北海道
(住民基本台帳人口、2008年3月31日)
人口密度 66.8人/km²
隣接都道府県 青森県
道の木 エゾマツ、アカエゾマツ
道の花 ハマナス
道の鳥 タンチョウ
北海道の歌 北海道民のうた
道民体操(どさんこ体操)
知事 高橋はるみ
北海道庁
所在地 〒060-8588 北海道
札幌市中央区北3条西6丁目1番地
電話番号 011-231-4111(大代表)
外部リンク 北海道
北海道の旗(中央は道章)北海道(ほっかいどう、ほくかいだう)は日本列島を構成する島の一つ。本州の北に位置する面積77,981.87km²の島で、日本列島四大島の一。島名は律令制における五畿七道の各道に倣って新設された北海道による。
同島は付属島を含め、札幌市を道庁所在地とする北海道庁の管轄下にあり、これもまた「北海道」(ほっかいどう、英語表記:Hokkaido Prefecture)と呼ばれ、今日における日本全国1都1道2府43県中唯一の「道」である。ただし、北方領土はロシアが実効支配をしており、道庁が実質的に管轄出来ていない国土が存在する。
この北海道1道のみで構成される地方が北海道地方であり、日本の総面積の約2割超(22.9%)を占める。
名称
この島の先住民であるアイヌの言葉(アイヌ語)では「アイヌモシリ」(Ainu mosir, 「人間の住む土地」の意)と呼ばれる。日本人(和人)は近代に至るまでアイヌを蝦夷(えぞ)、その土地を蝦夷地(えぞち)もしくは北州、十州島などと呼んでいたが、明治政府は開拓使の設置に伴い名称の変更を検討し、蝦夷地探査やアイヌとの交流を続けていた松浦武四郎は政府に建白書を提出、「北加伊(きたかい)道」「海北道」「海東道」「日高見(ひたかみ)道」「東北道」「千島道」の6案を提示した。結局「北加伊道」を基本として採用し、海北道との折衷案として、また、律令制時代の五畿七道の東海道、南海道、西海道の呼称に倣う形として「北海道」と命名された。なお、松浦は建白書において「北加伊道」案はアイヌが自らを「カイ」と呼んでいる事から考案したと説明しているが、言語学者の金田一京助は、当時のそのような事実を示す証拠は見つかっていないと唱えている。
北海道の道は地方自治法に於いて他の都・府・県と同格の接尾辞とされているが、それを外して単に「北海」と表記・呼称されることは非常に稀である(北海タイムス、北海学園大学など、社名や学校名等の固有名詞に使用される例はある)。これは五畿七道にあやかって命名されたひとまとまりの地域名をそのまま地方公共団体名として転用した特殊性に拠るものといえる。逆に道の方が「道銀(北海道銀行)」「道新(北海道新聞)」等、事実上北海道を指し示す固有名詞として広く普及しているのが現実である。
北海道地図後述の通り、1886年から1947年まで北海道を管轄した地方行政官庁は北海道庁であった。この場合、「北海道」は単なる地域呼称であって、「北海道庁」が「東京府」や「青森県」などと同格の官庁名であり、現在一般に理解されているような単なる庁舎の呼称ではない(樺太と樺太庁の関係に同じ)。1901年に北海道会法および北海道地方費法が公布・施行されて議会を持つ地方自治体となったが、自治体としては「北海道地方費」と呼ばれた。戦後、1946年の第1次地方制度改革で市制・町村制・東京都制とともに府県制が改正されたとき、北海道会法と北海道地方費法が廃止されて府県制に統合された。府県制は道府県制と改称され、改正法律の附則の規定により従来「北海道地方費」と呼ばれていた自治体を「道」と呼ぶこととされた。地方行政官庁としての北海道庁は1947年の地方自治法施行により「北海道庁官制」とともに廃止され、同法に基づく普通地方公共団体としての北海道となった。
地方公共団体としての北海道
地方公共団体としての北海道は、北海道本島の他、利尻島、礼文島、奥尻島、天売島、焼尻島、渡島大島、渡島小島等の属島をその領域に含む。択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島も北海道の領域の一部だが、1945年にソビエト連邦が占領し、現在も同国の後継国家であるロシア連邦の実効支配下に置かれており、現在、日本の施政権が及んでいない(北方領土問題を参照)。
北海道には180の市町村(35市130町15村)、64の郡がある(この他、北方領土に5郡6村がある)。北海道では、森町が「まち」である以外は、町は全て「ちょう」、村は全て「むら」と読む。
地理
北海道(本島)
面積 77,981.87km²
