君は今日もそこにいる

2007-02-22 22:06:24 | お手紙
ししゃもさん


ニールヤングのAFTER THE GOLD RUSHが東京に行ったときの音楽だってことは
私だけにとってのことかな たぶんそうだよね 君は東京に住んでるもんね

夜行バスで眠れずにヘッドフォンで彼の声に耳をすませながら
夜明け前の薄い紺色をした首都高の眺めを見る 
視界に入りきらないピカピカの高層ビルが 無表情にびゅんびゅん過ぎる
窓ガラスに自分の顔が映っている
私は映画の主人公になっていて BGMがニールヤングというわけ

朝焼けの赤 山茶花の匂い

夜行バスにはもう乗るまいと思う 毎度のことだけど

ニールヤングと東京が確固として結びついているのは
“haze of the sun”が 中央線から眺める弱々しい光だからか
“thinking about what a friend had said i was hoping it was a lie”が君のことだからか
いや たぶん いつか決定され もう「そうである」というだけのこと

沢山人がいるのに 人間は1人もいない
私は心のスイッチをoffにしてしまう
吉祥寺を過ぎたあたりから 君の気配がしてくる
だんだんほっとしてくる
東小金井について 迎えに来てくれた君を見つけると
やっと心のスイッチはonになる
実は会うまでは少し不安になっている
君が私の知っている君じゃなくなってたらどうしようって
でも会って3秒で不安は解消される

たらとカリフラワーのクリームスープ
角切りのサツマイモが入ったご飯
やっとあったかい食事にありつけた気分だった

どうしてなんだろう
嫌いじゃないんだけど こんな気分
あらゆる感覚のスイッチが自動的にoffになってしまって
受け入れられるのは 
ニールヤングの声 君が作った御飯 信じられるものたちだけ

東京ってすごくふしぎなところだね




夢の虹

2007-02-05 23:55:28 | お手紙

ししゃもさん


今朝
美しい夢をみました

たぶん季節は初夏

ざわついたカフェから外に出ると
虹が完璧なアーチを描いていた
ぴしゃぴしゃと雨が肌を打った

興奮気味で
私はバックの中のカメラを探った
愛機のポラロイドカメラで虹を撮ると
写真のフレームがアーチ型になって出てきた

そこはスケート場になっていて
そこからも虹を見た
二重の虹だった
写真を撮りたくてうずうずした

何度も何度も虹が現れて
人と人との隙間からそれを見た

信じられないことが起きた
虹の端がリボンのように
ひらひらとなびいた
素敵!
と思った

私は寝ながら笑っていたかもしれません


夢の中では何も不思議と思わない
ただただ
美しいと思い
写真に収めたいと思った

そんな夢を見ました




ある日の散歩

2007-02-01 13:35:45 | 写真と言葉
くしゃくしゃみしみし。
冬の乾いた枯れ草を踏む音。
ごそごそ。
バッグの中からイヤホンを取り出して音楽を聴く。
音の色や線が目の前を飾りだす。
枯れ色の風景が音楽と重なり合った。

>
かさかさ。
あじさいのも花を残したまま枯れ咲いて、
冬の空を映した水面がゆれる。
ふぃーふぃー。
頬を乾いた風がなでていく。



さて、日が暮れる前におうちに帰ろうか。
いつの間にか音楽が一周していた。



(言葉:ししゃも 写真:鮭)