蟲つれづれ

新吉の周りには、いつもぴかぴかの宝ものがいました。
その蟲達への思い出をつれづれと・・・

ヒメオビオオキノコムシ

2015年07月31日 01時32分37秒 | Weblog
「ヒメオビオオキノコムシ」が灯火に飛来していた。
以前述べていた「キノコゴミムシ」と似ているがこちらはキノコを食すのだ。
あまり見る事が無い。
というかキノコムシ類はあまり大きくないし、森林などにいるから出会うのも稀だ。

キノコの中には傘が開いてすぐに枯れる(溶ける?、腐る?)モノも多い。
彼らはそれをあまり食用にしていない。

キノコの中でもクスリとして使われていたモノにも決まってキノコムシがつく。
そういったキノコムシはよく目についていたに違いないがほとんどはマイナーな種だ。
有名なサルノコシカケや、カワラタケなど堅いキノコの裏にキノコのクズのようなものがあったら
キノコムシの幼虫の糞だ。

そういえばこいつをよく見ていると、イタドリハムシによく似ている。
この色彩はなんだか種を越えて、オーソドックスなものなのかも知れない。
調べてみたら他にもある気がする。
面白いのはキノコムシの仲間に多いという事で、彼らの生態と何らかの関係があるのだろう。

生態学というものがある(○○学というのは言ったもん勝ちだけど…)
色彩や擬態などは昆虫の生態と深い関わりがあるものだ。

こうして想像してることさえ、それで奥深い意義のある研究なのだ。

ライバル

2015年07月27日 09時04分23秒 | Weblog
何にでもライバルがいる。
昆虫の王者としてカブトムシがいるがその互角の相手が、ミヤマクワガタである。
カブトムシは野外個体では7センチを越える、養殖物は8センチ程度になるだろうが
まったく興味がない、カブトムシは7センチクラスを越えると…弱い(鈍い)。
しかし。体格差でクワガタはたいていは相手にならない。

人気のあったオオクワガタは臆病者で出会う事もないし、あの大アゴは戦うのに役立たない。
もし、コクワガタが倍ほどの大きさなら(外国にはいる)きっと最強だろう。
ヒラタクワガタも怪力でパラワンオオクワガタ並の長歯のものは見応えがある。
戦えばヒラタクワガタが強そうだが、住み分けているので飼育下でなければ戦いにならない。
つまり、ライオンとトラを戦わすようなものでナンセンスだ。

ミヤマクワガタはほぼ天然物だ、養殖が困難である。
人の手がかからない神聖なクワガタだ。しかも大型のものは7センチを楽に越える。
活動時間は真夜中ではないのでカブトムシと出会う機会が多い。
ノコギリクワガタよりも。いかつくて渋い金色の個体もいる。
高温に弱いので飼育にはコツがいるが格好良くて強いのだ。
ミヤマクワガタはノコギリクワガタのようにすくいあげるような戦いはしない。
がっちりと真上からハサミ、そして締め上げる…先端が分かれた大アゴの根元には
最強の四角い歯がありカブトの角をさえ折る事ができる。

野外で角の折れているカブトを見る事がよくあった。
おそらくミヤマクワガタにやられたんだ、でかいヤツが近くにいるんだと
わくわくしたものだ。

名前の通り深い山(みやま)にもいるが里山に見られる。
樹液や熟した果実にも来るが樹液の方が好きらしい。


カトカラのチラリズム

2015年07月24日 02時08分52秒 | Weblog
「カトカラ」とはガの仲間である。
普通、昆虫マニアはやがて標準和名でなく通ぶって学名と言うラテン語で虫を呼び始める。
ミドリシジミと言う誰でも一度は集める小型のチョウは「ゼフィルス」アゲハは「パピリオ」属だ。
もっとある、「パルナシウス」「ドルクス」「アロミリナ」別に知らなくていいのだが、知らないと馬鹿にされるので一生懸命覚えたものだ。

