9月4日は「鯨(くじら)の日」です。
万葉集には、鯨(くじら)を詠んだ歌があります。
今日は、生き物を詠んだ 鯨(くじら) の歌です。
万葉の時代は、「鯨魚(いさな)」と呼ばれています。
万葉集/巻17-3893 作者/不明
昨日(きのう)こそ 船出(ふなで)はせしか いさなとり
比治奇(ひじき)の灘(なだ)を 今日見つるかも
【意味】昨日港を出たばかりだと 思っていたのにもう今日は
比治奇の灘を見てしまったよ 月日の経つのは速いなあ
※枕詞:いさなとり
※「船出はせしか」〈せ〉サ変動詞・未然形。〈しか〉過去、
〈こそ〉の結びの已然形中止法。逆接。
※「比治奇の灘」〈響(ひびき)の灘〉という地名が福岡県北九州市北方
と兵庫県高砂市南方にあります。 どちらか不明
※この歌は、大伴旅人(おおとものたびと)が大納言に任命されて
太宰府から京に行く際に、従者の一人が詠んだ歌です。
万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。
※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用
「くじらの日」の由来は、「く(9)じ(4)ら」の語呂合わせで、1993年に京都で開催された国際捕鯨委員会(IWC)を記念して、日本捕鯨協会を始め、大日本水産会などの25団体が制定。