最高標高 2,290m
所属国・地域 日本
表・話・編・歴
2001年5月30日地球観測衛星Terra搭載のMODISセンサにより撮影島としての北海道は、面積77,981.87 km²(日本では本州に次いで2番目、世界では21番目に大きな島)。アイルランド島よりやや小さく、樺太よりやや大きい。南の本州とは津軽海峡で隔てられているが、青函トンネルにより鉄路で繋がれている。北は宗谷海峡を隔てて樺太と向かい合い、東には千島列島が連なり、間接的にではあるがロシアと国境を隔てている。西の日本海、南東の太平洋、北東のオホーツク海と、3つの海に囲まれており、周辺には対馬暖流とその分枝である津軽暖流・宗谷暖流、及び親潮と東樺太海流が流れている。
北海道は大きく分けて胴体部にあたる菱形の部分と、南西の半島部(渡島半島)よりなる。
胴体部は南北に蝦夷山系と呼ばれる山地群が貫き北海道の脊梁を成している。蝦夷山系は南の日高山脈に始まり、東の石狩山地・北見山地と、西の夕張山地・天塩山地に分岐しており、この二列の間には富良野盆地・上川盆地・名寄盆地等の盆地列が形成されている。頓別平野からこの盆地列を通り、鵡川の河谷に抜ける低地帯を北海道中央凹地帯と呼ぶ。
北海道東部は千島弧の延長である知床半島や阿寒の山々が、それぞれ北東-南西の山列を成しながら全体としては東西に伸びている。この北側は北見山地からなだらかな傾斜が海岸近くまで続き平野は少ないが、南側では十勝平野、根釧台地等の大平野が形成されている。
渡島半島に続く地域は、石狩湾から石狩平野、勇払平野を通って太平洋へと抜ける石狩低地帯である。ここには人口約190万を抱える札幌市や、千歳市、苫小牧市等が並び、北海道で最も人口が集中する地域となっている。渡島半島は東北日本弧内帯の延長部にあたり、石狩低地帯の西に位置する南西部山地、その南に黒松内低地帯、更に南には渡島山地がある。
北海道の主な高峰は、蝦夷山系と千島弧の会合する中央部の石狩山地(大雪山連峰、十勝岳連峰等)と、その南に続く日高山脈に集中している。最高峰は大雪山の旭岳で、その標高は2,290mである。南西部山地には「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山等の山がある(北海道の山の一覧も参照のこと)。
北海道の一級水系の流域図一級水系は13水系ある。石狩川、天塩川、十勝川、釧路川、網走川、常呂川、湧別川、渚滑川、留萌川、沙流川、鵡川、尻別川、後志利別川。
阿寒湖、大沼、屈斜路湖、サロマ湖、支笏湖、洞爺湖、摩周湖、ウトナイ湖、網走湖、能取湖、風蓮湖などの湖がある。
北海道の位置
東端:東経148度53分59秒(択捉島ラッキベツ岬)
西端:東経139度20分16秒(渡島大島西端)
南端:北緯41度20分58秒(渡島小島南端)
北端:北緯45度33分19秒(択捉島カモイワッカ岬)
自然公園
国立公園
利尻礼文サロベツ国立公園(サロベツ原野がラムサール条約登録)
支笏洞爺国立公園
大雪山国立公園
阿寒国立公園
知床国立公園(世界自然遺産)
釧路湿原国立公園(ラムサール条約登録)
国定公園
ニセコ積丹小樽海岸国定公園
大沼国定公園
暑寒別天売焼尻国定公園
日高山脈襟裳国定公園
網走国定公園
道立自然公園
恵山道立自然公園
道立野幌森林公園
厚岸道立自然公園(国定公園へ変更予定)
松前矢越道立自然公園
朱鞠内道立自然公園
天塩岳道立自然公園
野付風蓮道立自然公園
斜里岳道立自然公園
北オホーツク道立自然公園(クッチャロ湖がラムサール条約登録)
狩場茂津多道立自然公園
富良野芦別道立自然公園
檜山道立自然公園
気候
気候は道南から道央沿岸部にかけて西岸海洋性気候が見られるほか、道東や道北など多くの地域は亜寒帯湿潤気候で、夏と冬の温度差が大きく冬の積雪は根雪となる。道内全域が豪雪地帯になっている。
日本海側は日本海側気候、太平洋・オホーツク海側は太平洋側気候に属する。その気候を北見山地・石狩山地・日高山脈が分けている。
気温は夏冬とも一般に日本海側で高く、オホーツク海・太平洋側で低い。
日本海側は冬季には低気圧や気圧の谷の他、季節風による降雪が多く、太平洋側・オホーツク海側は冬季には低気圧や気圧の谷のみによる降雪が殆どであるが、強い冬型の気圧配置で季節風が山岳を越えて降雪することがある。
太平洋側では夏には霧が発生する。
内陸の盆地部は気温の年較差が大きく冬季には記録的な低温を示す事も多い。
道南地域は道内では最も温暖で東北地方と似通った気候であり植生も類似している。
