七夕(たなばた・しちせき)とは、季節の節目(節句)に行われる年中行事のことです。7月7日の夜に、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が天の川を渡って1年に1回だけ出会えるという伝説にちなみ、日本各地でさまざまな行事やお祭りが行われています。万葉集には130首を越える七夕(たなばた)に関連する歌があります。
今日は、万葉集で 七夕(たなばた) に関する歌に触れてみましょう。
万葉集/巻8-1518 作者/山上憶良(やまのうえのおくら)
天(あま)の川(がわ) 相向き立ちて 我(あ)が恋ひし
君来ますなり 紐(ひも)解き設(ま)けな
【意味】天の川に向かい立ち 私が焦がれていた人の
舟でいらした音がする 紐をほどいて待ちましょう
※「来ますなり」〈ます〉尊敬。舟を漕ぐ楫の音が聞こえる、
おいでになったようだ。
※「紐」着物の紐。
※織女の心を歌う。
万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。
※写真は、著作権フリーの画像を使用