叱られて

2006-12-22 12:14:07 | お手紙
しゃけへ

褒められた思い出と同時に
怒られたこともたくさん思い出した
今も苦い

ユネス先生
みちこ先生
シャロン先生
大山先生
慎子先生
中山先生
菅原先生
もちろん父、母

みな真摯に叱ってくれた
したことの恥ずかしさに泣いた
叱られる不当さにいかった
反省した
くやしがった

間違っていることは間違っている
悪いことは悪い
反省しなさい反省します

そうして私は善悪を正しく学び、
叱られる気持ちを知っており、
だからこそ
褒められる幸福を手にできるんだな

今わたしの周りで
叱ってくれ褒めてくれる大人がいない
大人になるってこういうことだったのか

わたしはまだ叱られたい褒められたいと
どこかで願っている


ししゃも

褒められて

2006-12-17 21:53:38 | お手紙
ししゃもさんへ


いつもここに来て
頭のどこかで思っているのは
褒められたことかもしれない。


小学生のとき
「本を読んで感動した場面を描く」
という課題が出たとき
君は「赤毛のアン」の
アンが乗ったボートを川に浮かべて
ダイアナたちと遊んでいるシーンを描いたね。

私は「ピーターパン」の
ピーターパンがウェンディたちを連れて
ロンドンの街の空を飛んでいるシーンを描いた。

私たちの絵はずいぶんと褒められて
作品展に出品しない?
と先生に言われたけれど
出品したら作品が戻ってこないというので
お気に入りの絵を手放せなくて
結局二人とも断った。


中学生のとき
「読書感想文」か「創作文」
を書いてくるという夏休みの課題が出て
私たちは迷わず「創作文」を選んだ。
君は書いた物語を読ませてくれて
主人公の名前は忘れてしまったけど
読んだ後にカタン、と心が動く音がしたのを覚えている。

隣のクラスの君の創作文を
私のクラスで先生は褒めていた。
私の斜め前の席だった君のボーイフレンドが
得意そうにしているので
クラスのみんなが彼に注目して
なぜか私まで恥ずかしく、誇らしい気分になった。


今でもよく覚えている
描いた絵や文が気に入って
それを先生が褒めてくれたこと
とても誇らしく嬉しい気分だったこと

私たちが今でも何かを作り続けているのは
あの時褒めてくれる人がいたからに違いない。


鮭より

マイン川のほとり

2006-12-06 22:08:39 | 写真と言葉
木のアーチをくぐるとき
葉の隙間から躍り出た光は
小さなスポットライトのように
あちこちを金色に照らす

―モグラは光を見ると死ぬ?―




来たときよりも
重くなった荷物をかかえた旅人は
動物のように
岸辺で喉を潤し空を仰ぐ

―鳥は歌を忘れたらどうするの?―




いつまでもかかとが磨り減らない靴を履いた
分かり合うことを知らない人が
ベンチの隣に座っている

―魚は目を閉じて眠る?―




世界の破片を吸い込んで
喜びに変える人たちの笑い声が
コップの水を溢れさせている

―花畑のミツバチはどんな気持ち?―




 言葉と写真;鮭