北海道地方には梅雨がないとされ、気象庁でも北海道の梅雨入りは発表されていないが、梅雨前線が北海道にかかり、2週間ほどぐずついた天気になる事がある。これを蝦夷梅雨という。
また、台風の襲来も少ない。台風として上陸するのではなく、温帯低気圧となってから上陸することが多い。どちらの場合も、一度本州などに上陸したものが、海上で勢力を盛り返し上陸するケースもあり、被害が大きくなることもある。
人口
東北6県+新潟県とほぼ同じ面積をもつ北海道の人口は5,627,424人(2005年10月1日、国勢調査で国内7位)で、その8割弱が面積の3割程度の道央および道南に集中しており、概ね「西高東低・南高北低」の人口分布となっている。
道南・道央
北海道面積の半分にも満たないが、岩手県と秋田県を併せた面積程度の道南・道央主要部合計の人口は四国4県の合計よりも多くなっており、北海道支庁の半数近くが置かれ細分されている。
道央・道南主要部の人口及び面積
※数値は2007年現在
後志・胆振・渡島の合計
人口:1,116,192人
面積:11,939.86 km²
人口密度:93.48人/km²
参考:秋田県…人口:1,134,033人 面積:11,612.22 km² 人口密度:97.66人/km²
石狩・空知(深川市以南)・上川(塩狩峠以南)の合計
人口:3,148,442人(国内11位の茨城県より多い)
面積:14,985.82 km²(岩手県より若干せまい)
人口密度:210.1人/km²(和歌山県程度)
参考:熊本県+鹿児島県の合計…人口:3,578,874人 面積:16,592.91 km² 人口密度:215.69人/km²
道東・道北
北海道の面積の7割を占める道東および道北(上川支庁の塩狩峠以南は除く)の人口は合計120万人程度。各支庁の人口はいずれも都道府県別最下位の鳥取県(約61万人)の5割強以下。人口密度は概ね、岩手県の1/3、胆振・渡島両支庁の1/4、石狩支庁の1/20程度。
道東・道北の人口及び面積
※数値は2007年現在
道東
十勝支庁…道内一の面積。
人口:352,903人
面積:10,831.24 km²
人口密度:32.58人/km²
参考:岐阜県…面積:10,621.17 km²(国内7位)
釧路支庁+根室支庁
人口:342,263人
面積:9,495.37 km²
人口密度:36.05人/km²
参考:青森県…面積:9,606.96 km²(国内8位)
網走支庁
人口:321,660人
面積:10,690.53 km²
人口密度:30.09人/km²
参考:岐阜県…面積:10,621.17 km²(国内7位)
道北
留萌支庁+宗谷支庁+上川支庁(塩狩峠以北)の合計
人口:209,889人
面積:12,267.85 km²
人口密度:17.11人/km²
参考:新潟県…面積:12,583.40 km²(国内5位)
年齢構成
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]
年齢 人口
0 - 4歳 227
5 - 9 243
10 - 14 263
15 - 19 282
20 - 24 338
25 - 29 368
30 - 34 395
35 - 39 357
40 - 44 354
45 - 49 364
50 - 54 456
55 - 59 440
60 - 64 382
65 - 69 347
70 - 74 309
75 - 79 239
80歳以上 280
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]
男 年齢 女
116 0 - 4歳 111
124 5 - 9 119
135 10 - 14 128
144 15 - 19 138
172 20 - 24 166
184 25 - 29 184
194 30 - 34 201
171 35 - 39 186
171 40 - 44 183
177 45 - 49 187
219 50 - 54 237
208 55 - 59 232
176 60 - 64 206
160 65 - 69 187
142 70 - 74 167
103 75 - 79 136
93 80歳以上 187
北海道庁本庁舎(道庁本館)
歴代知事
詳細は北海道知事一覧を参照。 北海道庁時代の歴代長官については北海道庁 (1886-1947)の項を参照。
初代:田中敏文(1947年4月21日 - 1959年4月22日、3期)
