イブラシル歴691年02月
こうして記録をつけるのは随分と久しぶりだ。
今、オレ達はバルバシアの城を離れて「白眼の塔」と呼ばれているアヤシ気な塔の
3階に待機している。 城から一番近くにある曰くありげな場所なんだが、ここの
最上階には竜が住んでいると聞いた。
そして、そいつを討伐する為の力を蓄える為に今は3階で戦って鍛練を積んでいる
という訳だ。
特に鍛練に熱心なのはウーお嬢とニコ爺の2人。
今まで使っていた罠がこの竜相手には全く効果がないらしいのだ。
「聞いた話。全て竜は飛んでるから普通の設置罠は通用しないって。」
ウーお嬢は何やら困った様子でポソっと一言そう言っていた。
後は竜の弱点が「火」であるらしいと言う事。アルトがツテを辿って武器職人に
新たな武器作成の依頼をしなくちゃならない とぼやいていた。
調達するのがリーゼとオレの2人分なので、色々と大変そうだ。
さて、ここで今までにあった事を簡潔に書き記しておこう。
一度皇帝に負けたオレ達は、暫し鍛練を積んで力をつけた後にもう一度皇帝に闘いを
挑んだ。 そして、皆で力を合わせて魔導師と皇帝をようやく倒す事が出来たのだ。
ただ・・・皇帝が倒れた時に誰か知らぬ者の声が聞こえた事が気になる。
声が消えると同時に一瞬で消え失せた影の事も…。
闘いはその後2度続いた。城を守る兵隊どもが相手だ。
コイツ等を何とかしなければ城から出る事は出来ない。皇帝との闘いの後、皆消耗
しきっていたが城を出る為には戦わなければならなかった。
リーゼもニコ爺も初戦では相手に押されて倒れてしまった。 が、一番割を食って
大変な目にあったのはアルトの奴だった。
皇帝戦で倒れてしまったアルトの消耗はかなり激しく、アルトはこの闘いで2度共
意識を失ってしまったのだ。
城を出て、誰もいない城下町の一角を拠点として休息をとる。
皆が満身創痍で、癒し手のリリ姐さんは大忙しだった。 体力バカのオレは他の
面子よりはダメージも少なく済んだとはいえ、癒しについては何一つ知識がない為
何一つ手助けする事は出来なくて・・・それが本当に申し訳なかった。
何よりも、いつも陽気で強気なリリ姐さんが涙を見せた事。
皆のいる場所ではいつものように振るまっていたが、アルトの看病をしている時に
一瞬見せたその表情をオレは忘れる事が出来ない。
後はリーゼの奴が、何だか急に逞しくなってしまったみたいで少々戸惑っている。
まだ子供だと思っていたのに、いつの間にか強気と言うか何と言うか…
もう少し周りの目を気にしてくれりゃいいんだが、あまり気にせず気がつくとオレ
の側にいて・・・いきなり頭を抱きしめられた時はどうしたものかと
(その後書かれた文章は黒く塗りつぶされている)
とにかく、色々とあったが何とか今日も無事に過ごす事が出来ている。
塔の上にいる竜とやらを倒す事がオレ達の目標だが、それも鍛練を積む事で何とか
なるだろう。
この塔での目的を終えたら、街に入ってゆっくりしたいものだ。
ああ リーゼの奴に指輪を買ってやらなくちゃなるまい。
ああいう事言われちゃなぁ・・・放っておく訳にはいかないだろう。
あんまりその手の事は詳しくないので、どういった品を贈ればいいのか悩むトコロ
だが、誰かに相談出来るような事でもねぇしなぁ。
西方の冠婚葬祭の決まり事についてはオレもまだ良く分かってない。
………塔での闘いもだが、こっちの方も色々と悩ましすぎる。
困ったものだ。
こうして記録をつけるのは随分と久しぶりだ。
今、オレ達はバルバシアの城を離れて「白眼の塔」と呼ばれているアヤシ気な塔の
3階に待機している。 城から一番近くにある曰くありげな場所なんだが、ここの
最上階には竜が住んでいると聞いた。
そして、そいつを討伐する為の力を蓄える為に今は3階で戦って鍛練を積んでいる
という訳だ。
特に鍛練に熱心なのはウーお嬢とニコ爺の2人。
今まで使っていた罠がこの竜相手には全く効果がないらしいのだ。
「聞いた話。全て竜は飛んでるから普通の設置罠は通用しないって。」
ウーお嬢は何やら困った様子でポソっと一言そう言っていた。
後は竜の弱点が「火」であるらしいと言う事。アルトがツテを辿って武器職人に
新たな武器作成の依頼をしなくちゃならない とぼやいていた。
調達するのがリーゼとオレの2人分なので、色々と大変そうだ。
さて、ここで今までにあった事を簡潔に書き記しておこう。
一度皇帝に負けたオレ達は、暫し鍛練を積んで力をつけた後にもう一度皇帝に闘いを
挑んだ。 そして、皆で力を合わせて魔導師と皇帝をようやく倒す事が出来たのだ。
ただ・・・皇帝が倒れた時に誰か知らぬ者の声が聞こえた事が気になる。
声が消えると同時に一瞬で消え失せた影の事も…。
闘いはその後2度続いた。城を守る兵隊どもが相手だ。
コイツ等を何とかしなければ城から出る事は出来ない。皇帝との闘いの後、皆消耗
しきっていたが城を出る為には戦わなければならなかった。
リーゼもニコ爺も初戦では相手に押されて倒れてしまった。 が、一番割を食って
大変な目にあったのはアルトの奴だった。
皇帝戦で倒れてしまったアルトの消耗はかなり激しく、アルトはこの闘いで2度共
意識を失ってしまったのだ。
城を出て、誰もいない城下町の一角を拠点として休息をとる。
皆が満身創痍で、癒し手のリリ姐さんは大忙しだった。 体力バカのオレは他の
面子よりはダメージも少なく済んだとはいえ、癒しについては何一つ知識がない為
何一つ手助けする事は出来なくて・・・それが本当に申し訳なかった。
何よりも、いつも陽気で強気なリリ姐さんが涙を見せた事。
皆のいる場所ではいつものように振るまっていたが、アルトの看病をしている時に
一瞬見せたその表情をオレは忘れる事が出来ない。
後はリーゼの奴が、何だか急に逞しくなってしまったみたいで少々戸惑っている。
まだ子供だと思っていたのに、いつの間にか強気と言うか何と言うか…
もう少し周りの目を気にしてくれりゃいいんだが、あまり気にせず気がつくとオレ
の側にいて・・・いきなり頭を抱きしめられた時はどうしたものかと
(その後書かれた文章は黒く塗りつぶされている)
とにかく、色々とあったが何とか今日も無事に過ごす事が出来ている。
塔の上にいる竜とやらを倒す事がオレ達の目標だが、それも鍛練を積む事で何とか
なるだろう。
この塔での目的を終えたら、街に入ってゆっくりしたいものだ。
ああ リーゼの奴に指輪を買ってやらなくちゃなるまい。
ああいう事言われちゃなぁ・・・放っておく訳にはいかないだろう。
あんまりその手の事は詳しくないので、どういった品を贈ればいいのか悩むトコロ
だが、誰かに相談出来るような事でもねぇしなぁ。
西方の冠婚葬祭の決まり事についてはオレもまだ良く分かってない。
………塔での闘いもだが、こっちの方も色々と悩ましすぎる。
困ったものだ。