ひより日記

待てば海路の日和あり…日々のひよりを気ままにつづります。

大正末期の雑誌が…

2005年11月26日 | Weblog
実家の本箱を整理していたら、見るからに古い雑誌が2冊出てきた。
プラトン社の『女性』という雑誌で、発行年を見ると「大正15年12月」!
すっかり茶色っぽく変色しているが、『女性』というロゴや表紙を飾る絵がとてもすてきで魅入ってしまった。今から80年位も前になるが、そんな昔にこんなおしゃれな表紙の雑誌あったなんて、驚き。

中を開けると、目次にならぶ執筆者には北原白秋、徳田秋声、岸田國士等など、興謝野晶子もある。文芸雑誌のようにもみえる。

広告がとても興味深い。
12月号の広告はお正月準備の内容となっているものが多く、お醤油の広告ではサンタクロースが熨斗を抱いている。(お歳暮のつもり?)

キャッチコピーの日本語がとっても古風で、小津安二郎の映画のセリフみたいな雰囲気がする。
ちなみに、『炊事手袋(ゴム製メリヤス裏毛)』の広告は…

正月がスグ目の前に!
これからは一日も手離せぬ
■美しいお顔も手が荒れていては…
■お手を美しくしておきなさい。
■それにはコレをお用(もち)ひなさい。
■辛い水仕事も温かく出来て…愉快です。

漢字には古いかなづかいでルビがふってある。
しばし大正の時代にタイムスリップ…

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4 コメント

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Unknown (gnoriko_may)
2005-11-28 09:25:13
年号からするとおマツおばあちゃんがかったものかな。でもあのおマツさんが文芸誌を読むのは創造できないけどね。執筆者名をみるとよだれがでてきそうなくらいすごいですね!でも、これらの人を知っている若者は少ないだろうなー。今度帰ったら、見せてください。
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おマツさん? いいえ… (shima8739)
2005-11-28 22:50:26
どう考えてもおマツさん(なつかしい!)のではないでしょう!

誰か(若き日の老父?)が古本屋さんで買ってきたものかしらと推測しています。



表紙やカットがアールヌーヴォー風ですてきです



今度ぜひ見てくださいね!
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プラトン社はすごい (直木三十五記念館事務局長)
2006-01-13 13:37:54
雑誌「女性」は大正時代に大阪で産声をあげました。双美人のマークで知られる中山太陽堂(クラブ石鹸)の宣伝部が発展したかたちでスタートした出版社プラトン社の発行する総合婦人誌です。編集顧問は小山内薫です。後に直木三十五、川口松太郎を編集者に迎え「女性」のほかに文芸誌「苦楽」も発行しております。挿絵やデザインは最先端を行くもので、山名文夫、山六郎、岩田専太郎といった人達が活躍していました。
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プラトン社 (shima8739)
2006-01-13 21:08:01
直木三十五記念館事務局長様、

コメントありがとうございました。



思いがけず実家でこの古い雑誌を見つけたときは、タイムスリップした気分で、しばし見入ってしまいました。

ブログに書いた後、プラトン社のことが気になり、プラトン社の光芒を取り上げた本を図書館で借りました。大正の時代に大阪の地で光り輝きながら、彗星のようにまた消えていったプラトン社、とても興味深く読みました。



「直木賞」が直木三十五に由来することも、彼がプラトン社に深くかかくわっていたことも初めて知りました。



セピア色の古い雑誌が、大正時代の出版社に連れて行ってくれたような気がします。
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