2代:町村金五(1959年4月23日 - 1971年4月22日、3期)
3代:堂垣内尚弘(1971年4月23日 - 1983年4月22日、3期)
4代:横路孝弘(1983年4月23日 - 1995年4月22日、3期)
5代:堀達也(1995年4月23日 - 2003年4月22日、2期)
6代:高橋はるみ(2003年4月23日 - 、2期目)
北海道議会
北海道議会庁舎定数は106人。構成は以下の通り。(2007年4月30日現在)
自民党・道民会議 - 52
民主党・道民連合 - 40
フロンティア(自民系) - 5
公明党 - 6
日本共産党 - 2
財政
2006年度の実質公債費比率は19.9%と、全国では長野県に次いで2番目に悪い。総務省 平成18年度 実質公債費比率の算定結果(速報)PDF、同HTML
地域区分・支庁
支庁一覧 支庁 自治体
コード 庁舎
所在地 管内市町村数 面積 域内人口
1 石狩 01300-5 札幌市 6市1町1村 3,539.86 km² 231万0001人
2 空知 01420-6 岩見沢市 10市15町 6,558.22 km² 36万5563人
3 後志 01390-1 倶知安町 1市13町6村 4,305.82 km² 25万0065人
4 渡島 01330-7 函館市 2市9町 3,936.32 km² 44万9371人
5 檜山 01360-9 江差町 7町 2,629.88 km² 4万6999人
6 胆振 01570-9 室蘭市 4市7町 3,698.00 km² 42万6627人
7 日高 01600-4 浦河町 7町 4,811.96 km² 8万1403人
8 上川 01450-8 旭川市 4市16町2村 9,852.17 km² 53万5456人
9 留萌 01480-0 留萌市 1市7町1村 4,019.91 km² 6万1488人
10 宗谷 01510-5 稚内市 1市7町1村 4,050.76 km² 7万5665人
11 網走 01540-7 網走市 3市15町1村 10,690.55 km² 32万4719人
12 十勝 01630-6 帯広市 1市16町2村 10,831.24 km² 35万4147人
13 釧路 01660-8 釧路市 1市6町1村 5,997.38 km² 26万1883人
14 根室 01690-0 根室市 1市4町 8,534.13 km² 8万4035人
※ 根室支庁の面積には、北方領土5,127.9 km²を含む。
北海道11国86郡(1869年設置)
郡 読み
渡島国
亀田郡 かめた
茅部郡 かやべ
上磯郡 かみいそ
福島郡 ふくしま
津軽郡 つがる
檜山郡 ひやま
爾志郡 にし
後志国
久遠郡 くとう
奥尻郡 おくしり
太櫓郡 ふとろ
瀬棚郡 せたな
島牧郡 しまこまき
寿都郡 すつつ
歌棄郡 うたすつ
磯谷郡 いそや
岩内郡 いわない
古宇郡 ふるう
積丹郡 しやこたん
美国郡 びくに
古平郡 ふるひら
余市郡 よいち
忍路郡 おしよろ
高島郡 たかしま
小樽郡 おたる
郡 読み
胆振国
山越郡 やまくし
虻田郡 あふた
有珠郡 うす
室蘭郡 むろらん
幌別郡 よりへつ
白老郡 しらおい
勇払郡 ゆうふつ
千歳郡 ちとせ
石狩国
石狩郡 いしかり
札幌郡 さっぽろ
夕張郡 ゆうばり
樺戸郡 かばと
空知郡 そらち
雨竜郡 うりゆう
上川郡 かみかは
厚田郡 あつた
浜益郡 はまましけ
天塩国
増毛郡 ましけ
留萌郡 るもい
苫前郡 とままえ
天塩郡 てしほ
中川郡 なかかわ
上川郡 かみかは
郡 読み
北見国
宗谷郡 そうや
利尻郡 りしり
礼文郡 れふんしり
枝幸郡 えさし
紋別郡 もんべつ
常呂郡 ところ
網走郡 あばしり
斜里郡 しゃり
日高国
沙流郡 さる
新冠郡 にいかふ
静内郡 しつない
三石郡 みついし
浦河郡 うらかは
様似郡 さまに
幌泉郡 ほろいつみ
十勝国
広尾郡 ひろお
当縁郡 とうふち
上川郡 かみかは
中川郡 なかかわ
河東郡 かとう
河西郡 かさい
十勝郡 とかち
郡 読み
釧路国
白糠郡 しらぬか
足寄郡 あしよろ
釧路郡 くしろ
阿寒郡 あかん
網尻郡 あはしり
川上郡 かわかみ
厚岸郡 あつけし
根室国
花咲郡 はなさき
根室郡 ねむろ
野付郡 のつけ
標津郡 しへつ
目梨郡 めなし
千島国
国後郡 くなしり
択捉郡 えとろふ
振別郡 ふれへつ
紗那郡 しやな
蘂取郡 しへとろ
※得撫郡 うるっぷ
※新知郡 しむしる
※占守郡 しゅむしゅ
