「雨そぼそぼ紫苑の花の盛り哉」 正岡子規
*海蔵寺にて*
晴れた日も良いですが、どちらかと言うと雨の方が薄紫色の花弁がしっとり落ち着いてより美しく感じます。
紫苑(シオン)キク科 シオン属の多年草
日本には古い時代に中国から朝鮮半島を経て薬草として渡来しましたが、
その美しい薄紫色の可憐な花が平安の人々に親しまれ観賞用として植えられるようになったと言います。
『思い草』と言う別名があります。
平安時代の「今昔物語」に、亡き父のお墓に兄は悲しみを忘れる「忘れ草(萱草:カンゾウ)」を、
弟はいつまでも忘れない為の「思い草(紫苑)」を植える二人の兄弟の話が出てきます。この「思い草」が「紫苑」です。
そして紫苑の花言葉は「追想」。