指導日誌

日々の感想、備忘録、指導履歴など、気の向くままに綴っていきます

数学を指導するという事④

2024年02月13日 00時51分09秒 | 授業

 都立高校入試まであと10日を切りました!!

僕の居る教室では中学3年生がほぼ毎日自習に来てラストスパートで活気づいていますよね。

都立高校の入試問題は国語の1⃣2⃣は漢字、数学はもうすべて同じ構成、仮に「数学は絶対ダメ!!」こういう受験生でも1⃣と証明問題を何が何でも書く、これだけで50点はいきます。

証明問題の解答欄が白紙、これはもう、ありえないです。ダメ、絶対にダメ!!

何でもいいから書く、本当に何でもいい、数学的な記述が全くできない、だったら作文みたいに時間の許す限り書く、これしないで「数学はダメ!!」これは無い。

中学生の数学では合同条件だの相似条件だの、それらを根拠として、だから、こう言えます。こういう証明の構成になるよね。でも、こんな事誰も決めてないのよ、実は。                 書き方なんてど~でもいいの。

最初から最後まで読んで、採点官が「そうだよね」こう感じてくれたら満点、こんなものなの。

「条件」を使わなくても「背理法」「転換法」をはじめ、証明の書き方なんていくらでもある、中学校で習う数学はその入り口に過ぎなくて、自分で「これはダメだ」こう思ってしまう事が一番ダメだよね。

「仮定より・・・・」そんな言葉どうでもいいのよ、ホントに。

「題意より・・・・」これでいい。「題意」っていうのは問題文の意味、問題文で書いてあること、という意味なのね。どう書いてもいいんです。自分で決めない事、です。

受験生が諦めたら我々業界人は、誰も手助けしてくれない、確実に。

でも、最後の最後、1週間前、1日前、1時間前、受験生が諦めていないならとことん付き合うし、これ明日まで、これ明後日まで、いくらでも最短距離で引っ張っていきます。

なので、絶対にあきらめないで欲しいんだな。

 

さて、数学を指導する土台として体力と問題演習、特に自分で解答を作る。        これで、まあ、社員と言っていいレベルなのかな、という点まで記事にさせて頂きました。

今でこそね、偉そうに書いているけど、僕でも「やってられるか!」そう思いながらだった。でも、今の時期では受験生よね、まあ1年後、2年後、3年後、4年後の受験生と目の前の子ども達を見るならば、その思いは消える。

そういう意味では自分も子ども達から仕事のエネルギーをもらっているし、もっと上、もっと上、こういう思考回路にもなる。

弱気になる受験生もいるでしょう、一緒に弱気になってたらどうしようもないの。

と言っても激励、これはね、受験生からすれば

「聴き飽きました」

具体的に、を求めているのが受験生なので。                                 

これは、自分が滅茶苦茶しんどい思いをしていないから、受験生が弱気になる理由もわからん。同じ目線に立てない。

子ども達の前で演技するな!そう思えてしまうんですよね。

「20校7年間、解き終わった?」「別の問き方で20校7年間」これ最初に上司に言われた時は嫌がらせなのかな?とか本気で考えてましたよね。これ無理じゃないかな、僕もスタートはそこから。

学生気分の勘違い授業という訳にはいかないので。

授業の準備はあるし、会議はあるし、なんなんだよ!これが20代の自分の本音でしたかね。

でも、絶対に財産になるので、2回目の解答作り、これは参考書を見ながらでもいいの。   やってみてください。やらないでもいいけど、だったら時間講師でいいかな、ってなってしまうので。

 

土台を自分で作り、その、土台を授業で活かせなければ話にならないよね。

授業中、という事に次はなりますかね。

予備校では「講義」授業ではない、講師が一方的に話し、受講生が着いていく、これが基本です。だから色んな講師、色んな講座があるんだろうね。

塾業界では「授業」です。そして授業である以上、こちらから説明もすれば子ども達からもどんどん話してもらうようにする、この空間を作る。

これは簡単なようでかなり難しい、なので別の記事にします。

授業中の僕の思考回路を書かせてもらいますね。

教科が違うと、参考にならない部分もありますので、その点はご容赦を。

問題を解かせて、一定時間の間を開けて、順に答えてもらう。

自信満々で答えてくれても違う、誤答、珍しくない光景です。

「違うな、誰か自信のある子いる?」

それで、正解を答えてくれた所で終わり、その後は

「いいね!」「すごいね!」「よく頑張ったね!」「できるようになったじゃん!」」単純にバカです。

やや難しめの問題に取り組み、考え方も完璧                 

”いい””すごい””よく頑張った””できるようになった”

