花うつし
地下鉄の階段 昇れば
咲きはじめる 傘の彩
茜 二藍 水浅葱
きみがいない 朝の雨
ぼくらは涙を隠します
濡れた肩 拭きながら
しぼんでいく 傘の彩
緋色 木蘭 黄橡
きみがいない この街も
もう直ぐ夏を迎えます
夕立が降る頃に
見えるかな 傘の花
令法 向日葵 半化粧
きみの生まれた月の花
もう直ぐ夏を迎えます
花うつし
地下鉄の階段 昇れば
咲きはじめる 傘の彩
茜 二藍 水浅葱
きみがいない 朝の雨
ぼくらは涙を隠します
濡れた肩 拭きながら
しぼんでいく 傘の彩
緋色 木蘭 黄橡
きみがいない この街も
もう直ぐ夏を迎えます
夕立が降る頃に
見えるかな 傘の花
令法 向日葵 半化粧
きみの生まれた月の花
もう直ぐ夏を迎えます
母の夢を見ました
それは生前の姿ではなく、亡くなった後の母の夢
夢の中で何かを伝えようとする母の言葉を漏らさないように耳を傾けるのですが何も聞こえません
優しい眼で私を見ながら小さく唇を動かずばかり
私はそれでも嬉しくて母が言わんとしていることに泣きながら頷いていました
そして声が聞こえた気がした時に目が覚めてしまいました
夢で泣いていた私は実際に涙を流していました
自分の年齢を鑑みると周りでは既に多くの知人友人が親を亡くしていて、それが当たり前のように思っていましたが、実際、自分の親を亡くしてみると心がうっすらと窪んでしまった気がします
うまく言えませんが、それは暗い深い穴ではなくて浅く広い窪みのようなもので、風も吹いてくるし光も届き、雨も溜まるくぼみ
そこには母との思い出が横たわっていて、ふとした時にそれを想い出して両掌で掬い上げることが出来るのだけれど、同じ量だけ後悔や哀しみも埋まっている
子供を持ってみて思うことは産むより育てることは難しい・・・
そしてそれより難しいのはじっと見守ること・・・
私の身体の半分は母の血肉で出来ていることを今ままで大きく意識したことはありませんでした
血肉を分け、愛情を注ぎ、じっと見守り続けてくれた母を思うとき、たくさんの後悔が心につのるばかり
夢の中で母は逝ってもなお私を心配していて
「死にたくなるほど一生懸命仕事したらだめだよ。」
「家族と自分の身体を大切にするんだよ。」
「交通事故や通勤は気をつけてね。」
ってくれてたに違いありません。
また夢に出てきてね・・・