巡りの星 38
着信を告げる、スマートフォン。画面には「三芳ひかる」の名前。 存在が消えてしまっ...
巡りの星 39
私は電話の向こうのヒカルに思わず聞き返した。 「・・・助っ人って、一体だれ?」 ...
巡りの星 40
この不思議を通り越したクッキーとの感動の再会に、私がひとしきりの懐かしさと喜びを噛みしめている様子を、突然現れた小さな女の子は飽きもせずに眺めながら、相変わらずコロコロとよく笑っ...
巡りの星 41
玄関の扉を出ると既にそこに女の子とクッキーの姿は見えない。下の方からはしゃぐ声。 い...
巡りの星 42
クッキーに先導され、マンションに外の通りを歩きはじめながら、改めてリンと名乗る女の子の姿を見た。...
巡りの星 43
道路には大きな地割れ。いつもは自動運転で渋滞もなく走る車の列は、断裂した道路にどうしようも無く立ち往生している。 交通整理まで警察も手が回らない状態なのだろう。諦めて車を放置...
巡りの星 44
リンのお父さん。 つまり、私の会社の上司である橋爪部長に会いに行こうと言った私に顔を向けて、リンはしばらく固まっていた。 「...
巡りの星45
お父さんに会える歓びに飛び跳ねていたリンは、不意にクルリと身体をこちらに向けて片手を...
巡りの星 46
眼下に見える街並と行き交う人々を呆然と眺めながら、私は自分が息を押し殺すように呼吸...
巡りの星47
空中でも自在に動ける様子のリンは、私とクッキーをひっぱるようにして、ひとけの無いマン...