イブラシル歴688年06月
天に向かって大きく振り上げられた剣が、オレに向かって勢いよく振り下ろされた。
鈍い音がして足に痛みが走る。
振り下ろされた剣は身体には当たらなかったがオレの左足に当たり、足の骨を見事に
砕いてしまった。
足の骨を折り、バランスを崩した所にもう一体のデスが剣を振り上げ…
その剣が振り下ろされた時、オレの視界は真っ赤になってそのまま意識を失った。
ここは第一砦から北上した所にある「ヴァルグ渓谷」
バルバシアの首都の間近にある自然が創り出した要塞。足場も随分と悪い上に狭い。
第一砦から先に進む頃合いだろうと皆で話し合い、先に進んだものの・・・
ここにいる連中は厄介な技を使う者達ばかりだ。
気がつくとリーゼが側にいて、リリ姐さんが簡単な治癒術を使ってオレの身体を癒して
くれていた。足と頭に傷が出来ているが動けない訳ではない。
それにゆっくりと休んではいられない、新手の敵が迫って来ていた。
オレは慌てて流星を引っ掴み敵の方へと向かう。
第2戦ではリリ姐さんがギリギリの所で癒しの術を使ってくれたおかげで、倒れる事も
なく終える事が出来た。
ここでの敵は第一砦の連中よりもタチの悪い連中のようだ。毒だの吸血だの…。
何よりもオレが昏倒しちまった「アルティメットスラッシュ」とかいうあの技。
あれを2連発で喰らっちゃ立っている事も出来ねぇ。
ディフェンシブで防御力を上げているとは言え、そろそろこのスケイルアーマーでは
辛くなって来ているのかもしれない。良い防具を付ければ魔法防御が下がる事もあり、
ずっとこのスケイルアーマーを使っていたが…。防具の良い職人がいれば1つ鎧を
作ってもらいたいものだ。
夜になって一休みしようかという時にリーゼがやってきて、オレに袋を差し出した。
中にはオレが倒れた時に敵に毟られたバルディッシュとリングと石。
・・・わざわざ回収していてくれたようだ。
オレの頭と足の傷が気になるらしく、リーゼはオレの側に座り色々と世話を焼き始める。
喉は乾いてないか? 傷は痛まないか? リリ姐さんが処方したであろう薬湯まで持って
きたぐらいだ。
そして、そんな事をオレに聞きながら、ふとこんな質問をオレに投げかけた。
「故郷… そういえばシュラさんの故郷とか、
昔のシュラさんってどんな様子だったんですか?」
突然のそんな質問にオレは少し驚きつつ、くりくりした瞳でオレをじっと見つめている
この少女がオレに向けている気持ちが少し嬉しかった。
あの時から、リーゼはオレを理解しようとしてくれている。そして何よりも今大切に
思ってくれているのだ。
ちょっと返答に困ったが、少しずつ話してやろうと思う。
遠い遠い東の果てにある、オレの生まれ故郷の話を・・・。
飲んだ薬湯が効いて来たのか、瞼が重くなってきた。
ウトウトと眠りに落ちながら…
リーゼがオレの隣で肩に寄っかかったような温もりを感じる。
人が隣に寄り添うというのは……暖かくて…いいものだ。
遠くでアルトとリリ姐さんの声が聞こえた。
…ったく………誰がアツアツだ。そんなんじゃ・・・ねぇ…よ。
(そのまま意識を失ってしまったようだ)
天に向かって大きく振り上げられた剣が、オレに向かって勢いよく振り下ろされた。
鈍い音がして足に痛みが走る。
振り下ろされた剣は身体には当たらなかったがオレの左足に当たり、足の骨を見事に
砕いてしまった。
足の骨を折り、バランスを崩した所にもう一体のデスが剣を振り上げ…
その剣が振り下ろされた時、オレの視界は真っ赤になってそのまま意識を失った。
ここは第一砦から北上した所にある「ヴァルグ渓谷」
バルバシアの首都の間近にある自然が創り出した要塞。足場も随分と悪い上に狭い。
第一砦から先に進む頃合いだろうと皆で話し合い、先に進んだものの・・・
ここにいる連中は厄介な技を使う者達ばかりだ。
気がつくとリーゼが側にいて、リリ姐さんが簡単な治癒術を使ってオレの身体を癒して
くれていた。足と頭に傷が出来ているが動けない訳ではない。
それにゆっくりと休んではいられない、新手の敵が迫って来ていた。
オレは慌てて流星を引っ掴み敵の方へと向かう。
第2戦ではリリ姐さんがギリギリの所で癒しの術を使ってくれたおかげで、倒れる事も
なく終える事が出来た。
ここでの敵は第一砦の連中よりもタチの悪い連中のようだ。毒だの吸血だの…。
何よりもオレが昏倒しちまった「アルティメットスラッシュ」とかいうあの技。
あれを2連発で喰らっちゃ立っている事も出来ねぇ。
ディフェンシブで防御力を上げているとは言え、そろそろこのスケイルアーマーでは
辛くなって来ているのかもしれない。良い防具を付ければ魔法防御が下がる事もあり、
ずっとこのスケイルアーマーを使っていたが…。防具の良い職人がいれば1つ鎧を
作ってもらいたいものだ。
夜になって一休みしようかという時にリーゼがやってきて、オレに袋を差し出した。
中にはオレが倒れた時に敵に毟られたバルディッシュとリングと石。
・・・わざわざ回収していてくれたようだ。
オレの頭と足の傷が気になるらしく、リーゼはオレの側に座り色々と世話を焼き始める。
喉は乾いてないか? 傷は痛まないか? リリ姐さんが処方したであろう薬湯まで持って
きたぐらいだ。
そして、そんな事をオレに聞きながら、ふとこんな質問をオレに投げかけた。
「故郷… そういえばシュラさんの故郷とか、
昔のシュラさんってどんな様子だったんですか?」
突然のそんな質問にオレは少し驚きつつ、くりくりした瞳でオレをじっと見つめている
この少女がオレに向けている気持ちが少し嬉しかった。
あの時から、リーゼはオレを理解しようとしてくれている。そして何よりも今大切に
思ってくれているのだ。
ちょっと返答に困ったが、少しずつ話してやろうと思う。
遠い遠い東の果てにある、オレの生まれ故郷の話を・・・。
飲んだ薬湯が効いて来たのか、瞼が重くなってきた。
ウトウトと眠りに落ちながら…
リーゼがオレの隣で肩に寄っかかったような温もりを感じる。
人が隣に寄り添うというのは……暖かくて…いいものだ。
遠くでアルトとリリ姐さんの声が聞こえた。
…ったく………誰がアツアツだ。そんなんじゃ・・・ねぇ…よ。
(そのまま意識を失ってしまったようだ)