サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

情報通信と環境

2008年03月23日 | 環境と情報
1.環境と情報通信との関係

1)効率化と代替

 情報通信は、「効率化」と「代替」の2つの側面で、地域及び地球環境に貢献することが期待される。

 「効率化」による効果とは、人流、物流、生産、生活等を効率化することで、活動量当たりの環境負荷を削減する効果である。例えば、ITにより自動車交通が円滑化すれば、自動車の燃料消費量及び二酸化炭素排出量が削減される。

 「代替」とは、人流や物流の情報流への代替、あるいは情報による脱物質化である。例えば、テレビ会議は、出張による移動を代替させ、移動に伴い環境負荷を削減させる。また、ICカードによるチケットレス等は、紙消費及びそれに伴う環境負荷を減少させる。

2)負の影響・リバウンド効果

 情報通信による環境への負の影響も指摘されている。PCの製造・使用、あるいは情報通信インフラの整備・運用において、エネルギーが消費される。

 また、情報通信による環境への貢献を打ち消す「リバウンド効果」が指摘されている。これは、情報通信の効率化によって生じた時間を、別の環境負荷の大きな活動に割り当てた場合の相殺のことをいう。

 例えば、テレワークにより、通勤時間が縮減されたとしても、通勤時間分を自動車での買物にあてれば、通勤移動によるエネルギー消費の削減分を、買物移動によるエネルギー消費の増大が打ち消すこととなる。

 こうした負の側面を考慮し、国やIT企業により、LCAを用いた環境影響の評価が行われている。情報通信による環境負荷削減効果は、一定程度期待できるという報告がなされている。


2.情報通信産業における環境への取り組み

 PC製造メーカー、電気通信事業者等は、ICTのアプリケーションによる二酸化炭素の排出削減効果を試算し、それを環境・CSR報告書等に掲載し、ICTによる環境貢献をアピールしている。

 また、新しい動きとしては、環境保全活動を支援するICT利用が検討されている。例えば、次のようなシステムの実証実験や導入が進んでいる。

・電子タグを利用した製品のライフサイクル管理

・センサーを利用した環境監視(ごみの不法投棄監視等)

・エコドライブのナビゲーションシステム

・セマンティックWEBを利用した環境情報の提供

・家庭内のエネルギー消費の自動制御とナビゲーション(HEMS)
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