■市民主導の市民共同発電事業が中心
上田市は長野市に隣接する人口16万の中核都市である。かつては「蚕都(さんと)」と呼ばれ、蚕糸業が地域のリーディング産業であった。技術的基盤や進取の精神が機械金属工業に受け継がれ、地域経済を牽引してきた。産業集積とも関連して、市内に信州大学繊維学部、長野大学、上田女子短期大学という3つの大学が立地する。
上田市の再生可能エネルギーへの取組みの中 . . . 本文を読む
前回までに、湖南市において、2013年に障がい者の作業場の屋根上(初号機)、地元運送会社の倉庫上(弐号機)に、市民共同発電所が設置されたことを記した。今回は、新たに設置された市民共同発電所(参号機と四号機)や地域電力会社の設立の動きを紹介し、最期に湖南市における取組の全体像をまとめる。
●公共施設に設置された参号機と四号機
十二坊温泉ゆららに設置された参号機16.3kWと、 . . . 本文を読む
環境科学会誌 Vol.30(2017)No.1に、下記の論文が掲載されました。
再生可能エネルギーによる地域社会の構造的再生に関するチェック項目の構築—長野県飯田市・滋賀県湖南市の評価—
大規模な再生可能エネルギー設備の地域への立地が,地域主体との紛争や地域主体と設備間の乖離を招いている。一方,小売電力の完全自由化により再生可能エネルギー . . . 本文を読む
滋賀県湖南市の市民共同発電は、1990年代に設置され、さらに2012年以降に再開された。今回は、2012年以降の市民共同発電における障がい者福祉との接合の仕方や、売電収益の地域商品券による還元へのこだわりを紹介する。
●条例制定と市民共同発電所プロジェクトの始動
2012年以降、湖南市では、「湖南市地域自然エネルギー基本条例」の制定と「コナン市民共同発電所プロジェクト」が動 . . . 本文を読む
今回からは、滋賀県湖南市における地域づくりをとりあげる。湖南市は、事業型市民共同発電の設置、再生可能エネルギー関連条例の制定ともに、日本初で実施した地域である。一方、湖南市は障がい者福祉に力を入れてきた町であり、それと再生可能エネルギー事業が結合してきたという特徴を持つ。障がい者福祉と再生可能エネルギーは、どのように接合し、再生可能エネルギーへの取組みの先進性を生み出してきたのだろうか。
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前回までに、「飯田市再生可能エネルギー導入による持続可能な地域づくりに関する条例」(以下、再エネ条例)によって、事業主体となる地域自治組織が、再エネ条例の制定以前から市民共同発電事業の中核を担ってきた「おひさま進歩エネルギー株式会社」(以下、おひさま会社)と接続し、が新たな動きをみせていることを紹介した。今回は、飯田市の再生可能エネルギーに係る事業主体が多様に活発化している様子を取り上げる。
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前回、飯田市における市民共同発電事業の中核である「おひさま進歩エネルギー株式会社(以下、おひさま会社)」を中心に紹介した。今回は、2013年4月に施行された「飯田市再生可能エネルギー導入による持続可能な地域づくりに関する条例」とそれによって再生可能エネルギー事業の主体であると位置付けられた地域自治組織に焦点をあてる。
●地域が主体となるエネルギー自治を目指す条例
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●再生可能エネルギーの先進地といえば飯田市
飯田市は、人口10万4千人の南信州の中心都市である。この飯田市に、337ヶ所(2014年度末)の太陽光の市民共同発電所が設置されている。気候ネットワークの豊田陽介氏の調査によれば、全国の市民共同発電所は800弱とされることから、飯田市における市民共同発電所の集積度の高さがわかる。
2013年4月には「飯田市再生可能 . . . 本文を読む
【環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、1回目:再生可能エネルギーが地域にもたらしたもの(4月13日号掲載)】
2012年7月に導入された固定価格買取制度(FIT)により、再生可能エネルギーの普及は飛躍的に進んできた。特に、非住宅用の太陽光発電設備の設置が極めて短期間に拡大している。しかし、大規模な太陽光発電所の用地は主に地方部に求められたが、必ずしも . . . 本文を読む
白井信雄(2016)「再生可能エネルギーによる地域社会の構造的再生の理論的枠組みの設定~長野県飯田市の取組みの分析」法政大学サステイナビリティ研究Vol.6、より抜粋
本研究は、再生可能エネルギーの導入によって目指すべき地域社会の変革目標に着目し、その変革目標の理論的枠組みを設定すること、その理論的枠組みの有効性を確認するまでを目的とする。
地域社会の変革目標に着目す . . . 本文を読む