仁和寺と御室派のみほとけ展
へ、2月20日に行ってきた。
仏像を、信仰の対象とみるか美術品とみるか。
こういった展覧会に行く度に、脳裏をよぎる懸案である。
普段、本堂の暗い場所に御坐しますご本尊様やみほとけ様が、近いところではっきり見える。
後ろ姿まで見える。
ましてや、遠くにあるお寺にはなかなか行くこともできないとあれば、
拝観料ならぬ鑑賞券を求めて行きたくなるのは、たくさんの人びとの自然な気持ちではあると思う。
工藝美術品としての価値もわかっていれば、尚更のこと、拝見していて楽しいだろう。
それもわかっていて、
展覧会で思わず手を合わせてしまう自分がいる。
本堂の中だろうが、博物館の中だろうが、みほとけ様はみほとけ様。
しなやかな肢体や微笑み浮かぶ御顔、美しさ、逞しさを表しながら、
この世を救う仏陀と神々の姿に、
古から多くの人々が敬ってきたように、
私もみほとけ様に出会えた感謝の気持ちを合掌で表す。
思わず、合掌してしまう。
もちろん、話題の「十一面千手観音像」が見たい!というミーハー心はしっかりと持ち合わせている、ということも書いておく。
で、東京国立博物館平成館。
たくさんの仏像好きな方と
たくさんの信心深い方と
たくさんのミーハーさんと、
その他もろもろで30分待ち。
私もその中の1人。
平日の昼過ぎで、ごった返し。
素晴らしい。
知識の乏しいミーハーさんには…。
あ、表現がよろしくないですな。
知識をさらに深めたい向上心のある方のための音声ガイドは、
封切りされた映画「空海」がらみで、両者のお出まし。
もちろん、私は借りました。
映画、観たいなぁ。
ストロボ禁止で、撮影可能な展示あり。
みほとけ様をスマホやガラケーで撮る撮る、みなさん。
私も。
でもね、
写真を撮っていると、そのものが見えてない。
それはもはや、「ほとけ写して たましい映らず」
ではないか?
私も、一枚撮ったが、
そのあと御顔を拝観しそっと手を合わせた。
とはいえ、話題の十一面千手観音像を拝観した時は、興奮した。
あの千手の部分は、すごい。
当時の工芸技術は、熱い信仰心が支えになっていたのだろうかと思った。
展示のもう一つの目玉、弘法大師の書も拝見した。
行書だった。
静かな余韻に浸り、東京国立博物館の前庭で持参したデコポンを食べる。
良かった。
展覧会に来て良かった。
ごちゃごちゃ考えずに、この機会が、この出会いが良かった、という事だ。
ま、たまにはごちゃごちゃ考えることも大事だとは思うけど。
上野から浅草へ。
一気に煩悩の世界へ。
私の大好きな、煩悩。
じゃない。
私の大好きな、餃子。
浅草老舗の中華屋さん。
「十八番」で、餃子と半チャーハンを遅い昼食として食べる。
東京餃子通信のサイトでチェックしておいたお店である。
美味しかったし、ボリュームがあった。
誰かと行けばシェアして他のメニューも頼めたのにな。
次回、浅草に行く機会があれば、ウワサの「餃子の王様」という餃子屋さんに行きたい。
浅草みやげに、亀十のどら焼きを買った。
こちらも、並んだ。
値段の高さに驚いた。
でも、買った。
これも、出会いだ。
パンケーキのようなどら焼きの皮。
餡は優しい甘さだった。
値段の関係上、2つのどら焼きを4人で分け合って食べた。
お土産だよって言わなければ、1人でふたつ食べられたんだな。
煩悩と言うより、欲望の塊だ、ワタシ。
みほとけ様も見放すだろう。
2月20日の記録、今記す。