(住民基本台帳人口、2008年3月31日)
人口密度 66.8人/km²
隣接都道府県 青森県
道の木 エゾマツ、アカエゾマツ
道の花 ハマナス
道の鳥 タンチョウ
北海道の歌 北海道民のうた
道民体操(どさんこ体操)
知事 高橋はるみ
北海道庁
所在地 〒060-8588 北海道
札幌市中央区北3条西6丁目1番地
電話番号 011-231-4111(大代表)
外部リンク 北海道
北海道の旗(中央は道章)北海道(ほっかいどう、ほくかいだう)は日本列島を構成する島の一つ。本州の北に位置する面積77,981.87km²の島で、日本列島四大島の一。島名は律令制における五畿七道の各道に倣って新設された北海道による。
同島は付属島を含め、札幌市を道庁所在地とする北海道庁の管轄下にあり、これもまた「北海道」(ほっかいどう、英語表記:Hokkaido Prefecture)と呼ばれ、今日における日本全国1都1道2府43県中唯一の「道」である。ただし、北方領土はロシアが実効支配をしており、道庁が実質的に管轄出来ていない国土が存在する。
この北海道1道のみで構成される地方が北海道地方であり、日本の総面積の約2割超(22.9%)を占める。
名称
この島の先住民であるアイヌの言葉(アイヌ語)では「アイヌモシリ」(Ainu mosir, 「人間の住む土地」の意)と呼ばれる。日本人(和人)は近代に至るまでアイヌを蝦夷(えぞ)、その土地を蝦夷地(えぞち)もしくは北州、十州島などと呼んでいたが、明治政府は開拓使の設置に伴い名称の変更を検討し、蝦夷地探査やアイヌとの交流を続けていた松浦武四郎は政府に建白書を提出、「北加伊(きたかい)道」「海北道」「海東道」「日高見(ひたかみ)道」「東北道」「千島道」の6案を提示した。結局「北加伊道」を基本として採用し、海北道との折衷案として、また、律令制時代の五畿七道の東海道、南海道、西海道の呼称に倣う形として「北海道」と命名された。なお、松浦は建白書において「北加伊道」案はアイヌが自らを「カイ」と呼んでいる事から考案したと説明しているが、言語学者の金田一京助は、当時のそのような事実を示す証拠は見つかっていないと唱えている。
北海道の道は地方自治法に於いて他の都・府・県と同格の接尾辞とされているが、それを外して単に「北海」と表記・呼称されることは非常に稀である(北海タイムス、北海学園大学など、社名や学校名等の固有名詞に使用される例はある)。これは五畿七道にあやかって命名されたひとまとまりの地域名をそのまま地方公共団体名として転用した特殊性に拠るものといえる。逆に道の方が「道銀(北海道銀行)」「道新(北海道新聞)」等、事実上北海道を指し示す固有名詞として広く普及しているのが現実である。
北海道地図後述の通り、1886年から1947年まで北海道を管轄した地方行政官庁は北海道庁であった。この場合、「北海道」は単なる地域呼称であって、「北海道庁」が「東京府」や「青森県」などと同格の官庁名であり、現在一般に理解されているような単なる庁舎の呼称ではない(樺太と樺太庁の関係に同じ)。1901年に北海道会法および北海道地方費法が公布・施行されて議会を持つ地方自治体となったが、自治体としては「北海道地方費」と呼ばれた。戦後、1946年の第1次地方制度改革で市制・町村制・東京都制とともに府県制が改正されたとき、北海道会法と北海道地方費法が廃止されて府県制に統合された。府県制は道府県制と改称され、改正法律の附則の規定により従来「北海道地方費」と呼ばれていた自治体を「道」と呼ぶこととされた。地方行政官庁としての北海道庁は1947年の地方自治法施行により「北海道庁官制」とともに廃止され、同法に基づく普通地方公共団体としての北海道となった。
地方公共団体としての北海道
地方公共団体としての北海道は、北海道本島の他、利尻島、礼文島、奥尻島、天売島、焼尻島、渡島大島、渡島小島等の属島をその領域に含む。択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島も北海道の領域の一部だが、1945年にソビエト連邦が占領し、現在も同国の後継国家であるロシア連邦の実効支配下に置かれており、現在、日本の施政権が及んでいない(北方領土問題を参照)。
北海道には180の市町村(35市130町15村)、64の郡がある(この他、北方領土に5郡6村がある)。北海道では、森町が「まち」である以外は、町は全て「ちょう」、村は全て「むら」と読む。
地理
北海道(本島)
面積 77,981.87km²
