korou's Column

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ミシェル・ルグラン氏死去

2019-01-26 | 洋楽

私が最も尊敬している音楽家は

ヘンリー・マンシーニとバート・バカラックだけれど

ミシェル・ルグランも

もしもっと多く彼の曲が日本でも紹介されていたら

その2人と同等に尊敬できる人だった。

「シェルブールの雨傘」「おもいでの夏」くらいしか

日本では紹介されなかったので

やはりたった2曲では

バカラックなどと同等に評価はしにくい。

しかし、彼の手になる曲の圧倒的なクオリティは

他の音楽家とは比較にならないものだった。

ルグランに比べれば

「スター・ウォーズ」も「インディ・ジョーンズ」も「ジュラシック・パーク」も

随分と皮相な音楽に聴こえてしまう。

(ただし、皮相な音楽には

 それなりの良さはあるので全否定はしないが)

 

「シェルブールの雨傘」もいいのだけれど

ややメロディがしつこい感じがあって

私の好みではない。

やはり、ルグランといえば

「おもいでの夏」だろう。

今でも、ウォークマンに入れて

かなり頻繁に聴き続けている曲だ。

 

「おもいでの夏 The Summer of '42」ミシェル・ルグラン、Michel Legrand

 

映画そのものも

今ではあまりお目にかかれない

オーソドックスな「男の子の性の目覚め」がテーマで

その点もノスタルジーに満ちている。

でも、自分はこの映画をフルに見たことがないし

そんな前提がなくても

このメロディはそれだけで十分に魅力的なのである。

ルグランは典型的な“生意気な才人”だったようで

周囲の人たちは彼の振る舞いに閉口していたらしいが

その才能のせいですべてが許されていたらしい。

たしかに

この曲のアレンジなども

彼の手になるらしいが

楽器の使い方が完璧だと思う。

この曲を、ポップス・オーケストラが独自にアレンジしたものを

時々聴いてみるのだが

どれ一つとしてオリジナルを上回るものがない。

これはオリジナルで聴くのに限るのだ。

 

他にルグラン作といえば

「栄光のル・マン」の音楽も素晴らしい。

この映画は映像も凝っていて

あの頃の映画は

随分と野心的だったなと

今にして思うのである。

その才気たっぷりな映像に

ルグランの音楽はきっちりハマっていた。

「おもいでの夏」も「シェルブールの雨傘」も

その点は同じだった。

 

ルグランの死去で

そんな時代をついつい回想してしまった。

今は

下手に「才気」など出してしまうと

むしろ笑われるようなシニカルな時代になってしまったのだから

その意味で

ルグランはいい時代に活躍できたなあと思う。

何にせよ、86歳とは天寿を全うしたという感が強い。

樹木希林や市原悦子が亡くなっても

特に個人的な思い出はないのだが

ルグランの死去は

自分のなかにいろいろな感慨が湧いてくる。

(以上あえて推敲もせず一気に書きました。

 訃報への感想は推敲しないほうがベターだと思ったので)

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