蟲つれづれ

新吉の周りには、いつもぴかぴかの宝ものがいました。
その蟲達への思い出をつれづれと・・・

サラサ星人

2015年12月05日 21時49分45秒 | Weblog

 

サラサヤンマのヤゴは非常に貴重なヤゴだった。

実際、私が採集したときはまだ日本中で数例しか無かった。

今はそうでもないらしいが最初こいつを見つけたときはかなり興奮した。

というのも、ヤゴらしからぬ形をしているからだ。

『遮光器土偶』という有名な土偶にも、不気味などくろにも見えるヤゴだったのだ。

当時まだ鮮明な写真はほとんどない、でもこのヤゴは

一目で『サラサヤンマのヤゴに違いない』と思った。

友人に見せた時、『このヤゴは宇宙人みたいだ』と言われた。

 

サラサ星人は2007.Jan.23に捕獲されたのである。

彼らの地球侵略は私が未然に防いだ事を付け加えておこう。


冬の蛍

2015年11月30日 11時23分13秒 | Weblog

 冬の蛍ー

冬の蛍というと、どこぞの小説のタイトルの様だ。

ただでさえ怪しく淡い蛍の光が、情緒に訴える『冬』を冠してこれだけで気になってしまう。

しかし現実には冬の蛍はこれである。

ゲンジボタルは冬の間でも丸まると太っているのだ。

初夏に産まれたメスはほとんど飛ばずに葉っぱに止まって明滅を繰り返し

飛び回って相手を捜している雄と交尾をする。

つまりよく見る蛍はほとんど雄なのだ。

メスはなんと数千個のたまごを産む。

そしてそれが孵化してカワニナを食べてこの姿だ。

成長の早いものは翌年、遅いものは翌々の羽化となるそうだが、大抵は翌年に羽化すると思う。

しかし、しつこいが、冬の蛍はこれだ…。

 古い人はアワフキムシというウンカに似た昆虫のアワアワの巣(?)を

蛍のタマゴと思っている人もいる様だが別物である。


マイコアカネ

2015年10月18日 12時11分06秒 | Weblog

マイコアカネはおしろいを塗っているように顔が白い。

小型のヒメアカネやリスアカネに比べて特徴的だ。

分布も限られていて、二カ所くらいしか知らない。

ヤゴはなかなか見つからないがアカネ族はタイリクアカネなどの

飛来種以外は移動距離が短いので一応定着しているのだろう。

小型の赤とんぼを見るとつい捕まえて、確認してみる。

僕に首を傾げる姿はまさに「舞妓はん」だ。


タランチュラ

2015年09月29日 19時57分11秒 | Weblog

ある日の朝タランチュラが増えていた。

訳あって我が家の住人となったでかいクモだ。

映画の影響で毒蜘蛛として名高い、しかし人が死ぬ事は無く

猛者たちは手に乗せて自慢する。

もちろん私はそんな事はしない、ダイオウサソリも同じく訳あって住人となったが

こいつに刺されても、人間は死なないらしい…

 

さて、タランチュラは脱皮したのだった。

前々からこいつの脱皮は仰向けでするらしいので見てみたかったのに残念だ。

それにしてもゴキブリしか食べない偏食のクモだ

 

「放し飼いだけはやめてくれ」と家族に言われている。


コガタノゲンゴロウ

2015年09月24日 16時26分30秒 | Weblog

 

子供の頃『ゲンゴロウ』や『タガメ』は身近にいた

少なくとも昭和40年代には

 

それが今ではまったく見られない

開発が進んだのではなく農薬のせいだろう

そう思っている

 

昨年、我が県では新産地となる場所を見つけた(たぶん)

3頭採集しただけだったが今年も確認に行った。

今年は15頭、この繁殖地は私と友人しか知らない

 

『ゲンゴロウ』より少し小さい『コガタノゲンゴロウ』という

何と解りやすい『ゲンゴロウ』より小さいからだ

でも『ゲンゴロウ』を知らないヒトはどう思うのか…

 

もしかしたら私が子供の頃見たのは

『ゲンゴロウ』ではなくこいつだったのかも知れない

だが今となってはそれを確認する術はない


カンタン

2015年09月04日 09時43分41秒 | Weblog

これは「カンタン」と言う秋の鳴く虫では、女王とされる。

感嘆する鳴き声とは言いがたい、どこか物悲しい…

この弱々しく薄いレモン色の身体とこれまた細い脚がその名の由来なのだろう。

しかし、アブラムシ(アリマキ)を好んで食べる。

飼育には古くからはちみつを塗ったキュウリやナスなどを与える。

葛の葉なども食べるが野外で食痕(たべあと)はあまりみない。

あくまでも好んでいないのだ。

葛の葉などは一日でからからにひからびたり蒸れて匂いが出る。

そのため換気が悪いと夏場の夜に全滅している事もある。

カンタンに死んでしまうからカンタンなのか…

ちなみに鳴く虫の王はもちろん「クツワムシ」だ。


ウチワヤンマのヤゴ

2015年08月28日 09時30分03秒 | Weblog

ウチワヤンマのヤゴは。日本一美しいヤゴに間違いない。

見事な黄緑色だ、黒がまたぐっと引き締めている。

貴重だった「サラサヤンマ」のヤゴでさえ今ではちらほら見つかるようになった。

 

しかしである、このヤゴは今でもなかなかお目にかかれない。

広いそして深いため池の最深部にいるからだ。

想像すればいい、大きな池の中心へボートで行って潜水して探す事を…

したがって羽化前の限られた時期に岸にやってくるのを待つしかないのである。

そのため未だに不明な点が多々ある。

 

このヤゴは水中を絶えず泳ぎ回る。おそらく酸素の少ない泥の中に潜むからだろう

この特異な角張った身体はついた泥をそぎやすいのだろう。

画像は終令で羽化マークもでていない、このまま越冬するのだろう。

飼育してわかった事をもうひとついうと羽化までは3年かかる。

でもこのヤゴはやっぱり美しい。

 

ただひとつ、泥の中では不要なサングラスが怖いが…