さて「カトカラ」とは蛾の中で愛好家の多い種「シタバガ」の仲間をいう。
「シタバ」とは「下の翅(はね)」という意味で、下の翅がとくに美しいのである。ヤガの仲間に入り、
とまる時翅を「屋根型」にするので下の翅はまったく見えない、飛び立つときなどにちらりと見える。だから「シタバ」と言う。

カトカラは20種類以上いるというが、下の翅の色で大きくわけると「赤(紅)」「白」「黄」「紫」に
大別される。



画像は最も大きい「シロシタバ」と最も派手な「オニベニシタバ」だ。上翅は樹の幹にそっくりで幹にとまっているときはまず気が付かない。
世の女性は年齢と共に下着が派手になるそうだ、「シロシタバ」はJK、「オニベニシタバ」はキャバ嬢かも知れない。

いや、♂も同じ柄だからそりゃないか…

科学というもの

2015年07月22日 16時57分05秒 | Weblog


カメムシというムシは非常に変わっている仲間だ
夏の盛りのせみや農家の敵、ウンカやヨコバイ、地方ではホタルの卵と思われているアワフキムシ、水の上の
アメンボや水面のマツモムシ、水中のタガメやタイコウチなどもそうだ

彼らには蛹の時期が無い、最後の脱皮で羽が伸びて成虫になるのだがここで不思議な事がある
この画像は日本一美しい「ニシキキンカメ」というカメムシだが、最後の脱皮を終えた身体は真っ赤なのである
サシガメの仲間やその他のキンカメムシの仲間も同様に、まったく異なる色で脱皮し次第に色づいていく…
カブトムシは白い羽で生まれ、次第に濃い色になる、チョウは既に羽が色づいたままで羽化する
「ニシキキンカメ」の複雑な色が次第に浮き出てくる仕組みが不思議と言いようが無い


科学者は説明出来ない事は否定するのが常だ
念力でもUFOでも霊でもなく、カメムシが複雑な色を短時間で発色するのは事実なのである
ハエだかハチだか定かではないが、航空力学的には絶対飛行不可能な昆虫もいるのである

科学とは浅はかな人間でも説明出来る、たった一握りの範疇にしかないのだろう…

運動会-かけっこ-

2015年07月20日 12時21分37秒 | Weblog
運動会といえば
かけっこ、綱ひき、玉入れ…
虫のかけっこで一番はきっとオサムシかゴミムシだ

なかでもアオゴミムシは1.2番だろう
マイマイカブリもスタンスが広いが持久力に欠ける
アオ(スジ)オサムシも良いと思うがあまり陽の当たるところでは見かけない

グランドに見立てたアスファルトでも
こいつは関係ないように早く、そして長いこと走る
そして大体きれいである

しかし不思議な事に餌は走って逃げるようなものでなく
こいつらの主食は死んだ昆虫などと言われている
走るのは外敵から逃げるためなのだろうか
こいつを食べるヤツはいるのだろうか?

嫌な匂いや、ミイデラゴミムシなどは軽い火傷をするガスを噴射する
おなじみのヘッピリムシの仲間なのに…たぶん敵はいない
青緑色の顔をじっと見ていて思った

いやムシの世界にもいるんだ

「追っかけ」から逃げてるんだなきっと

チョウ?トンボ?

2015年07月16日 00時53分07秒 | Weblog
数学の問題で、図形や証明する際、補助線を引くとやりやすい。
誰でもそれは経験しているのだ。
線一本引くだけで「あっ、そういうことか」ってなる。

何の話しかと言うと「チョウトンボ」のことだ。
チョウなのかそれともトンボなのかという事だ。
?である、外見は羽が広く大きいだけでシオカラトンボに似ている。
一番似ているのはコシアキトンボだろう、ヤゴもこの二種はよく似ている。

飛び方はチョウである、絶えずひらひら羽を動かしていてその色といい、涼しげだ。
意外と成虫は採りにくいトンボですぐ高く舞い上がってしまう。
その上一度飛び立つとなかなか降りて停まらない、動きはひらひらなので
なんだか無性に腹が立つ…

