褒められて

2006-12-17 21:53:38 | お手紙
ししゃもさんへ


いつもここに来て
頭のどこかで思っているのは
褒められたことかもしれない。


小学生のとき
「本を読んで感動した場面を描く」
という課題が出たとき
君は「赤毛のアン」の
アンが乗ったボートを川に浮かべて
ダイアナたちと遊んでいるシーンを描いたね。

私は「ピーターパン」の
ピーターパンがウェンディたちを連れて
ロンドンの街の空を飛んでいるシーンを描いた。

私たちの絵はずいぶんと褒められて
作品展に出品しない?
と先生に言われたけれど
出品したら作品が戻ってこないというので
お気に入りの絵を手放せなくて
結局二人とも断った。


中学生のとき
「読書感想文」か「創作文」
を書いてくるという夏休みの課題が出て
私たちは迷わず「創作文」を選んだ。
君は書いた物語を読ませてくれて
主人公の名前は忘れてしまったけど
読んだ後にカタン、と心が動く音がしたのを覚えている。

隣のクラスの君の創作文を
私のクラスで先生は褒めていた。
私の斜め前の席だった君のボーイフレンドが
得意そうにしているので
クラスのみんなが彼に注目して
なぜか私まで恥ずかしく、誇らしい気分になった。


今でもよく覚えている
描いた絵や文が気に入って
それを先生が褒めてくれたこと
とても誇らしく嬉しい気分だったこと

私たちが今でも何かを作り続けているのは
あの時褒めてくれる人がいたからに違いない。


鮭より