最高標高 2,290m
所属国・地域 日本
表・話・編・歴
2001年5月30日地球観測衛星Terra搭載のMODISセンサにより撮影島としての北海道は、面積77,981.87 km²(日本では本州に次いで2番目、世界では21番目に大きな島)。アイルランド島よりやや小さく、樺太よりやや大きい。南の本州とは津軽海峡で隔てられているが、青函トンネルにより鉄路で繋がれている。北は宗谷海峡を隔てて樺太と向かい合い、東には千島列島が連なり、間接的にではあるがロシアと国境を隔てている。西の日本海、南東の太平洋、北東のオホーツク海と、3つの海に囲まれており、周辺には対馬暖流とその分枝である津軽暖流・宗谷暖流、及び親潮と東樺太海流が流れている。
北海道は大きく分けて胴体部にあたる菱形の部分と、南西の半島部(渡島半島)よりなる。
胴体部は南北に蝦夷山系と呼ばれる山地群が貫き北海道の脊梁を成している。蝦夷山系は南の日高山脈に始まり、東の石狩山地・北見山地と、西の夕張山地・天塩山地に分岐しており、この二列の間には富良野盆地・上川盆地・名寄盆地等の盆地列が形成されている。頓別平野からこの盆地列を通り、鵡川の河谷に抜ける低地帯を北海道中央凹地帯と呼ぶ。
北海道東部は千島弧の延長である知床半島や阿寒の山々が、それぞれ北東-南西の山列を成しながら全体としては東西に伸びている。この北側は北見山地からなだらかな傾斜が海岸近くまで続き平野は少ないが、南側では十勝平野、根釧台地等の大平野が形成されている。
渡島半島に続く地域は、石狩湾から石狩平野、勇払平野を通って太平洋へと抜ける石狩低地帯である。ここには人口約190万を抱える札幌市や、千歳市、苫小牧市等が並び、北海道で最も人口が集中する地域となっている。渡島半島は東北日本弧内帯の延長部にあたり、石狩低地帯の西に位置する南西部山地、その南に黒松内低地帯、更に南には渡島山地がある。
北海道の主な高峰は、蝦夷山系と千島弧の会合する中央部の石狩山地(大雪山連峰、十勝岳連峰等)と、その南に続く日高山脈に集中している。最高峰は大雪山の旭岳で、その標高は2,290mである。南西部山地には「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山等の山がある(北海道の山の一覧も参照のこと)。
北海道の一級水系の流域図一級水系は13水系ある。石狩川、天塩川、十勝川、釧路川、網走川、常呂川、湧別川、渚滑川、留萌川、沙流川、鵡川、尻別川、後志利別川。
阿寒湖、大沼、屈斜路湖、サロマ湖、支笏湖、洞爺湖、摩周湖、ウトナイ湖、網走湖、能取湖、風蓮湖などの湖がある。
北海道の位置
東端:東経148度53分59秒(択捉島ラッキベツ岬)
西端:東経139度20分16秒(渡島大島西端)
南端:北緯41度20分58秒(渡島小島南端)
北端:北緯45度33分19秒(択捉島カモイワッカ岬)
自然公園
国立公園
利尻礼文サロベツ国立公園(サロベツ原野がラムサール条約登録)
支笏洞爺国立公園
大雪山国立公園
阿寒国立公園
知床国立公園(世界自然遺産)
釧路湿原国立公園(ラムサール条約登録)
国定公園
ニセコ積丹小樽海岸国定公園
大沼国定公園
暑寒別天売焼尻国定公園
日高山脈襟裳国定公園
網走国定公園
道立自然公園
恵山道立自然公園
道立野幌森林公園
厚岸道立自然公園(国定公園へ変更予定)
松前矢越道立自然公園
朱鞠内道立自然公園
天塩岳道立自然公園
野付風蓮道立自然公園
斜里岳道立自然公園
北オホーツク道立自然公園(クッチャロ湖がラムサール条約登録)
狩場茂津多道立自然公園
富良野芦別道立自然公園
檜山道立自然公園
気候
気候は道南から道央沿岸部にかけて西岸海洋性気候が見られるほか、道東や道北など多くの地域は亜寒帯湿潤気候で、夏と冬の温度差が大きく冬の積雪は根雪となる。道内全域が豪雪地帯になっている。
日本海側は日本海側気候、太平洋・オホーツク海側は太平洋側気候に属する。その気候を北見山地・石狩山地・日高山脈が分けている。
気温は夏冬とも一般に日本海側で高く、オホーツク海・太平洋側で低い。
日本海側は冬季には低気圧や気圧の谷の他、季節風による降雪が多く、太平洋側・オホーツク海側は冬季には低気圧や気圧の谷のみによる降雪が殆どであるが、強い冬型の気圧配置で季節風が山岳を越えて降雪することがある。
太平洋側では夏には霧が発生する。
内陸の盆地部は気温の年較差が大きく冬季には記録的な低温を示す事も多い。
道南地域は道内では最も温暖で東北地方と似通った気候であり植生も類似している。