そのまんまです。

この場合、子ども達の数学の力はupしてません。むしろ時間の無駄で、次に進んだ方が良かった。

 

ここなんですよね。ここで「ほめて伸ばす」この意味がわけわからない、と書かせてもらったのはここなんです。

問題解かせて、完璧に正解できた、これはただの確認です。むしろ、例題を説明している時間に子ども達の反応をみて演習時間を削るべきです。                       

その段階で「ここはいけるな」予測できる筈なんです。予測できるように子ども達を見渡してください。

 

あの~、どんな場面でも意味のない事をしている時間、これほど苦痛なものはないんです。

極端な例でですよ。ラーメン屋さんでね、注文を取りに行きます。メニューを見ながら

「ええ、ラーメンは600円ですか?」「はい」

「ええ、炒飯は700円ですか?」「はい」

「餃子は550円ですか?」「はい」

これ、なんなんだこいつは!そう思わないとしたら神様、仏様ですよ。

それと同じ事を悪意はないのかもしれませんが、若いうちは子ども達にしてしまいがちなんです。そんな確認の為に通塾させているのではない!!これ親御さんの本音ですよ。                 絶対に意味のない時間です。

成績、模試、見て下さい。こんな授業していたら絶対に上がってない筈です。                   サルが芸やって出来たら餌あげるとは訳が違うんです。

面倒くさい、つまらない、でも解けるようになりたい。                       これは親御さんのみならず子ども達の本音。

ささっと解けてしまう子ども達に対して「すごいね!」全然すごくないです。                    成長してないので。

 

授業中では「自信満々で答えてくれたけど間違えてしまった子」この子がキー、僕はそう考えています。

そう考えています、というか、そう考えながら授業して何十年、それで結果出しているので、そうなんでしょうね。

例えば、文章題において

「時速30㎞です!」

この時に「違うんだな~」だから何? 内向的な子だと少し自信なくしちゃいますよね。

この「30」という数字がどうしたら出てくるのか、それを話しながら頭の中で考えるんです。

瞬時に思いつかない時もあります。これ仕方ないです。

「もう1人聴いてみるかな~」

語弊があるかもしれませんが時間稼ぎです。その間は頭の中はフル回転で「30」これが出てくる数式を全部考えまくります。

分速と時速を合わせてないのかな? 式書いて掛算割算の部分先に計算したか?

移項で符号変えないと・・、色んな事を考えまくってます。

頑張って「30」という答えを出した、間違い。

「どうしてそうなったの?」

その理由を聞いても「違うのかな?恥ずかしいな?」こう思ってしまったら子ども達は「わからなかった」「なんとなく式作ってみた」こんな言葉で本音は言わない。

照れ隠し、とでもいうのかな。

2人に当てると、答えが違う、最初の子が間違えてればこうなる訳で。クラスに1人でも間違えていれば「みんなで考えてみるか」これでいい。

解説しながら「ああ、これ、単位合わせないと・・、おお!そうか、二人の答えが違ったのは、ここからか???」子ども達に気が付かせる事、その方が成長幅が格段に大きいんです。

コーチング、まではいきませんけど。自分でもあえて間違える方向で解説を進める技術。

子ども達は大人が間違える、そうしますとね「違うじゃん!何言ってんの先生!!」色んな反応を示してくれます。

この間に最初に間違えてしまった子も「やべ、先生と同じことした」こうなってくれたらそれでいい。

そういう授業スタンスの方が時間内に個々の弱点が解り、説教的に発言してくれるようになり、次の授業ではもっともっと個々の弱点を把握する時間が短くなる、こうなるんですね。

授業中は、頭フル回転。

受験直前の講義形式、これなら今の僕でも120分3コマ連続、とかできますけど、こういうスタンスだと1コマ70分、3コマ連続の時間割ですとそれが限界。                             

最初は頭かなりしんどいですけどね、慣れれば体で覚えます、やってみてください。

子ども達には「間違い」という言葉を使わないで「なるほど」と答えつつも、何とかその誤答になるように誘導、そして子ども達の口から「違うじゃん!!」「先生何やってんの?」こう言わせるようにするんです。

その方が、授業楽しいじゃんね。

 

授業の時間って、先生がいかにすごいか、こんな事を示しても何にもならない。半年後、1年後、だまされてた、こういう恨みを買う時もあります。

自分を見てもらって「何やっってんだよ、先生!!符号が違うじゃん!!」「ああ、そうか」

子ども達は、絶対に時間と共にたくましくなっていきますよ。

参考にしてください。

最後までに読んでくれてありがとうございますね。

 

この記事は、受験生は読んでいるのかな?

こんな記事読まないでいいから漢字問題復習せい!!

最後まで気を抜かないようにして下さいね。