巡りの星 88 2020-11-08 11:05:01 | ものがたり 森の中の草を踏み分け、木々の間を進んでいく程に、周りの空気はひんやりと冷たさを増していくようだった。 先程から降り始めた雨のしずくが、頭上の木の葉を揺らし、時折その間をすり抜けた雨粒が私の皮膚にあたる。 外から見るよりも、森の木々は大きく感じられる。上を見上げると高くそびえる木々の枝葉の先に、ようやっと空が少し垣間見えた。 自分の靴が草や枝を踏みつける音を聞きながら、その足が赴くままに歩 . . . 本文を読む