サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

ごみ焼却施設と計画停電その後

2011年04月05日 | リスクマネジメント

住んでいる街の焼却施設の見学をさせてもらった。

計画停電で、ごみ焼却施設の稼動率が落ち、ごみの減量化が求めれているからだ。ごみ焼却施設では電気を使っているから計画停電の影響を受けることは当然かも知れないが、実際にどのような状況にあるのか、確かめたかった。

以前にごみ担当をしていたという環境計画課の担当は、流暢な案内をしてくれ、私の質問にも理解しやすい回答をしてくれた。

私の記憶や考察を記録しておく(記述内容の責任は私にある)。

・計画停電が予定されると、予定の1時間以上前から焼却炉の停止作業に入る。同様に焼却炉の立ち上げに時間がかかる。結果的に停電が実施されなくとも、停止作業はしなければならない場合がある。

・現在は24時間稼動の焼却炉の稼動率が低くなっているため、収集したごみの焼却が普段どおりにはいかない。ごみピットでごみがたまると、上からクレーンで下の方と攪拌させ、さらに上の方からクレーンでつまんで、焼却炉に投入する。焼却炉の稼動率が下がるとピットにごみがたまりすぎ、下の方の攪拌ができずに、発酵等が進んでしまう可能性がある。

・なお、焼却炉はバックアップのために2つある。1つを整備する際にもう1つを使うというものである。現在は、2つの炉を同時に使うような運転を行い、限られた時間での焼却容量を高めている。

・停電用に自家発電装置はあるが、停電に急になっても施設を段階的に停止させるためのものであり、焼却を継続するためのものではない。燃焼で発生した空気のダイオキシン対策のために設置されたろ過式集塵機において、誘引あるい押込の送風が必要であり、この送風で最も電気を消費する。

・浄水場等でも電気を使っているが、そちらは自家発電で停電時でも支障がないように稼動している。上水は人間の生命維持のために優先度が高い(ごみ焼却はごみをためて置いても生命の支障までは至らない)。こうした違いとともに、ごみ焼却の方が電力消費量が大きく、自家発電のためにはコストがかかるとも考えられる(根拠曖昧)。

・今後は、より広域での処理体制とし、ゴミ発電を行う施設を整備していくことも考えられる。逆により小さな焼却施設を複数、併用するシステムとすることで、人口減等に伴いごみ焼却量が減少したとしても、あるいは計画停電等のようにごみが一時的に増加したとしても、柔軟に運転できるようにすることも考えられる。

以上。

ところで、焼却施設のまわりは、大型ごみ、容器包装、乾電池、蛍光灯、銅線、剪定枝等をリサイクルするための設備が露店のように配置されていた。リサイクル設備のためのスペースがないためであるが、作業をする人たちと直接に話しをすることでき、環境教育という意味では結果的に面白い場になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

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