でも採集すると妙に弱々しくて、すぐ逃がしてやる。
羽化したばかりのチョウトンボにはもう既にこの色がついている。
この色彩感覚が日本人には安心するのに違いない。

人気があるのもうなづけるトンボだ。

モノサシトンボ

2015年07月15日 00時05分21秒 | Weblog

モノサシトンボの仲間は本種と「グンバイトンボ」が知られている。
「グンバイトンボ」は♂の足が軍配「相撲の時に行事が持っている」の様に
なっているからでそのうち「ウチワトンボ」とでも改名される
かもしれない…

昆虫の和名が変わっていく件は、またじっくり述べたいが。
まずは、モノサシトンボである。

一目瞭然、このイトトンボにはまるで物差しの目盛りがある様だ。
♂はとても美しいトンボでしかも縄張りがあって
写真の奥のビオトープにいつもいる。
飛び方はどことなく品があり落ち着いている。

恩知らずのヤンマたちは飛び立ったら帰ってこないが、イトトンボたちは
戻ってくるから好きだ。

こう言った和名ひとつ取っても日本人はトンボ好きだと思う。

さすがアキツ(トンボの古語)の島よ…

まったくなにしてきたの!

2015年07月12日 22時49分39秒 | Weblog
蝉の中で一番早く鳴くのは、その名も春ゼミ。
でも、ぎーぎー遠くでなくだけで姿も見えない。

おなじみなのはやはり、ニイニイゼミ。
早くは5月、梅雨の合間には「ニイーニイー」鳴き始めて、ああ夏が来たと思う。

平地では、ついでアブラゼミ、クマゼミが鳴く。
山地ではヒグラシ(カナカナ)やミンミンゼミが鳴く。

夏の蝉と言うと、関東などは大抵ミンミンゼミだが、クマゼミの激しい音と忙しい鳴き声を聞いたら
きっと一発で夏だと思うだろう。

そういえばいろんな蝉の抜け殻を見るのだが、まずニイニイゼミの抜け殻は泥だらけだ。
幼虫が泥の中に潜っている訳ではないだろうが、身体の毛が少ないのだろうか?
それともトンネル掘りがへたくそなのだろうか?

いやいやちびっ子だから、羽化の時間が近づいてもギリギリまで
どろんこ遊びをしてたんです…きっと。

アカマダラコガネというムシ

2015年07月06日 00時32分44秒 | Weblog
アカマダラコガネである。
最近ではアカマダラハナムグリとも呼ぶのだが、私はコガネという響きの方が好きである。

アカマダラコガネ-コガネムシ科-夏、樹液に来る、少ない。
そう書いてあったのが北隆館の図鑑だったように思う。

最近は猛禽類の巣で見つかった幼虫から、次第にその生態がわかるのではないかと
期待されている。

結構自慢なんだが現在3頭ほど幼虫を飼育している。
昨年採集した成虫に冬越しさせて、春に交尾させ、今年ようやくである。
この種はたいていは越冬で失敗するのである。
結構デリケートなところがあり、越冬は簡単ではない。

晩夏には新成虫が産まれるかも知れないと期待している。
この画像は先日、トラップで2頭採集した個体だ。どうも♀の様だ。
こいつらも越冬させないと産卵しないと思うが、楽しみなのである。

マットの状態をいろいろ試してみようと思っている。

キノコゴミムシ

2015年07月03日 00時10分25秒 | Weblog
キノコゴミムシはゴミムシの中でとてもきれいな種だ。
きれいなだけでなく不思議な事に樹液にも集まるゴミムシだ。
ケシキスイと言う仲間のムシも樹液に集まるのだがよく似ている。
ヨツボシケシキスイは小型の地色が黒いムシなのだがこいつも模様がそっくりだ。
しかし一番似ているのはキノコを食べるキノコムシたちで、オオキノコムシと間違えた事もある。
そのキノコムシたちの幼虫を食べるのも知られている。
そんなキノコの豊富にある林に生息するため、産地は限られている。
だが餌となるキノコムシの幼虫はキノコからは当分逃げないため、一度えさ場を見つければ
安心してその近くにいると思う。つまり見つけた場所の近くに複数いると言う事になる。
昆虫は産地は限られているが個体数が安定しているものが多い。
人間が見つけられないだけの事だ。