津城寛文・匡徹の徒然草Shiloh's Blog

時事問題や世間話その他に関して雑感を記し、著書その他の宣伝、関係者への連絡も載せています。

ラストサムライ、瀧善三郎

2024年05月18日 | 日記
 「「ラストサムライ」明治新政府を救った武士「瀧善三郎」見事な切腹が欧米諸国に衝撃、ひ孫が語る「武士道」とは」(岡山、5/18(土)、RSK山陽放送)という記事が出ています。

 この備前事件、横浜事件と呼ばれる「事件」は、ウィキペディアにも載っており、このブログでも、前に書いたことがありますので、ご覧ください(2023年1月31日)。重要なことなので、再説します。

 フランス軍兵士が備前藩の大名行列を横切ったことから、小競り合いになりました。列強の圧力の中、日本側は、責任者の瀧善三郎に、責任をとって切腹させることで収拾しました。

 その厳粛な切腹の様子は、見聞したイギリスの外交官、武士のようなアーネスト・サトウの敬意に満ちた文章で、欧米の新聞で報道されました。日本、日本の武士道に対する尊敬が高まったのは、責任ある立場にあるこの武士の、見事な実践によるものでした(津城、2021、4章4節「武士道」、128~129ページ)。

 現代日本で、指導的地位にある(だけの)者の中で、例外的に、責任を痛感する政治家や経営者がもし一人でもいて、憐れむべき現状を打開できない責任をとって、威厳ある行動で示すことがあれば、世界の尊敬を回復できるかもしれません。与野党の政治屋、都道府県知事、諸種の経済団体その他の長などなど、今の顔ぶれでは、さてどうでしょうか。「三島由紀夫は偉かった」と言ったのは、「田舎者が都会っ子ぶっている」と揶揄された、某著名作家でしたが、文字通り腹を切ったのは、たしかに立派だったと思います。

 元記事と、ウィキペディアその他、瀧善三郎に関する証言を、ぜひご覧ください。映画界には、映画化を期待します。

参考拙著:
『深層文化から頂点文化まで――発信する日本研究』
2021、アマゾンキンドル、ネクパブ・オーサーズプレス

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