サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

ミツバチ地元学(ハニーウォーク)で感じたこと

2010年07月04日 | 生物多様性・自然保全
朝田さんに誘っていただき、NPOみつばち百花の観察会(ハニーウォーク、私は朝田さんがやっているからミツバチ地元学と言いたい)に参加した。国分寺南口のカフェスローに集合。国分寺崖線下のお鷹の道を歩き、武蔵国分寺薬師堂、国分寺公園へと歩きながら、玉川大学の佐々木先生が、植物とミツバチに関する解説をしてくれた。

いくつかの新鮮な驚きがあった。

1つは、佐々木先生が本当にミツバチや植物が好きで、楽しんでいたこと。名刺交換をしたとき、「自然が好きで、それをずってやっている」と言っておられた。私も、「自然は好きだから、今の仕事をしています」と返したが、先生の解説をずっと聞いていて、なんだか恥ずかしくなった。自然が好きな人が好きな話を語る様が素敵だった。

2つめ。ミツバチは「社会の胃(ソーシャル・スタマック)」を持っているという話。集めた蜜を自分で食べずに、巣に持ち帰るための胃袋のことだ。集団の中で、集団のために働くミツバチの存在を象徴する形態だ。その他、ミチバチが好きな花、苦手な花など、ミチバチという生き物は、とても個性的で不思議だ。

3つめ。国分寺公園で、シロツメクサの中に、参加者みんなで小さなミツバチを見つけたときの感覚。カフェスローの店の外に巣をつくるミツバチではないかと誰かが言っていた。小さな生き物を見つけて歓び、それがどこから来たのかを考えるなんて、忘れていた感覚だ。

さて、私がこのNPO活動に参加したのは、地元を活動フィールドにしていることはもちろんだが、「生物多様性と地域づくり」という研修講師用に、事例ネタが欲しかったからだ。自分が作ったストーリーにあわせて、話の素材になるような薀蓄を探してしまったが、少し反省した。

ミチバチという小さな生き物は、人間の居住空間を分かち合っている。そうした身近な生き物に目をやるやさしさ、生物の不思議を感じる感性を取り戻すことが大事だ。研修では、生態系とか、人間環境系とかなんとか、手前勝手につくり込んだ話をせず、シンプルなメッセージを大事にしようと思った。

なお、ミチバチの減少という報告もあるようで、それが果樹の受粉に影響を与えている場合があるという。その原因は、携帯電話の電波とか、農薬だとか、定かではない。ミツバチという生き物に、もっと社会の目を向けてみる必要がありそうだ。



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