がやや高く、蒸し暑ささえ覚えるほどだ。

NHKラジオ深夜便・今日の誕生日の花はバラ科の『バラ・薔薇』

花言葉は『愛』、「美」

今日は『透谷忌』、
明治の詩人、評論家の『北村 透谷(とうこく)』1894年の忌日、25歳で縊死す。
「北村 透谷」は、政治家を目指して東京専門学校(早稲田大学)政治学科に
入学後、自由民権運動に加わり退学。
1年余りにわたる積極的な活動ののち、運動のあり方に疑問を感じて離脱、
小説家を志す。
明治21年(1888)に結婚後、長詩『楚囚之詩(そしゅうのし)』、劇詩『蓬莱曲』を
発表。明治26年(1893)には島崎藤村らと雑誌『文学界』を創刊する。
『内部生命論』などの評論を書き、浪漫主義運動を先駆るも、翌年自殺。
透谷の1892年2月『女學雑誌』の「厭世詩家と女性」、有名な書き出しは
『戀愛は人世の秘鑰(ひやく)なり、戀愛ありて後人世あり、
戀愛を抽き去りたらむには人生何の色味かあらむ』
*秘鑰とは、秘密を解く鍵
18歳で、許婚者の石坂ミナに魅かれ、ラブレター史に残る文章、自分を評し
暗く燃えるような文章の激烈さ、19歳で結婚するのですが・・・
「我親愛なる石坂嬢よ、斯くまで苦るしき生が心根を察して玉へ、
若し友の情あらば」
「石坂ミナ宛書簡1887年8月18日」
透谷は何色のバラなのでしょうか。
やはり「赤い薔薇」それも深紅の薔薇になるのかも。
その花言葉は「あなたを愛してます」「愛情」「美」「情熱」「熱烈な恋」

明治から大正の歌人『北原白秋』は、紅き薔薇としるし次のように読む。
「桐の花」16の夜会のあとで
『かくまでも 心のこるは なにならむ 紅き薔薇(そうび)か 酒か そなたか』
『かくまでも 心のこるは なにならむ 紅き薔薇(そうび)か 酒か そなたか』
さらに「白南風」では「うばら」と
『わが庭の薔薇(うばら)のとぼそ春過ぎて くれなゐ久し夏はくるしき』
『わが庭の薔薇(うばら)のとぼそ春過ぎて くれなゐ久し夏はくるしき』
漢名『薔薇』・・・その読みは「ふりがな文庫」によれば
ばら 81.3%、さうび 7.6%、そうび 2.4% 、うばら 1.7%、
しょうび 1.4%、ローズ 1.4% 、いばら 1.0%
しやうび 1.0%、バラ 1.0%、しようび 0.3% などと
ばら 81.3%、さうび 7.6%、そうび 2.4% 、うばら 1.7%、
しょうび 1.4%、ローズ 1.4% 、いばら 1.0%
しやうび 1.0%、バラ 1.0%、しようび 0.3% などと
古くは次のように読まれていたようだ。
延喜18年(918)『本草和名(ほんぞうわみょう)』に『しょうび』『うばら』
「営実 一名薔薇(しょうび) 和名宇波良乃実(うばらのみ)」と
「営実 一名薔薇(しょうび) 和名宇波良乃実(うばらのみ)」と
万葉集『うまら』として、巻二十 4352 丈部鳥(はせつかべのとり)
『道の辺の うまらの末(うれ)に 這(は)ほ豆の
からまる君を はなれか行かむ』
からまる君を はなれか行かむ』
平安時代、古今和歌集では『さうび』 436 紀貫之
『我はけさ うひにぞ見つる花の色を
あだなるものと いふべかりけり』
「今朝 初 (うひ) に」に「さうび」の名を隠した物名歌です。
皆様、どう読まれますか?