君が旅に出かけた日の夜
嵐が来ました
風がびゅうと吹き
雨が窓ガラスにぱつぱつと当たりました
私は小説を読みながみ
鼻がツーンとしたりふふと笑ったりしながら
頭の半分で
嵐の音を聞いていました
嵐の夜が大好きなんだ
って何度も君に言ったっけ
ベッドで背中ごしに言ったっけ
言うたびに君は、うん、といい
覚えているのだか覚えていないのだか
わからない返事をしたね
小説の中では同じ年の女の子が
忘れられない恋から抜け出しかかっていました
季節の変わり目なのです
今夜の嵐は
春になるための嵐なのです
(ししゃも)
嵐が来ました
風がびゅうと吹き
雨が窓ガラスにぱつぱつと当たりました
私は小説を読みながみ
鼻がツーンとしたりふふと笑ったりしながら
頭の半分で
嵐の音を聞いていました
嵐の夜が大好きなんだ
って何度も君に言ったっけ
ベッドで背中ごしに言ったっけ
言うたびに君は、うん、といい
覚えているのだか覚えていないのだか
わからない返事をしたね
小説の中では同じ年の女の子が
忘れられない恋から抜け出しかかっていました
季節の変わり目なのです
今夜の嵐は
春になるための嵐なのです
(ししゃも)