北海道地方には梅雨がないとされ、気象庁でも北海道の梅雨入りは発表されていないが、梅雨前線が北海道にかかり、2週間ほどぐずついた天気になる事がある。これを蝦夷梅雨という。
また、台風の襲来も少ない。台風として上陸するのではなく、温帯低気圧となってから上陸することが多い。どちらの場合も、一度本州などに上陸したものが、海上で勢力を盛り返し上陸するケースもあり、被害が大きくなることもある。
人口
東北6県+新潟県とほぼ同じ面積をもつ北海道の人口は5,627,424人(2005年10月1日、国勢調査で国内7位)で、その8割弱が面積の3割程度の道央および道南に集中しており、概ね「西高東低・南高北低」の人口分布となっている。
道南・道央
北海道面積の半分にも満たないが、岩手県と秋田県を併せた面積程度の道南・道央主要部合計の人口は四国4県の合計よりも多くなっており、北海道支庁の半数近くが置かれ細分されている。
道央・道南主要部の人口及び面積
※数値は2007年現在
後志・胆振・渡島の合計
人口:1,116,192人
面積:11,939.86 km²
人口密度:93.48人/km²
参考:秋田県…人口:1,134,033人 面積:11,612.22 km² 人口密度:97.66人/km²
石狩・空知(深川市以南)・上川(塩狩峠以南)の合計
人口:3,148,442人(国内11位の茨城県より多い)
面積:14,985.82 km²(岩手県より若干せまい)
人口密度:210.1人/km²(和歌山県程度)
参考:熊本県+鹿児島県の合計…人口:3,578,874人 面積:16,592.91 km² 人口密度:215.69人/km²
道東・道北
北海道の面積の7割を占める道東および道北(上川支庁の塩狩峠以南は除く)の人口は合計120万人程度。各支庁の人口はいずれも都道府県別最下位の鳥取県(約61万人)の5割強以下。人口密度は概ね、岩手県の1/3、胆振・渡島両支庁の1/4、石狩支庁の1/20程度。
道東・道北の人口及び面積
※数値は2007年現在
道東
十勝支庁…道内一の面積。
人口:352,903人
面積:10,831.24 km²
人口密度:32.58人/km²
参考:岐阜県…面積:10,621.17 km²(国内7位)
釧路支庁+根室支庁
人口:342,263人
面積:9,495.37 km²
人口密度:36.05人/km²
参考:青森県…面積:9,606.96 km²(国内8位)
網走支庁
人口:321,660人
面積:10,690.53 km²
人口密度:30.09人/km²
参考:岐阜県…面積:10,621.17 km²(国内7位)
道北
留萌支庁+宗谷支庁+上川支庁(塩狩峠以北)の合計
人口:209,889人
面積:12,267.85 km²
人口密度:17.11人/km²
参考:新潟県…面積:12,583.40 km²(国内5位)
年齢構成
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]
年齢 人口
0 - 4歳 227
5 - 9 243
10 - 14 263
15 - 19 282
20 - 24 338
25 - 29 368
30 - 34 395
35 - 39 357
40 - 44 354
45 - 49 364
50 - 54 456
55 - 59 440
60 - 64 382
65 - 69 347
70 - 74 309
75 - 79 239
80歳以上 280
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]
男 年齢 女
116 0 - 4歳 111
124 5 - 9 119
135 10 - 14 128
144 15 - 19 138
172 20 - 24 166
184 25 - 29 184
194 30 - 34 201
171 35 - 39 186
171 40 - 44 183
177 45 - 49 187
219 50 - 54 237
208 55 - 59 232
176 60 - 64 206
160 65 - 69 187
142 70 - 74 167
103 75 - 79 136
93 80歳以上 187
北海道庁本庁舎(道庁本館)
歴代知事
詳細は北海道知事一覧を参照。 北海道庁時代の歴代長官については北海道庁 (1886-1947)の項を参照。
初代:田中敏文(1947年4月21日 - 1959年4月22日、3期)
2代:町村金五(1959年4月23日 - 1971年4月22日、3期)
3代:堂垣内尚弘(1971年4月23日 - 1983年4月22日、3期)
4代:横路孝弘(1983年4月23日 - 1995年4月22日、3期)
5代:堀達也(1995年4月23日 - 2003年4月22日、2期)
6代:高橋はるみ(2003年4月23日 - 、2期目)
北海道議会
北海道議会庁舎定数は106人。構成は以下の通り。(2007年4月30日現在)
自民党・道民会議 - 52
民主党・道民連合 - 40
フロンティア(自民系) - 5
公明党 - 6
日本共産党 - 2
財政
2006年度の実質公債費比率は19.9%と、全国では長野県に次いで2番目に悪い。総務省 平成18年度 実質公債費比率の算定結果(速報)PDF、同HTML
地域区分・支庁
支庁一覧 支庁 自治体
コード 庁舎
所在地 管内市町村数 面積 域内人口
1 石狩 01300-5 札幌市 6市1町1村 3,539.86 km² 231万0001人
2 空知 01420-6 岩見沢市 10市15町 6,558.22 km² 36万5563人
3 後志 01390-1 倶知安町 1市13町6村 4,305.82 km² 25万0065人
4 渡島 01330-7 函館市 2市9町 3,936.32 km² 44万9371人
5 檜山 01360-9 江差町 7町 2,629.88 km² 4万6999人
6 胆振 01570-9 室蘭市 4市7町 3,698.00 km² 42万6627人
7 日高 01600-4 浦河町 7町 4,811.96 km² 8万1403人
8 上川 01450-8 旭川市 4市16町2村 9,852.17 km² 53万5456人
9 留萌 01480-0 留萌市 1市7町1村 4,019.91 km² 6万1488人
10 宗谷 01510-5 稚内市 1市7町1村 4,050.76 km² 7万5665人
11 網走 01540-7 網走市 3市15町1村 10,690.55 km² 32万4719人
12 十勝 01630-6 帯広市 1市16町2村 10,831.24 km² 35万4147人
13 釧路 01660-8 釧路市 1市6町1村 5,997.38 km² 26万1883人
14 根室 01690-0 根室市 1市4町 8,534.13 km² 8万4035人
※ 根室支庁の面積には、北方領土5,127.9 km²を含む。
北海道11国86郡(1869年設置)
郡 読み
渡島国
亀田郡 かめた
茅部郡 かやべ
上磯郡 かみいそ
福島郡 ふくしま
津軽郡 つがる
檜山郡 ひやま
爾志郡 にし
後志国
久遠郡 くとう
奥尻郡 おくしり
太櫓郡 ふとろ
瀬棚郡 せたな
島牧郡 しまこまき
寿都郡 すつつ
歌棄郡 うたすつ
磯谷郡 いそや
岩内郡 いわない
古宇郡 ふるう
積丹郡 しやこたん
美国郡 びくに
古平郡 ふるひら
余市郡 よいち
忍路郡 おしよろ
高島郡 たかしま
小樽郡 おたる
郡 読み
胆振国
山越郡 やまくし
虻田郡 あふた
有珠郡 うす
室蘭郡 むろらん
幌別郡 よりへつ
白老郡 しらおい
勇払郡 ゆうふつ
千歳郡 ちとせ
石狩国
石狩郡 いしかり
札幌郡 さっぽろ
夕張郡 ゆうばり
樺戸郡 かばと
空知郡 そらち
雨竜郡 うりゆう
上川郡 かみかは
厚田郡 あつた
浜益郡 はまましけ
天塩国
増毛郡 ましけ
留萌郡 るもい
苫前郡 とままえ
天塩郡 てしほ
中川郡 なかかわ
上川郡 かみかは
郡 読み
北見国
宗谷郡 そうや
利尻郡 りしり
礼文郡 れふんしり
枝幸郡 えさし
紋別郡 もんべつ
常呂郡 ところ
網走郡 あばしり
斜里郡 しゃり
日高国
沙流郡 さる
新冠郡 にいかふ
静内郡 しつない
三石郡 みついし
浦河郡 うらかは
様似郡 さまに
幌泉郡 ほろいつみ
十勝国
広尾郡 ひろお
当縁郡 とうふち
上川郡 かみかは
中川郡 なかかわ
河東郡 かとう
河西郡 かさい
十勝郡 とかち
郡 読み
釧路国
白糠郡 しらぬか
足寄郡 あしよろ
釧路郡 くしろ
阿寒郡 あかん
網尻郡 あはしり
川上郡 かわかみ
厚岸郡 あつけし
根室国
花咲郡 はなさき
根室郡 ねむろ
野付郡 のつけ
標津郡 しへつ
目梨郡 めなし
千島国
国後郡 くなしり
択捉郡 えとろふ
振別郡 ふれへつ
紗那郡 しやな
蘂取郡 しへとろ
※得撫郡 うるっぷ
※新知郡 しむしる
※占守郡 しゅむしゅ